美術にはまったく明るくない僕です。
モネ。睡蓮の花の絵を何枚も何枚も描いてる人。
そのくらいの知識だけど。
みぞれまじりの日曜日。
大濠公園の福岡市美術館へモネ展を見に行ってきました。会場内はかなり多くのひとたちでごった返してる。みんな絵が好きなんやろか?
会場でもぼくは解説を読むのが苦手で。コーナー前の概要みたいなのはまあいいけど、一枚一枚の絵に添えられてる文章はまったくみない。
なのでタイトルとか知らない。
会場は六部構成
第一部【家族の肖像】
モネは庭ばっかり、風景ばっかり描いてたわけじゃないらしい。
奥さんや子供の肖像画もある。
海岸で椅子に座る奥さんとか。
ルノワールが描いたモネの肖像画なんて、ほんとに友達ぽくて、いい。
第二部【若きのモネ】
子供の頃、授業はきかずに落書きばっかりしてたらしい。風刺画なんていい感じの名前はついてるけど、子供らしいデフォルメされ人物たちかわいい。
町中に評判になるまでにはそんなに時間はかからなかったよう。
SNSがあるわけじゃない時代の評判っていうのは、本物の口コミだろうね。
第三部【収集家としてのモネ】
モネは自分で描くばかりじゃなくて友達や先輩たちの作品を収集してた。
こんな絵が好き!
この人の作風が好き!
そんな素直な「絵画ファン」としてのモネ。
幸せな時代に生きたんだろうなあ。
第四部【モティーフの狩人】
旅の風景。移りゆく季節の香り。光と影のはっきりしない境界線。
闇は暗くなく、ひかりは眩しくない。
空気中のいろんな粒子によってエッジをなくすひかり。
霧の中、雪のなか。
ロングの引きのアングルで描かれた人々の生活のシーン。
第五部【睡蓮と花】
庭作りが好きなモネは、花の位置や種類を考えてたくさんの作品を描いてる。
有名な睡蓮のシリーズ。何種類も連続してみることで見えてくるストーリー。
水底でゆれる水草たち。今にも動き出しそうというより、もはや動いてる。
第六部【晩年の作品】
最晩年のモネの作品は、ちょっと感動的。穏やかなひかりに包まれた作品ばかりを目にしてるぼくのような普通のひとにとって、この鮮烈で力強い色合いとタッチには驚き。
目に見えない植物や自然のエネルギーまで絵に残そうとしてる感じ。
友人や家族を亡くし、自分も歳をとっていろんなものが見えづらくなる。
動物も人間も、あっという間に死んでゆく。
でも花や水や森は、四季ごとに見えかたを変えても、永遠に続いていくかのようにそこにある。
今日の景色も
明日の景色も違う
毎日新しい。そしてずっとそこにある。
何かが爆発したかのように極彩色を重ねて描かれる風景。
光と影で作られる「目に見えるもの」ではなくて
草や花や水や橋のエネルギーを記しておきたい。
そんな思いが伝わった。
モネが力強いのではなく、描かれるその自然が強いんだ。
モネ。
小学生のころ授業で睡蓮の絵を見たときは「なんか雑やな~」と思った。モナリザとか宗教画とかは「写真みたいにうまいな~」と感じたし、ピカソやダリは「おもしろい 」シャガールなんかは「絵本みたい」。
筆のタッチがそのまま残ってるような画面。ちょろちょろっと描かれたシルエットの人物。子供がうまさを感じれるほど判りやすくない。
世界はピンボケ。
僕らが見てる世界は、見てるもの以外は微妙にぼけてる。
韓国ドラマやハイビジョンでとられたドラマのように隅から隅までパチピンってことはないよね。
なにが印象派か?とかはよくわからないけど、モネは風景の「第一印象」のみを、スピーディーにキャンバスに刻みこんでる気がする。
風景を描きながら、風景の一部である人々の暮らしを描く。
人物を描きながら、その人物が存在する風景を描く。
水面に映る全てを描くのではなくて、僕らの目に飛び込む第一印象を描く。
その裏にある膨大な情報量のリアルを提示しないところが、僕らに描かれた場所を疑似体験させる「すきま」を作ってる気がする。
その風景を直接みたことはなくても、日々のひかりや、海の綺羅や、煙やもや、霧。石でできた壁、そして花々。それを僕らは知っている。 ひかりと影によって描かれる風景を知っている。
モネはぼくらのなかの記憶を呼び起こす。 だから、子供のころはわからなかったんだ。自分のなかの記憶の蓄積が少なかったから。
50年生きてると、風景とともにある生活の記憶も半端ない。
生きてた時代も、場所も違うモネの描く風景のなかに潜むドラマが
小さな島国で育った男を泣かす。
開催期間はあとちょっとだけど 福岡にいるなら、ぜひどうぞ。
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