獣は月夜に夢を見る:変わる少女。黙り込む小さな村。
予告編を見て、見たいなあと思っていたんだけど、あっという間にロードショーは終わった。
北欧のスリラーということで「僕のエリ」との類似点も色々あるみたい。
僕のエリは正統派「吸血鬼」映画だった。
歳をとらずに、ずっと生きてるヴァンパイア。
血を吸って生きる。
太陽の光が苦手。
教科書通りの吸血鬼映画だからこそ、斬新なカメラワークと若々しい感性が溢れていて素敵だった。
この「獣は月夜に夢を見る」はより閉塞感の強い、悲しい映画。
獣は月夜に夢を見る:車椅子の母親と冷たい視線
寒々しい風景が広がる港町。
魚を加工する仕事以外には産業がなさそうな。
男たちは荒々しく、でも空虚な瞳をしてる。
少女、マリーの母親は難病抱えていているようだ。
車椅子の生活をおくり言葉を発することもない。
この親子を村人は冷たい視線で見る。
無言の圧力、嫌がらせ。
寂れた港町ではあるような光景にも見える。
ある日、マリーの痩せた体に湿疹ができる。
慌てる医者。父親。
前半は重たい空気に包まれて、いじめられるマリーと、それを助ける男の息苦しいシーンが続いて、「変身ものスリラー」というのを忘れるくらい。
この前半の映画としての作りが素晴らしい。
架空の人狼映画なんだけど、ありそうなリアリティが滲んでる。
見てる僕らのこの街にはいないけど、遠い異国にはいるんじゃないか?と、思ってしまう。
獣は月夜に夢を見る:つまはじきの運命
集団生活や田舎の暮らしに馴染めない。
男社会の生き方がわからない。
親は地域社会に嫌われている。迷惑をかけてるから?
そんな、想像しやすい閉鎖的な街。
そんな舞台がしっかりしてるから、多少強引なストーリー展開も「乗って」行ける。
誰にも頼れない。
誰にも愛されない。
そんな彼女にも協力してくれる男が現れる。
フェルメールの肖像画のように白く、青い少女の肌が赤く火照る。
そして、彼女は自分の中に生まれた獣に気づく。
村の人が彼女たち親子を忌み嫌い、恐れてるのは、マリー親子だけに起きることを知っていたからだった。
獣は月夜に夢を見る:悲運の少女を支える男。これこそがファンタジー
僕のエリにも、彼女を守る男がいる。
歳をとらないヴァンパイアに対し、人間の彼は年老いいつか死んでゆく。その悲しみが甘い香りを発していた。
「獣は月夜に夢を見る」でも同じように現れる。同じようなラストシーンを迎えるんだけど、悲しみの度合いが深い。
マリー役のソニア・スールが美しい。
ハリウッドの健康的なヒロイン、もしくはスタイリッシュなファイターになれために、北欧美人が新鮮なのは当たり前だけど、この映画のために生まれたんじゃないか?と思うくらいのはまり役。
血なまぐさい殺戮シーンにも、青く美しい肢体が輝く。
獣は月夜に夢を見る:狼にはならなくても
心の中に孤独があり、
毎日の生活に重苦しさがあり
爆発しそうなフラストレーションを抱えて生きる人たち。
そんなに少数ではないはずだ。
爆発しそうな感情。コントロールできない怒り。
狼にはならなくても、人は危うい。
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