スターウォーズ フォースの覚醒:感想【ジブリのフォースを手に入れたルーカス】テンポも編集も大金星!

https://youtu.be/BDvZ9UECfj8

映画の凄さ、楽しさが蘇る。1980年が蘇る。

高校時代に映画館で「帝国の逆襲」を見たときのショックは忘れられない。
木々をすり抜けて飛ぶスピード感。
ダースベイダーのカリスマ感。
ロボットたちの愛さしさ。
ハン・ソロの王子様感。
レーア姫のぶさいくさ。

すべてが画期的で、映画の凄さをたたきこまれた。

 

エピソード1〜3のアナキンSWはあまり好きじゃなかった。
スターウォーズなのに、ぼくらのヒーローが出てないから。

とはいいながら熱心なスターウォーズファンではない。
今回も「ちょうと時間が空いたし、ほかに見たいものがなかったから」見ただけ。
なんの予備知識もなく。

二時間半があっという間。
大作にありがちな間延び感とか、うっすら眠くなる時間が全くなくて。
よかった。見に行って。
スターウォーズの中では一番好き。

sabaku

新しいドロイドBB-8の可愛さにまいった。

いつものように聞きなれたオーケストラでテーマがばーんと、でて
ロゴがどーんとでて
あらすじがロールしていく。

新しいキャラクターが若々しく画面をとびまわり
苦しい時代の明るい未来を求めるエネルギーがあふれでる。
あっけらかんとポジティブ。

 

特にくるくる回るドロイド「BB8」。最初に絵柄を見たとき、予告編を見たとき

あ〜子供だましじゃん。

と思ったのを反省する。

ほんとうに生き物のように可愛いし、ペットを飼ってるかたなら「うちのペットと同じ感じ!」って嬉しくなると思う。

ただ、マルの上に半円が乗ってるだけなのに
動きや表情がパントマイムのように伝わる。

R2-D2の愛らしさをもっと子供にした感じ。

BB-8

 

ルーカスがジブリのフォースを手に入れた

主人公の女の子が「男子が夢見るかわいい&かっこいい女子」で
ラストシーンはラピュタで
ジブリに侵食されているといってもいいかも。
ヒロイン像は典型的で、新しくもなく。まさにスタンダードなジブリ。衣装もアクションも表情も。もののけ姫。

表面的なウーマンリブだったり、女性上位万歳だったり、逆にWASP的な思想を持つ方々からすると今回のキャスティングは、腑に落ちないかも。

なんで俺等のスターウォーズが女や黒人のものに??って。
そんな意見は笑い飛ばしてりゃいい。

ray

レイは映画のヒロインとしては小粒なんだけど(悪役のかんしゃく坊やカイロ・レンも)そこがいい。
新しさや未熟さ、器の狭さが「ああ、あたらしい物語がはじまるんだな」って感じになる。
走る。戦う。操縦する。
それらが「使命や宿命のため」にやってることじゃなく、「やりたい」「生き延びたい」っていう単純なポジティブパワー全開で清々しい。

物語はこんな風にはじまるんだ。
生きようとする単純なお話なんだ。

 

劇場全体が「はぁぁ」と息を飲んだのは、やっぱりハン・ソロ登場シーン

ほんとに、映画館全体に声がもれるんです。
彼がチューバッカといっしょに立ってる。唇の端でにやけながら。

うるっときた。

もう70歳を超えるだろうに、おちゃめで軽い。
もうね。この年になるまで新作できなくてよかったよ。スターウォーズ。
この顔になったハン・ソロが見たかった。

ミレニアムファルコンもほんとうに美しく重量感もあってかっこいい。
古いファンを大事にしてる。
映画といっしょに各人がもってる思い出にしっかり敬意を払いながら
世代交代をきちんとうたってる。

HanSolo

ぶさいくだったレーア姫も重みのある美しい顔になっていた。
日本映画とはちがう老人の描き方。

老いっていうのは

  • 自信を積み重ねていくこと
  • 悲しみを消化していくこと
  • 命の残り少なさを理解してること
  • 自分にできること、求められてることを理解すること

そんな描かれ方をしていてジンとくる。
年をとるってかっこいい。

 

ストーリーについてはここではお話しないけど
子育てに迷いまくったぼくら夫婦は泣けた。
ダークサイドに惹かれる子供の気持ちも十分わかるし、親のつらさと愛情の深さもわかる。

男の子を持つお父さん、おかあさん。
ぜひみてください。
格別の感慨があります。ふかい悲しみを感じます。

 

ほんとに次が見たくなる。
過去の栄光スターウォーズに、あたらしい命が注がれていく。

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