日本中がないた!とかリピーター続出!とか言われると「波が引いてから冷静に見てみよう」と思ってしまうひねくれ者。
ベストセラー小説とかは安くなってからブックオフでみる。
で、この映画。
苦手すぎる監督の映画。でも「流行する」ってのは必ず理由があるから、確認しないといかん。
DVDを借りてきた。
田舎の女子高生。カフェもない。家柄は巫女。やりたくない儀式。父は政治家。友達はいい奴。
このへんのキャラクターは全くもって「よくある凡庸なもの」なんだけど、生き生きしてる。
目新しい設定じゃなきゃダメな理由は何もない。
嫌なものを「いやだ!」と切れない女子高生を見たことがないので、主人公の女の子に共感はできないけど。今の子は「受け入れる」んやろうなぁ。
東京の男の子の周りの友達も裕福な私立高校感がたっぷりで、坊ちゃんな感じ。感じのいい友情。豊かな高校生活。おそ松さんで言う所の「天上人」たちだ。
東京シティに生きる孤独感は描かれてないけど。
マクドナルドもなかった田舎で高校生活を過ごして、駄菓子屋の前でたむろってた僕には、田舎のリアルなノスタルジー。
ああ、こんな日があったなあ。
でもお話が進むにつれて・・・
君の名は。乗れなかった理由1:大林宣彦監督作品をリアルタイムで見てた世代だから。
- 時をかける少女
- 転校生
まんま。角川映画である。
それだけあの時「若い人」だった僕らに深い影響を与えてるんだなぁと思った。
- 男の子と女の子が入れ替わる
- 時空を超えて、好きな人を救う
リメイクかと思うくらい。
それが悪いと言ってるんじゃなくて、多感な時期にそんな映画を見てるからね。
今、現代にそれをやられても焼き直しにしか見えない。
フクシマ後の日本の姿と重ねたりすることもできるけど。
とにかく若い人に大絶賛で、おっさんやおばさんに人気がないのは「ラノベ感」とかではなくて、先にオリジナルを見ちゃったから、だと思う。
君の名は。乗れなかった理由2:リアルとリアリティーを勘違いしている「背景」
この監督作品の何が苦手かっていうと、「絵」だ。
アニメーションでやる意味あるの?と思う「超自然な背景」だ。キャラクターデザインは作品ごとに違うからいいけど。アニメってのは時代を反映するから、今の時代の顔はこんななんだなと思うだけ。
目に言えるものをリアルに描くテクニックは、「それが必要だから」輝くのだと思う。
あの異様にキラキラした世界は「全編が夢」ていうのなら、まあその彩度の強さも悪くない。
映画は夢だ!ってならしょうがない。
でも「この世界の片隅に」で感じた、表面的には「絵画的」で、リアルに描かれてない風景や背景が胸にズドン!とくるのは「絵がリアルでない」からじゃないかな?
モニター世代の人が感じる「きれい」だと思う。
人は脳の中で風景を変換して「リアリティー」という感情として受け止める。
重量を感じない「きれい」な風景。
雨粒に濡れてもシミがつかないんじゃ?と思えるような雨のシーン。
うーむ。
こちらの受信機のせいだろうけど。
君の名は。乗れなかった理由3:音楽の使い方が説明補佐
人気のバンドが音楽をやってるらしい。
バンプとの聞き分けができないのは「耳が悪い」のかもしれないが。
映画のシーンと、音楽で歌われてる歌詞がぴったりすぎて。
全くつまんない。
曲を単体で聞いたらすごいいいのかもしれない。
(実際、見る前になんかで聞いたタイムなんとか〜って曲はよかったし)
ただ、音楽好きとしては
「お前の映画の説明に使うなよ!」
て気持ちになる。ま、そういう契約で作ったんだろうけどね。
音楽は音楽だけで十分説得力があるはずなのに。
そんなナレーション的な使われ方って・・・。
音楽で語れるものと、映像で語れるものの距離感や、連想させられるもの、増幅させられる気持ちの微妙なズレが豊かな「感情」になるんだと思う。
エンドロールで流れるよくあるつまんない歌が、ギリギリ耐えられるのは「全てが終わってるから」だと思うんだ。
君の名は。乗れなかった理由4:大事なところで出るご都合主義
1200年ごとに落ちてくる隕石で滅びた村。
それを伝えるために続いてゆく神社。伝統行事。
その家系の女子はみんな「入れ替わり」の経験がある。
なくなってしまった言葉の代わりに「組紐」「酒」などを使って現代まで伝承してる。
ちょっとまって。
入れ替わってる!で済むことなの?
もしそんなことがあったら、恐怖で気が狂いそうになるし、学校なんかいけない。
友人たちだって「お前ちょっと変やぞ」じゃすまないでしょ。
だって外側は性別も含めて別人なんだよ?
いきなり対応できるの?
そして自分の記憶にないことを学校でやってるんだよ?
その恐怖が全然ない。
「入れかわってるんだ〜しゃーないな〜」て。おいおい。
観客のみんなが「入れ替わったこと、あるある〜」ってならわかるけどね。
ばあさんもばあさんで、自分が入れ替わってる経験があるなら、孫のいうこと信じようよ。
隕石が落ちるんだよ。
それを伝えるために自分たちはいたんだよね?
それを聞いた途端、必死になって悲劇を食い止めようとするのがばあさんの役目じゃ?
お父さんの方が理解力があるって(笑)?
娘が本気で言ってきたからお父さんは信じて避難指示を出すって?
わけわかんない行動する友達のわけわかんない言動を信じて犯罪に加担する「友人」って?
名前も忘れて、組紐だけが頼りで「何かを追い求めてる気がする」のに、電車で顔見て思い出すって?
ああ。そうか、この世界は全てうまくいく世界なんだなぁ。
君の名は。乗れなかった理由5:一番冷めたのはラストシーン
すれ違う電車で二人はお互いを確認する。
駅で降りて探しまくる。
見つける。
すれ違う。
しかも、何歩もすれ違う。
で、男の子が声をかける。
ああ。ここでもやっぱり男の子が声をかけるんだ・・・。
女の子にとっては命の恩人やん。
男の子にとっても、彼女を探し求めてたわけやん。
めんと向かって会えた途端。
- 動けない
- 声にならない
- 涙が溢れる
ならともかく。すれ違って、「あの!僕!君を!」て。
女の子は「声をかけられるまで待て」という今の時代の風潮なんかなぁ。
あと、忘れないように「名前」を書いておこうって言って「好きだ」って。
タイトルにするくらい「名前」が重要なんじゃないの?そのルールを破ってしまってまで、「名前を書こうね」っていう約束を破ってまで自分の感情を押し付けるの?で、喜んでるの?
まあ恋愛中の幸せな二人なら、そうかもね。
君の名は。好きなシーンもまあまああったよ!!!
一番好きなシーンは「かはたれどき」に時空?生死?を超えて二人が出会うところ。
ここは「別の世界が交わる」「境界線がおぼろげになる」というルールのもと、限られた時間の尊さとか、儚さとかが一気に爆発するいいシーンだった。
すっと、消えてしまうところも。
あと田舎の高校生が入れ変わって東京のカフェに行きまくって写真撮りまくったりするとこ、ほんとよくわかる。
君の名は。僕だったらラストシーンはこうする
その1:
男の子は道路を。女の子は階段を歩く。二人には段差がある。そこ(高さの違う場所)で、すれ違う。
胸の中で何かがなり、「はっ」とする。辺りを見回す。
でも二人は会えない。
そのまま歩いて行く。
何かを探し続けて、人生を生きる。
その2:
隕石が落ち、村は消滅。
彼女の名前や記憶がなくなったあと、彼はものすごく勉強を始める。建設の。
何かに突き動かされるように。
必死で勉強し、日本の建設業界の若きホープになる。
そして
「隕石でなくなった村を再建する」ことをライフワークにする。
腕にずっと巻かれている組紐。
まあ、映画の感想なんて人それぞれ。
それに感じたり感じなかったりするのは「受け取る側の受信機」の問題。
僕の周波数とは合わなかったという、それだけのこと。
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