池田清彦公演~虫の目で人を観る~オスは消耗品である

あまりテレビをみない僕でも見たことがある生物学者の池田清彦さんの公演をききにいった。妻の同窓会総会のゲストでの公演。

 

昆虫と人は、なにがちがうの?

大きく違うところは『共存、シェアするところ』

 

人は生物学的に言うと一種類だけが生き残ってる。進化の途中では、何種類かいたんだけど、他の人類を駆逐して、人間だけが生き残った。

人間はあらゆるものを食べる。
そんな生き物は、種族は地球上にはいない。

 

たとえば、蝶。
アゲハ蝶とモンシロチョウの食べる葉っぱの種類はちがう。
柑橘系はアゲハ蝶、キャベツはモンシロチョウ。
それはお互いに生き延びるため。
食べ物を細かくシェアすることで、種の保存をしてるらしい。

 

へえー。やっぱり人類は横暴な種なんだ。
生命種は一種から始まって、多様化して、最終的に一種に淘汰されるらしい。
そして、淘汰されたあと、まってるものは絶滅なんだって。

 

そうなのかなあ、やっぱり。

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虫の学者さんは、虫をたくさん捕まえる。当然、殺すことになるけど、学者が捕まえる虫の量なんてたかが知れてる。
殺すのは農薬と自動車。
農薬は人間の神経系にも影響のあるものが日本でだけOKになったらしい。
ヨーロッパでは禁止になったのに。
この安保法のどさくさに紛れて。

メイドインジャパンだけが、俗悪なものになる。輸入野菜のほうが農薬レベルが厳しい。

 

もちろんそんな硬い話ばかりじゃなかった。

一番美味しい昆虫は?セミは格別らしいよ。
イナゴもなかなか。
カブトムシの幼虫は最悪にマズい。

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糞虫といわれる、糞に群がる虫は、キラキラと綺麗なものが多い。

 

砂漠に住む虫、名前は忘れたけど。
その虫の繁殖は変わってる。

まず、メスが空を飛んでゆく。
それをオスが数匹追いかけて、数匹と後尾する。
ま、乱交だね。スワッピング。

ところが、その後がすごい。

オスは交尾したあと、死ぬ。
オスには口がなくて、栄養を補給できないから。
メスが欲しいのはオスの精子だけ。

受精したメスは地上に降りる。
卵をたくさんうむ。
生まれた子供達は働きアリのような存在で、メスのためにエサを取ってくる。
他の子供の面倒も見る。
つまり、メスは繁殖だけをして、あとは産んだ子供達に面倒を見てもらうんだ。
それくらい、一番大事なことなんだ。繁殖は。

でも、メスは受精したあと、またオスを捕まえないと繁殖は続かないよね?
僕はそう思った。なんだオスの出番あるじゃん、と。

でも、メスは最初の交尾でしか、オスを必要としてないんだ。

メスは最初のオスたちの精子を20年保管して、毎年少しづつ卵にするんだ。

人類がようやく精子を冷凍保存する方法をみつけたというのに。
彼らは何億年も前から、その技術があるんだ。
オスは、働き手だけ。

 

なんだか切なくなったよ。

 

 

とても面白い話でした。
さすが、お姉ちゃんみてても、興奮しない。虫の方が楽しいというマニアの話は濃くて。

そうそう
神様は昆虫を、人間をデザインしたかもしれないけど、その後の進化は、改良していくのはその生き物自体の欲求。
最初はゴチャゴチャしてたデザインがドンドン洗練されてくるらしい。
最初の羽虫は6枚羽根。
最新型のハエは2枚羽根で自由自在に飛ぶ。
オスプレイより、確実に正確に。

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