垣内美希さんの歌を聞きに、小倉「ぶらん亭」へ ~ その3(完)

垣内美希さんの歌を聞きに、小倉「ぶらん亭」へ ~ その1

垣内美希さんの歌を聞きに、小倉「ぶらん亭」へ ~ その2

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垣内さんの前後に出られたお二方のことも書いておく。
お店に入ったとき、松岡怜央さんがもう歌ってた。
最後の3曲くらいを聞いた。

「わ、アコースティックライブとはいえ、
すっっっっっごく 小さい声で歌うんだなあ」
小さな音で弾くんだなあ」

というのが第一印象。

でも、ちょっと聞いてると、
その小さな声と音がうみだす多彩さに心奪われる。

言葉からは光景が目に浮かんでくるし、
メロディも、ギターも自由自在。すごくうまい。

一曲、バンドで一緒にやっているという方と
バイオリンでコラボしたのだけど、
「・・・この小さな音のギターと、バイオリンでコラボ?」
って思ったんだけど、これがまた、いいんだわ。

遁走・・・疾走・・・
メモをなくしちゃったんだけど、遊園地だったかな?
賑やかなとこから走って逃げる、みたいな歌で(すごくざっくり)、
その雰囲気が音に出ていて、

すごいクリエイティブで、かっこよくて、楽しくて、
若い才能ほとばしる! って感じがした。

◆

トリの藤井さん。
魚座の藤井さん。

十年以上前になりますが、
いろんなライブハウスでアマチュアミュージシャンのライブをよく見ていたころ、
大好きだったバンドのひとつが魚座でした。

あたし、アルバムだって持ってるのよ。しかも2枚も。

十年ぶりくらいに見る藤井さんのライブ・・・
むちゃくちゃ楽しみにしていった。

私が知っている、昔の歌を歌うのかどうか?
歌ってほしいような、歌ってほしくないような(笑)

正解は、歌いませんでしたー!
うん、そうだよね。それでいい(笑)。

藤井さんは藤井さんで、歌い始めたら即、空気を支配する。
声がでかい。ギターも「かき鳴らす」って言葉がぴったりで。
いいよ。いいね。

肉声とアコースティックギターだけのライブなのに、
松岡さん、垣内さん、藤井さん、すごい三者三様。
人の声、人の奏でる音は、本当にそれぞれだね。

十年経っても藤井さんがこうして朗々と歌ってることに
とりあえず感動してしまった。
なんか、お互い、なんとかかんとか十年やってきたよね、
って肩ポンしたくなるような気持ち。
ほぼほぼしゃべったことない仲ですけど(笑)。

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垣内さんがとても深遠な歌を歌うならば、
藤井さんの歌の世界はとても卑近で(よい意味で)、
その卑近さは、又吉直樹が登場するよりずっと前から、
私に太宰や芥川を感じさせていたものだった。

相変わらずだった。

アイスコーヒーがこぼれたって話に始まる文学。
免許証見て本籍地に行ってみたらラブホテルだった、とか。

なんかこう、
じめっと湿っていたり、
わけもわからず叫びたくなるような気持ちだったり、

そういういろんな情念みたいなものが
より前面に出てる感じがした。
藤井さんがすでにけっこう飲んだ状態でやってたからかもしれん(笑)。

十年以上前の藤井さんの歌って、キャー☆ていうのとは違うんだけど、
なんか女心をくすぐるというか
どこかキュンとくるところがあったんだよね。

そんな少女漫画感が目減りしてて、
ふらふらと、でもしぶとく生きてる大人の歌だなー、と思った。
それが、すごくよかった。
時が止まってなくて、ちゃんと十年分の月日が流れた歌を歌ってる感じが。

・・・とはいえ、藤井さんはやっぱり女心をくすぐるのか、
キャー☆って感じのリアクションがお客さんから起こってた気もする。
さすがだ。

 

あった! you tube探したらあった、藤井さんの動画!
しかも何これ、電車の中で歌ってる。超かっこいい。

10年以上前から歌われてる、私も当時大好きだった『海』。
おさえにおさえたAメロからの、

♪俺は忘れるよ おまえのこときっと

の解放感、甘やかさ、そして切なさよ!

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ライブ終わってから聞いたことろによると、
この場所はもちろんライブハウスじゃないし、
お店ですらないらしい。

なんか、事務所の一画?
「駄猫と本の部屋 ぶらん亭」だもんね。
店じゃなくて、部屋。

本がすごくて!
マンガも含め、とにかくたくさんの種類の本で壁が埋まってる。
えーっと、古本屋でもないわけだから、これは蔵書なんだよね。すごい!
私が案内された席は、右に坂口安吾びっしり、
背中に地元の歴史や考古学びっしりで、運命を感じたよ(笑)。

ライブや落語などを月1回・・・
完全に、ご夫婦で趣味でされてるらしい。
もう5年も続いてるとおっしゃってた。

ワンドリンクついてるけど、持ちこみも自由で、
きゅうりとか、キャベツとかも随時まわってくる。
常連さんの差し入れで美味しいお味噌が添えてあったり。

ライブの後、いろいろお話して、楽しかった。
私も年を重ねて羞恥心というものが減じまして、
垣内さんや藤井さんにも厚かましくべらべら喋って、すみませええん(にこにこ)(反省してないあんまり)。
マスター、優しかった~。

行き方わかったし、その気になればまた行けるな、と、明るい気持ちになった。

歌を歌う人がいること
歌える場所を作る人がいること
聞きたい人が集まること
歌を聞いて心が動くわたし
車窓の風景 夜の灯り

いろんなことが、とてもすてきだ。

おわり。読んでくれてありがとう。

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