キャロル・carol:感想【ケイト・ブランシェット&ルーニー・マーラ尊厳のための戦いと愛】

キャロル・carol:クリスマスに始まる恋の話

ガツンときた。
感情を持って行かれる映像とストーリーと、演技。
ケイト・ブランシェット&ルーニー・マーラだから、内容の濃い映画だろうなとは思ったけど。
1950年代のテルマ&ルイーズかも。

クリスマス前の賑やかなNYで物語は始まる。
ファッションも車もインテリアも「合理」を度返しした豊かな美しさで満ちてる。
ルーニー・マーラ演じる「テレーズ」とケイト・ブランシェット演じる「キャロル」は高級百貨店のおもちゃ売り場で出会う。

娘の誕生日プレゼントの相談をするキャロルはきっと意図的に手袋を忘れ他のだろう。

キャロルは「過去の女性との不適切な関係」から離婚協議中。旦那との娘の親権の奪い合い。
テレーズも、恋人との生活、仕事に違和感を持ち、なんかを燻らせて生きてる。

 

女が女に憧れるなんて、女学生かよ。

 

そんな時代だったんだろうし、今もさほど変わらない。

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キャロル・carol:誰かを愛し、尊敬する。それは自己への愛情かも。

テレーズは写真を撮る。できれば仕事にしたいとも思ってる。
彼氏は二人で行く海外旅行にしか興味がない。
自分に自信がないと、未来は霞んで見える。若ければ経験も少ないので「経験値でカバーリング」することもできない。

もやもやした日常。
女は男の添え物で、可愛く美しくあればいい。

そんな時にあった大人の女性。芳香かぐわしいキャロル。
低い声とコート。タバコ。
最初にテレーズがキャロルを見つけ、視線は釘付けに。

誰かに惹かれると、自分を愛することができる。
誰かを愛すると、自分の未来像が見える。

それが異性ではなく、同性だっただけ。

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キャロル・carol:ルーニー・マーラの美しさが強さに変わるとき

出会いの頃のテレーズの無垢さ。子供っぽさ。
物語が進むにつれ輝き出す表情(もちろん曇ることも)を見てると、2時間の映画の中でキャラクターの成長を演じる女優「ルーニー・マーラ」はすごいと思う。
ドラゴンタトゥーの女の時のイメージは全くなく、オードリーヘプバーンのよう。

ランチのメニューも自分で決められない少女。小鹿として生まれ、強くなる。

自分を探す。
やりたいことをやる。
こんなことが、いつの時代も難しい。若ければ特に。

テレーズは写真を撮る。
二人の旅路の最中も。
レアで美しくていきてるものの写真。

硬い蕾のような体を花開かせてゆく。

キャロルとテレーズの逃避行は、テレーズを成長させ、キャロルに尊厳のための戦いを準備する。

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マーラ

キャロル・carol:ケイト・ブランシェット「正しいと思う事を大切にやり続けるだけ。あとは切り捨てるのよ」

ケイト・ブランシェット演じるキャロルは傷ついている。疲れ果てている。
お金落ちの婦人ではあるけれど、旦那のお飾りを続けていくしか道はない。
テレーズの若さや輝きが眩しい。
優雅に笑うけど、さびしく悲しい。

娘を奪われそうな現実を忘れたい。
でも自分自身でいるためには、もう今のままではいられない。

傷ついたものだけが流す樹液のような甘さがあり、それが若いテレーズを虜にする。
ケイト・ブランシェットの演技には全く隙がなく、完璧だ。

ケイト

 

 

キャロル・carol:映画は物語と音楽と映像

原作は「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」の原作者として有名な女流作家パトリシア・ハイスミスが1950年代にクレア・モーガン名義で発表した小説。

ヒッチコック監督による「見知らぬ乗客」、ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」の原作者としても知られる彼女の作品の中でもこの「キャロル」は特に問題作だったよう。発表された当時は、同性愛はまだ「犯罪」だったので、本名ではなくペンネーム「クレア・モーガン」タイトルは「The piece of salt」として発表された作品。

当時「無名の作家による異例の内容」がのベストセラーとなりますが、彼女がペンネームでの作品だと明らかにしたのは38年後の1990年。
これ以降はパトリシア・ハイスミス著の「キャロル」というタイトルに変更されたのだそう。

 

映画になると、そこに音楽や映像が加わる。
原作を読んでいないのでわからないけど、映画の醍醐味はそこだ。
もちろん弱点でもある。

この映画のスコアはオーソドックスで、ビリーホリデイやショパンが意味を持って登場する。
映像は飾りすぎず、時代のムードを醸し出す。
美しい映像と美しい女優と、そこに厳しい物語が。

ストーリーの中で、観客は息を殺す。
見つめ合う二人のシーンがこれ以上長いと窒息してしまいそうだ(笑)

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テレーズの友人?ニューヨークタイムスで働く男性の存在が、ほっと一息つける。
まあ、キスを迫る場面もあるけど、彼女を「一人の人間扱い」してるようだ。

自分自身でいるための戦い。
愛するということの自由を守る戦い。





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