♯近代文学が苦手でもきっとスラスラ読める本
♯意識高い系非モテ童貞ニート(23)の恋のゆくえ
♯気持ち悪いセリフにふせんを貼ったらふせんで埋まった
♯後半の杉子の暴言の数々に圧倒
♯一度は騙されて読んでほしい一冊
「私は野島さまの妻には死んでもならないつもりでおります。(中略)どうしても野島さまのはわきには、一時間以上いたくないのです。」
「友情」武者小路実篤
※以下ネタばれ含みます
学生時代に「友情」で読書会をしたことがあります。
参加者に事前に本を読んできてもらってあとは自由に感想を言い合うスタイルで盛り上がったなぁ・・・(野島、身の程を知れ!!とかとにかく好きなことを言うだけ)
それもこれも、この話が今読んでもつっこみどころがあまりに多すぎるからなのです。
物語は主人公の野島(23)が、友人の仲田の妹の杉子(16)に一目惚れをするところから始まります。
これが本当に文字通りの一目惚れ。初めて会った日に、一言も会話をしていないのにすでに結婚のことを考えているあたり妄想が凄い。
意味もなく仲田の家に行ったり、杉子の学校の近くを歩いたりとだんだんとストーカーと化していく野島。彼の脳内で神聖化された杉子が挨拶をしたときのリアクションが以下である。
「貴き、貴き、彼女よ。自分はあなたの夫に値する人間になります。どうかそれまで、ほかの人と結婚しないでください。」
これは、こわい。
重いし、勘違いも甚だしいし、ただただこわい・・・!
至って本人は大まじめなんだけれど。
そこがまた一段と空回っていて気持ち悪さを増している。
「新聞を見ても、雑誌を見ても、本を見ても、杉という字が目についた。」
「皆に感謝しなければならなかった。仲田にも、仲田の母にも、そして杉子を地上に生んだ自然にも」
こんな調子でほとんど話したこともない杉子をひたすら称賛している姿は、恋というかオタクに近いのかもしれない。杉子を応援する会代表!とかのほうがしっくりくる。
そんな杉子推しの野島には何でも言い合え、脚本家という立場でもお互いに切磋琢磨している親友の大宮がいる。
野島は事あるごとに大宮に恋の相談をして、大宮はうじうじと悩む野島の背中をそっと押す。
だがしかし話は思わぬ方向へ。
最終的には野島の恋を応援してくれていたはずの大宮と杉子が付き合うことになってしまうのです!
確かに読み返してみると、途中大宮は「恋はあつかましくなければできないものだよ」と話しているという・・・
本当にあつかましかったね、大宮!!
ここまではインテリなうえにスポーツもできる爽やか系青年だったけれど、付き合うことを野島に報告するやり方が大変エグい。
僕は杉子さんと二人三脚で成長していくけど、君なら全てを知ってもなお、悲しみを乗り越えてやっていけるよね★(意訳)と言いつつ、杉子との手紙の一部始終を同人雑誌に掲載してしまいます。
この終盤の手紙のやりとりが本当に印象的。最初は笑えるけれどあまりにもひどすぎて悲しくなってくる。
特に冒頭に引用した杉子の言葉の破壊力がすさまじい。野島は生理的に無理だ!大宮様がいい!(意訳)という暴言が延々続くという・・・この杉子の手紙の大宮のファンっぷりも盲目過ぎて、ある意味オタク感ある。
好きだった人にけちょんけちょんに言われたあげく親友にとられる・・・流石にこのオチは野島がかわいそうすぎる。
そしてただ大宮が成功しただけのような気がする。
救いがあるとすれば、野島がへこたれない精神を持っているところかも。
ここまで前向きで勘違い気味の彼なら、これからもめげずに生きていけそうだ。
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