五島列島の小さな島に、音楽教師がやってくる。
出産を迎える先任の代わりに、臨時で。
どこそこにいっぱいある設定の青春映画なんだろうなあと思ってた。
WOWOWでとりだめてた映画の消化試合のつもりで見たんだけど、まあ豊かな映画たった。
アンジェラアキの歌が主題で、合唱コンクールの課題曲。「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」
当然、中学生たちが歌う。
よくは知らなかったけど、いい歌やね。
彼女、ルックスのイメージ、インパクトで損してるかも。
なんか見てると満腹になるやん。
あんまり聞きたいと思わないもん。
15歳の頃の心にあるいろんな不安や苛立ちと
30歳の傷や治癒力。生きるパワー。祈りというより対話の歌。
生きる意味を探す15歳。
生まれてきた理由が納得いかない15歳。
私が、僕がいない方がいいんじゃないか?
誰もが一度は考える「生きていてもいいのか?楽しいことあるのか?」そんなゆらぎに、音楽はダイレクトに答える。もしくは間接的に。
途中から「あ、これはやばい方の映画だな」と感じ取った僕は、何度も涙腺崩壊しそうなところを、首の後ろをつねって耐えた。
おかげで最後までしっかり見れました。
自閉症の兄を持つ少年。合唱の楽しさに目覚めるんだけど、兄の世話をしなきゃならない。
部活に満足に行けない。
兄が自閉症じゃなかったら、僕は必要とされて生まれてこなかった。
僕の生きる意味はこれです。
淡々と話す彼にも「兄がいなかったらいいのに」という心の闇が襲ってくる瞬間がある。でも、ふっと笑いかけるんだ。そして兄の元に走るんだ。
自閉症の男の子のお父さん。
世間に迷惑をかけまいと、どうか私たちのことは見ないでくれと生きてきた。
でも、歌に囲まれて喜ぶ息子の姿を見たら・・・。
この二つのシーンで僕は泣いた。
映画の本編である、過去を克服して再生する大人の姿の本流ではなく。
うわついてもなく、過剰でもないシーン。
素晴らしいロケーションとともに、物語は静かに熱く語られる。(コンクール直前の心配のシーンは少し過剰だったかもしれないけど)
- 生まれるということ
- 生まれたということ
- 生きていくということ
この三つの違いが驚くほどすっきりと対比されてて、感動を呼ぶ。自然に。
いろんな立場のキャラクターが、過不足なく語られていく。
娘を捨てて女と逃げたお父さん。その父と母。
そんなところにも、描かれない物語があることが想像できるような。
主演の新垣結衣は眉間のシワが本当に似合う、田舎のヤンキー上がりの女優だなあ。
夏帆とかとかぶるんだけど、外さないよなあ。映画もドラマも。
すっと美しく立ち、過去に怯え、でも生きる。
彼女が言うように、僕も中学生とか大嫌いだ(笑)
何も知らないくせに一人前なことを言うし、うるさいし、僕がなくしたいろんなものをまだ持ってるし。勝算のあるなしに関わらず、全力投球だし。
ああ、ヤダ。
船の汽笛の音が「ド」だったり
ドが二回で新しい旅立ちの合図だったり
音楽的な盛り上がるシーンもバッチり決まってる。
サウンドオブミュージックや二十四の瞳を、現代の解釈でリメイクしたような。
丁寧な、いい映画。
そして「パンチラ」が男子にとってどれだけ友情を高めあうものかが描かれた傑作。
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