9月ですね。今年もあと4ヶ月で終わるのですね。
年の初めに胸の中で思ってみた、いくつかの抱負のようなものを思い返して、「うむむ・・・」となってます。
人はどうしても易きに流れる・・・。「人は」っていうか、「私は」ですがね、ははは。
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ふと思い出したのは、5月に見た『プロフェッショナル仕事の流儀』渡辺謙の回です。
ニューヨークでのブロードウェイミュージカル『王様と私』がトニー賞にノミネートされたころに放送されたんですよね。番組では、その『王様と私』初日までの渡辺謙に密着します。
(「王様と私」公式紹介動画:英語版)
若くして大河ドラマの主役に抜擢され(独眼竜!)、大病を克服して、『ラストサムライ』 でハリウッドに進出。
その後も国内外・大小問わず様々な作品に出続け、鬼才の演出家バートレット・シャーに見いだされ、「王様」のオファーを受けた渡辺。
「ステージの上で、高貴でパワフルな王様を演じられる役者は彼しかいない」
けれど、輝かしいキャリアも、熱烈なオファーも、裏を返せばプレッシャーになります。
『あがき続ける55才』というのが、番組の今回のサブタイトルです。
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自分ではない誰かを演じる俳優という仕事。それを「虚業」だと彼は言いますが、みずからを人前に晒し、喉を、表情を、手足を、全身を酷使する姿を見ていると、何が実業で何が虚業だというのだろう? と思えてきます。
「全部捨てなきゃいけない」と、彼は言う。
「どんな作品でどんな役をやったとしても、終わればそのキャリアを捨てる。そうじゃないと、次の作品に進めない。持って行っても、何の役にも立たない。」
そんな厳しさが、なぜ必要なのだろう? と、私なんかは思っちゃう。すでに富も名声も得て、もう55才なのに。
けれど、「腕をいっぱいに上に伸ばして、崖をよじ登るのが自分の生き方」 なのだと彼は語ります。
生死の境から戻ってきたから、もらった命だからこそ、そんなふうに生きるんだ、と。
かっこいい。すごくかっこいいです。
だけど現実は。
英語の稽古。英語での歌の稽古。英語での芝居の稽古。ハリウッドに進出して10数年が経っているとはいえ、やり直しのきかない生の舞台で毎日まいにち、3時間にわたって観客に英語を聞かせ続けるのは容易なことではありません。
英語の先生や演出家からダメ出しされ、スタッフに苦笑され、共演者に疑問をぶつけられ・・・。
稽古帰りの彼は苦笑します。
「毎日、う なだれて帰る日々だよね」
初めての通し稽古が終わったあとの落ち込みはピーク。
「第一幕が終わった時点で、俺はこんなことしかできないのか・・・と。“すみません失礼しました”、って帰ろうかと思った」
「肝っ玉が小さいんだよな~」
「本当に情けない」
「おまえそんなに自信ないのかよ、って感じ」
次から次へと愚痴がこぼれます。
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それでも、「寝て、起きて、シャワーを浴びて、食べて、劇場に行って」。その1日を繰り返すしかない、と渡辺にはわかっています。
半年間の単身赴任状態。ニューヨークの部屋には、壁一面に英単語の貼り紙。
大病をした経 験のある彼は、外食も滅多にしません。自分で日本食の材料を買い込み、米を研いで炊き、味噌汁を作る。稽古にも自作のおにぎりを持ち込みます。
そして、どんなに疲れる日々、失望する日々でも、部屋に花を欠かさないのが渡辺流なのだそうです。
挑戦する55才。あがき続ける55才。
かっこよく題された日々の現実は、不安と、愚痴と、地道な日常。
それがひどく印象的でした。
でも、なんとかかんとかして、初日にこぎつける。幕が開けば、今度はまた、千秋楽に向かって1日1日を積み重ねる。
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正直、渡辺謙よりうまい役者は、日本だってけっこういると思うのです。
けれど、彼に独特な「偉大さ」を 感じるのは、この「甘んじなさ」、挑戦する姿勢があるからかも。
そして、挑戦って、その過程はむしろかっこ悪いんだよな。うん。
なんかね、今年の残りの4ヶ月、自分ももうちょっとがんばろうと思います。
渡辺謙ですら、けっこう、かっこ悪いんだから、何を恥じることがあろーか。
ちなみに、彼がちょいちょい政治的な発言をすることに世の中は賛否両論ですが、私は、全然いいと思います。
彼の発言内容がどうこうってより、「どんな職業や立場であれ、発言したい人はする」ことが否定されてほしくない。
発言を聞いてどう思うか? それはまた、もちろん各人の自由です。
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