安っぽいセットと、淡々としたセリフまわし
アングラ演劇のような舞台。
セリフの聞きづらさ。
女優三人の話し言葉だけがオズ的で。
いろんな違和感と居心地の悪さを感じさせて、物語はたいした展開もなく。
でも、だんだん映画に襲われる。
夏の青空。汗ばんだ肌。
蚊取り線香。
川の涼しげなせせらぎ。入道雲。
どれもが終戦の夏の風景なんだけど、そこにまったく「暑さ」を感じない。これは意図したものでなければ監督は三流だけど、たぶん、狙い。
戦争は熱狂である。
感情の上がり下がり。恐怖と高揚。安心と無力感。そのバランスで普通戦争映画は描かれるはずだけど。
あえて、しない。
ま、サービスはする。後姿の裸身。
アングラ演劇へのオマージュとして、うたうオンナ。張りぼてのセット。もんぺの尻。
映画が描きたかったのは
戦場で命がけで戦う男たちの熱狂でもなくて
戦場へいかない人たちの受身の恐怖心。
しかもドラマチックな死体ではなく、近しい人とのささくれ立った感情。オスメスとしての欲情。
戦時でなければならないものではなくて、いつの時代もひっそりと僕らの心の底にある姿をあぶりだす。
ここでも高等遊民風の長谷川博己。
しかし二階堂ふみの目線とくちびる、肉体にやられちゃう。
そら恐ろしいエンディング。
しかも、いままで寡黙に進めてきた感情の熱狂を、ひっくりかえして爆発させる。静かに。致命的に。
戦争映画はみない。キライだから。
戦争の悲惨さが「夢見る若者」をうっとりさせるから。
戦争の熱狂に踊らされる男たちにシンパシーを感じるから。
この映画も二階堂ふみと長谷川博己じゃなかったら、みなかっただろう。
二階堂ふみと対決して、勝てた男はいない。
今回も残念ながら、カメレオン長谷川博己の負け。
情念にふたをして、グツグツと煮えたぎる二階堂ふみに対して、長谷川博己は少しコスプレ感が強すぎた。
傑作!とはいえないけど、「私の男」の二階堂ふみはいつの時代も生きてて、じっどりといやらしい汗をかいている。
それがすばらしい。
あと、僕のような50歳くらいの映画ファンにとって
さびしんぼうの富田靖子VS台風クラブの工藤夕貴
というのは嬉しかった。この二人の絡みは舞台で見たかった。
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