斉藤工の「媒体としてのギャグ」が最近すこしわかってきた《臨床犯罪学者 火村英生の推理》

濃い顔。
でっかい身長。
おとこ壇蜜。斉藤工。

昔はわりとアクのある、骨っぽい(どちらかといえば西島秀俊系)だったんだけど、このごろなんか変だ。

なんだろ?このひと。どこを目指してるんだろ??
なんだろ?業界にあそばれてるんじゃ?

でもドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」をとーきどき見てておもった。

あ、この人、役者としてのエゴがない。「どうとでもお使いください」って感じがする。

作品としてのドラマや映画が好きで、あんまり自分のキャリアのことを考えてなさそう。(あくまで僕の印象だけど)
役者の賞味期限を知ってるから、使えるうちは使おうかね。ってかんじ。

fb_himura

「臨床犯罪学者 火村英生の推理」は、ほんとに良くある犯罪バディもので、縦軸に流れる長谷川京子(目じりのシワが美しい。ドロイド顔だったけどようやく好きな感じになった)近辺の話とのかかわり方も、ごはんの途中で見てても安心なくらい、定番。
全然あたらしくないし、水戸黄門的、ワンパターン。類型的。

悪い意味じゃないよ。それが望まれているんだから。
それがある意味TVのちからだとおもう。見ようとおもってなくても、ついつい見てしまうもん。

斉藤工の金田一耕助ぽさとか、ふざけた感じとかいんちきフェロモンとか。
自分を捨てて、素材に徹してる感じがする。
まるで長谷川博己みたいに。

give the people what they want
っていうキンクスの曲があるけど。そんなかんじ。「人々が求めるものをあたえよ」

多くの役者が「素材に徹する」ことを望みながら、我が出るのに。

長谷川博己や斉藤工は「スターの賞味期限の少なさ」をしってるのか、求められるものに染まるのに躊躇がないきがする。

それは自分の仕事、映画やドラマ作りのひとパートだけじゃなくて、映像・物語がすきなんだろうなあとおもう。べつにどんな扱われ方してもかまわん。おもしろがってもらえれば。
そんな気がする。

そうおもうと、彼の「一見、魅力がない・主張がない」と感じてたおしごとが、くるっとひっくり返って。
おもしろく感じられた。

へんなプライドもったり、仕事の質・量にまどわされずにこのまま淡々とやってほしいな。

きっと妖怪人間だって、仮面ライダーだって、AV男優だって、プロ野球選手だって、カラマーゾフの兄弟だって、彼はやるだろう。
あ、ガッチャマンだって。エヴァンゲリオンだって。





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