こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。
魂のゆらぎ、そして、この「天安門」で、完全にキャパオーバーしてしまって、頭も体も精神もダメージがひどい。
今日は全曲解説です。
長いです。すいません。
でも、ここに記さないと次に進めないので。
心のリハビリです。
<序章:戒厳令の夜>
戒厳令の夜 恋人は手をつないで
6月の夜の中 ひっそりとうずくまる
戒厳令の夜 街の灯りが一つ二つ
消えていくのを見る 静寂が広がる
温かいスープで唇を焼いて
指先でただれたその場所をなでて
誰も来ない場所など この世にはないから
ああ いまここで
戒厳令の夜 優しい顔のあなた
突き立てたナイフは ハリツケの男の絵
戒厳令の夜 最後の腕枕で
まぶたの薄い皮に 乾いた口づけを
蛇口をひねるパイプのきしみ
非常階段に見知らぬタバコ
誰にも触らせない あなたの宝物
ああ 守ってる
戒厳令の夜 サイレンはニセモノ
戒厳令の夜 黒猫はアナキスト
戒厳令の夜 はらませたのは誰
戒厳令の夜 長靴はダダイスト
この「戒厳令の夜」は天安門以前に書いたもので、歌詞とメロディーを一部変えました。
ずっぽり天安門に入る前に「戒厳令」という甘くて厳しい言葉のイメージでつくった。
血の日曜日の前日、静かな夜のイメージです。
<無名の反逆者>
ちょっとだけ止まってくれないか
隊列を組んだ兵士さん
鋼鉄の戦車は似合わないよ
僕らは君の敵じゃない
君たちの鉄の塊が
花を踏み潰すのを見てられないんだ
歌詞はこれだけだったんだけど、ライブではいろいろ足されてます。まあ、ライブってのはそういうもんだと。
有名な「戦車の前に立つ男」の写真からインスパイアされたもの。
<キャタピラ>
くるくる回るキャタピラで
何でもかんでもふみつぶせ
気持ちいいぞ
気持ちいいぞ
鉄の監獄心は持つな
誰も彼もをふみつぶせ
気持ちいいぞ
気持ちいいぞ
知らない奴らばっかりだ
おいらの街は山の中
知らない奴らばっかりだから
誰であろうときにしない
なんであろうと気にしない
これもライブでは歌詞が倍くらいに増えてる。
鋼鉄の車に乗った途端、人ではない何かに変わってしまうのかもしれないっていう気持ちと、田舎から召集された兵士たちの「地域格差からくる遺恨」や「情報操作により与えられた恐怖感」みたいなものが「人を踏み潰す原動力」になってしまったのでは?と思いながら歌った。
わかりやすいブギーな曲もないと、お客さんもきついだろうなぁと思ったのも確か(笑)
<台車に乗せて>
血が流れてるんだ
血が流れてるんだ
一刻も早く
ここから逃げなくちゃ
あんた伝えてくれ
このことを伝えてくれ
世界に伝えてくれ
今血が流れてるんだって
戸板についた車輪がガタピシ
傷ついた人を乗せてゆく
誰が誰にやられたか
そんなことは重要じゃない
戦いが始まり、傷つくのは弱いひとたち。
生身の体に傷がつけば、流れ出す大量の血。
「誰かこのことを伝えてくれ」
ジャーナリズムっていうのは「伝えること」だと思いたい。
そこにいる血だらけの人を救うのではなく、そのことをただ世界に伝える。
それは誰にでもできることじゃないから。
この歌は、上記の写真を見つけてからつくった。
<バーニング>
燃える 燃える 広場
折り重なる人たち
終わる 終わる 全部
ジャスミンはもう咲かない
1000人だろうが 10人だろうが
人が人に殺された
10万人だろうが 100人だろうが
人を人が殺した
僕は誰かを殺したかもしれない
君も誰かに殺されたかも
思い 考え 口にしただけなのに
正義は暴徒に 自由は暴徒に
百花斉放 多彩な文化を
開花させよう 色とりどり
百家争鳴 多様な意見を
話し合おうって言っていたのに
1000人だろうが 10人だろうが
人が人に殺された
10万人だろうが 100人だろうが
人を人が殺した
最初に撃ったのは誰だっていい
きっと僕らは残虐なんだ
同じ顔した 同じ両手で
僕らは互いを 撃ち殺した
燃える 燃える 広場
折り重なる人たち
終わる 終わる 全部
ジャスミンはもう咲かない
百花斉放/百家争鳴ということばからできた曲。
映画でいえばラストシーン。
百花斉放/百家争鳴…「例え中国共産党に対する批判が含まれようと、人民からのありとあらゆる主張の発露を歓迎する」という主旨の内容であり、これを受けて国民は様々な意見を発表したものの、百花運動の方針は間もなく撤回され、結局この運動に釣られて共産党を批判した者はその後の反右派闘争で激しく弾圧された。その後、共産党は「この運動は毛主席の共産党に反発する不満分子をあぶり出し、刈り取るための名策であった」と強弁した。(wiki)
「自分たちの考えを、口に出せる喜び」
それは一瞬与えられたもので、罠だった。
あまりにも悲しい。
あの日あの場所で死んでいった人たちの何倍も、心を殺した作戦。
各国によって、犠牲者の数字はまちまちだ。
いろんな思惑に、死者が利用されてる。
でも、その数が何人であれ
- 人が人を殺した
- 人が人に殺された
これだけは真実。
<裸足でダンス>
君を誘って 広場へいった
なんだか心が騒いだから
民主化それも 大切だけど
君と二人 踊りたかった
歌を歌いながら 裸足でおどる君は
まるでニューヨーク 自由の女神
本物はきっと見ないままだろうけど
夜が開けて 朝日が差して
君の髪の毛をすかして見せた
ピースサインで 笑顔を交わした
あんなことになるなんて
なにかが変わるそんな気がした
そしたら君に好きだと言えるかも
言論封殺 それも嫌だけど
気持ちが言えない自分も嫌だ
歌を歌いながら 手を取って踊った
目と目を合わせて 僕らは踊った
あのまま時間がとまればよかったのに
ピースサインが 吹き飛ばされて
あんなことになるなんて
君を誘って 広場へいった
君が好きだと 言いたかったから
君を誘って 広場へいった
君が好きだと 言いたかったから
映画でいえば「バーニング」で終わりなんだけど、ほんとうに歌いたいことはこの歌にこめた。
「事件」に巻き込まれた人、民主化運動にそこまで心血を注いでいたわけじゃないけど、なんとなく参加したふたり。
きっとそんな人がいたはずだ。
前日まで天安門では歌や踊りがあり、兵士達は差し入れのおにぎりを食べていた。
いろんな記述を見た。
写真を見た。
その穏やかな写真の数々と「ブラッディ〜サンデー」が結びつかなかった。
つまり、そういうこと。
物事には多くの見方がある。
上記の写真は、歌を書き終えたあと見つけた。
心が張り裂けそうだ。
歌の中の二人がそこにいた。
ライブ動画を貼っておきます。
30分あります。
お時間があれば。
きちんと音源化したいと思っているけど、もう少し曲を増やしたい。
いつか、いつの日か。
【709号室】ガーリーおじちゃんはまったく役に立たない2019
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