ヒトラー暗殺、13分の誤算:ヒトラーをめぐる映画はどのくらいあるのだろう。
僕はあまり見ないほうだけど、この映画は2016年に見てよかったなと思う。
きつい描写もあるし、心がイガイガするけど。
根底にあるのは「考えて、生きろ」というメッセージ。
ナチスに染まっていくドイツ。
でも支持率が50%以下の頃もあった。
そしてその頃から、ナチスは人々をうまく操作して、あっという間に「信頼」と「恐怖」を勝ち取った。
自分たちと違う人種をあぶり出し、「ドイツはすごい!」「ドイツは美しい国家!」というスローガンのもと、違う意見は言えなくなる空気をうまく作った。
騙されてるという匂いはするんだけど、大衆という「仮想」を作り上げて、払拭する。
ヒトラー暗殺、13分の誤算:自由に生きるための戦い
1939年11月8日、ドイツのミュンヘンにあるビアホールで、毎年恒例のミュンヘン一揆記念演説を行っていたアドルフ・ヒトラーは、悪天候のためにいつもより早く切り上げた。その後、ホールに仕掛けられていた時限爆弾が爆発。ヒトラーが退席して13分後のことだった。
ヒトラーを殺そうとした家具職人「ヨハン・ゲオルグ・エルザー」。
歌を歌い、人妻に恋し、言ってみれば「自由奔放なダメ人間」。でも彼は自分で考え、自分でやりたいようにやり、その罰も受ける。
考えて行動する。
僕らが今一番できてないこと。
腸内の細菌に「善玉菌」と「悪玉菌」というのがあるのはご存知の方が多いと思う。
TVのCMなどでも「善玉菌を増やして、腸内をきれいに!」なんて言ってるから。
でも、腸内で一番多い菌は「日和見菌」と言われるもの。
その時々に優位になった方へ味方する。
僕らは「日和見菌」になってないだろうか?
集団で、のそのそと、列に並んでないだろうか?
ヒトラー暗殺、13分の誤算:実在の人物の脚色のいい塩梅
ヨハン・ゲオルグ・エルザーの存在は、近年まで隠されていた。
たった一人で世界を変えようとした男。
ゲオルグはヒトラーが死ぬ直前まで生かされた。
それはなぜか?
反逆のヒーローに目立ったことをしたくなかったのかもしれないし、ヒトラー没後もドイツ政府は彼の存在を隠し続けてきた
2014年、ドイツのメルケル首相は、自分の意思で戦争を防ごうとした反ナチス抵抗運動のヒーローとして、公式に彼を称えている。
ヒトラー暗殺、13分の誤算:時代はパッと変わる。入念な下準備の後に
キレイな制服。
素晴らしい技術力。
我が国は素晴らしい。
我が国に暗雲をタレ込ませるのは奴らだ。
奴らをあぶりだせ!
わかりやすい指針と、くすぐられた自尊心と、ナショナリズム。
うまく動かされるポピュリズム。
時代のヒーローに頼ろうとするとき、時代は変わる。
ひっくり返って仕舞えばそれを戻すのは大変だ。
僕らはヨハン・ゲオルグ・エルザーに頼らずに生きていけるか。
それにしても自国の暗部をしっかりと描くドイツと
大政翼賛会的な「日本あっぱれ!映画」を作り続ける日本。
同じ敗戦国なのにどうしてこうも違うのか。
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