こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。
2019年11月。
ロサンゼルス。
映画ブレードランナーの舞台。
あの憂鬱で頭痛がする雨のスラム。
僕らの未来がこんなものだとは思わなかった。
映画の公開は1982年。
封切り当時は見てないと思う。
ブレードランナー以前、未来はどう描かれてたのか想像ができないくらい、ブレードランナーは強烈だった。
先駆けたスターウォーズは「宇宙のどこか」の話だった。だから別物だ。
未来はあかるく、クリーンになる。
僕らは自分たちが「非クリーンで、捨てられるもの」になるとは
監督のリドリースコットは「エイリアン」という、とてつもなく恐ろしい映画を作ったあと、イケイケ状態だったのだろう(笑)
ジュラルミンに輝く近未来のイメージをぶっ壊して、環境汚染にまみれた退廃的な近未来の大都市を描いた。
雨がふりしきる。
日本語のコマーシャルが流れる。
うどんの屋台がある。
アジア人の僕らにとっては、とても嬉しいことだった。
僕らの日常が「未来に繋がってる」気がしたからね。
先日、ルドガーハウワーが亡くなった。
これほど悲しく美しいキャラクターもなかなかいない。
ハリソンフォード以外はほぼ知らない人で、このあとは「ブレードランナー出身俳優」として心に残った。
なぜ?彼はデッカードを助けたのか?
いろんな人がいろいろ考えを持ってる。
映画ってそんなふうに「100人違う感想、意見」を持つことができる可能性を秘めたアートだね。
冒頭の「レプリカント」を質問するシーンから、緊張感とドキドキ(というよりはイライラ)が続く。
透明のビニールコートで打たれ、ガラスを何枚もぶち破るレプリカント
レイチェルのお人形のようなルックスと、髪をほどいた後のアメリカン(笑)なオンナの姿の「落差」
ダリルハンナのメイク、くるっくると回る姿。
セバスチャンのお家のロボットたち
チェス
目玉を潰されるタイレル
折り紙の鶴
すべてが教科書のようにそこにある。
この「セオリー」から抜け出そうと、多くの映画がチャレンジしてる。
巨大な映画があるからこそ、新しいアイデアが生まれる。
雨がふってネオンが光れば「あ、ブレードランナーみたい」と思う。
人によって作られた機械の悲しみを歌えば「あ、レプリカントみたい」と思う。
いま、2019年11月。
僕ら貧民の上には酸性雨よりもタチの悪いブルーズが吹いている。
偏見、差別、貧富の差は広がるばかり。
雨に濡れるものはいつもびしょ濡れ。
汚いこと、きついことは誰かにさせて、一握りの上級者はモニタを監視するばかり。
ぼくらは追い詰められながら、誰かを追い詰めてる。
雨が止むことはない。
【709号室】ガーリーおじちゃんはまったく役に立たない2019
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