楽市楽座2021年新作『うたうように』 @清流公園:ぼくらはひとりで、だれかといっしょ

楽市楽座2021年新作『うたうように』福岡へ戻ってきてくれた!

年に一度のお楽しみ&やる気注入イベント「楽市楽座の野外演劇」。
去年は例の大騒ぎで中止になった。

今年も中止や延期もありながらも、九州は福岡へやってきてくれた。
しかも!またもやゲストで呼んでいただいた。

調理中に指を切ってからも、この日のためにしっかり治して、リハビリしてきた!これも楽市楽座の「やる気注入」のおかげ(笑)

 

一年の充電期間がどんな変化をもたらせたか?
とても気になっていた。

彼らのお芝居は世情であり、いつもオンタイムで現実としっかりリンクしてるから。
この呆れるほど騒々しい2021年にどんなお芝居を持ってくるのか?
期待値は上がる。

 

新作「うたうように」は
この世界がどんなふうにはじまったのか?というメチャクチャ大きな(?)テーマの大昔話だった。
神事のようでもあり、賛歌のようでもあり。

楽市楽座のお芝居の真ん中には「うた」がある。
今回は「うた」にスポットが当たってる。
しかも「うたうように」だ。

うたうように、、生きる?
うたうように、、消えていく?

遠い遠い大昔、闇も光もない中で、「うた」だけが響いておったそうな。
そのうたを聞こうと集まった闇が石になり、残った光が火になった。
二匹ともどっか年寄りくさかったが、そこに水と風がやってきて…。
バカバカしくも、心暖まる、ふしぎな現代神楽劇。

いつもより少し寒い、中洲清流公園でおしばいは始まった。

 

楽市楽座2021年新作『うたうように』肉体を躍らせる!回る舞台はジャンプ台!

お話はシンプルで「石」「火」「水」「風」という四つのエレメントが出会っていくだけ。
歌は「意味」を外しながら、ステージはより「フィジカル」になっていった。

若いお二人の生命力と、決して「支え役」「控え役」にならないキリコさんとのせめぎ合いがより一層激しくなっていて、すごい楽しい!
そう。
楽しい!
んだ。

闇があつまって石っころになる。
石っころはごろごろと転がるだけ。
そこに「外的要因」の火が現れる。

「石にかじりついて」も命を燃やそうとする火は「恋心」でもある。欲でもある。

水はまだ凍ったまま。

風はまだ、ほかの「何者か」を知らない。

 

 

お話を追うのはこのくらいにして…。

僕が今回感じたことはこんなこと。
もちろんみた人はみんな「自分のうた」を持つだろうから、そのなかのひとつとして

 

楽市楽座2021年新作『うたうように』うたはそこにある。忘れないで。

歌を歌えない「水」に石っころや火は

「はなうたから始めたらいいんじゃない?」という。

歌を教えたり、応援したりするんじゃなく「ひとつの提案」をする。

うたは少しづつ体を解かし、やわらかくする。

「自らのうたで、自らを和らげろ」

ぼくはそう感じた。
絵を描くことも、ご飯を作ることも、もちろん労働の中にもあるもの。
その全ては「うた」として外に出すことで「うた」として生まれ出る。
でも自分で産まなきゃいけない。

 

うたを忘れることも
うたえなくなることもある

でも間違いなくそこにうたはある

 

はっとする。
僕らにのしかかる闇や重責。
いつしかうたは口ずさまれず、ため息に口が占領される。

いままでの楽市楽座は
「そんなときこそ、歌うんだ!もう黙ってはいられない!」というメッセージを発していたかもしれない。

今回は違ったように感じた

「すべてはそこにあるのだ」
「忘れてしまいがちだから、ときどき昔話として思い出さないとね」

 

 

楽市楽座2021年新作『うたうように』僕らは他者と衝突し、励まし合い、そして自分の「うた」を歌う。

「水」はうたを思い出させてくれた「火」に感謝しようとするけど、火は水に近寄られると消えてしまう。
水は風と愛し合い、壮絶な嵐を巻き起こす。

四つのエレメントは、まったく別の意識と常識を持っている。
組み合わせによっては消滅してしまうし、荒れてしまう。
でも「他者」に触れることを求める。

わかりあうことはないかもだけど、お互いを「違うものだ」と認識し、尊重することはできる。
恋に落ちることもあるし、周りを巻き込む嵐にもなる。
でも「他者」に触れることを求める。

ぼくらはひとりとして生まれ
誰かに影響を受けたり与えたりして
形を変えたりもするけれど
ひとりづづなんだ。

 

そんなふうに感じた。

 

そして、
世の中のいろんな事情に頭にきたり悲しくなったり、唾を吐いたり、開き直ったり、入れ込んだりするのが人間、生き物だと仮定するからこそ、個々で生きるものを「石ころ」「火」「水」「風」にしたのかな?なんて深読みする。

 

 

楽市楽座2021年新作『うたうように』僕はタイトルを聞き、同名のうたをつくることにした

さて。わたくしごとだ。

楽市楽座、キリコさんからお声がかかり、僕は天にも昇る心地。
「うたうように」というタイトルだけをきき、そこから広がる気落ちを歌にしょうと思った。

「うた」でなくなぜ「うたうように」なんだろう?
僕はうたうように何をしたいのかな?

楽市楽座のおしばいの真ん中に歌があるから、僕はそれに憧れを持っているから、そのことも歌いたい。

 

 

「うたうように」

うたうように話しながら 踊るように歩いてる

風のようにざわめいて 波のようにうるさくて

いつか君とすれちがう 道の途中で朗らかに

右に左によけながら 軽く会釈をするだろう

 

笑うように泣きながら 座り込むように立ち尽くす

ゾウのように小さくて ダンゴムシのように大きくて

今日も君を追いかける 日が上りまた沈むまで

西に東にさまよって 長く伸びた影をつかまえる

 

これは僕の「ファンソング」です(笑)

 

2021年という年に、2020年も含めてだろうけど。
今年産まれるべきお芝居が生まれ、日本中を駆け巡っていった。
うたは撒き散らされ、風に乗って、きっともっと多くの場所へ飛んでいく。

 

 

また来年が楽しみだ。
ありがとうございました。

(写真はクロキカオリさんからお借りしました)

 

 

そうそう。
今回は投げ銭もいただき、それを拾うというすばらしい経験もできた。
お金が飛んでくるだ。
暗闇の中から
サイコーだった。

 

 

 

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