録画したまま見ない映画をサルベージ!ということで
「舟を編む」を観た。
辞書を作る人たちのはなし。
おくりびとや、繕い編む人のように「自分の知らない仕事の世界」をするりと見せてくれるものが小説や映画。
多少のわかりやすさやフィクションもはいってるんだろうけど、
その仕事のよさと、好きだからこそやっちゃうこだわり=オタク度の高さは、見ていて気持ちがいい。
でも、辞書をつくるって。
完全に出版社の「業界意地」だとおもっていた。絶対儲からないだろうし、手間もひまもかかるし。
時代はどんどんかわっていくから改定の嵐だろうし。
松田龍平はほんとにいつもイライラさせる、いい役者。
おとうさんを「神様」だと思ってしまう僕ら昭和40年うまれにとって、家族ゲームやア・ホーマンスで松田優作がやりたかったことをしっかり受け継いでるなあとしみじみ。
宮崎あおいはいつものようにずるい。
女板前という、ここだけでもうひとつお話ができそうな。
オダギリジョーはほんと、ほれぼれする。
ちーちゃんも。
儲からないことをやる。他で儲かったお金を使ってでも、やる。
意地と維持は反目するのに。
大ヒットアーティストと、儲からないけど必然性を感じるアーティストをどっちももって、相殺しながら生きて行くなんて、一昔前のレコード会社みたい。
いまはもう、そんな余裕がないよね。
世界中に。
辞書を作るっていうのはWIKIやネットの時代からするともう「ノスタルジー」でしかないのかもしれないけど。
過去と現在を整理して、未来の変化を待つ。
まるで、イスカンダルを往復する宇宙戦艦の乗組員のよう。
舟を編むというタイトルのすばらしさ!
溺れてしまいそうなクルー
日照が続いてばてるクルー
大荒れの海を必死に耐えるクルー
美しすぎる星空のもと幸せを感じるクルー
一人ではできない仕事。あまり経験がないんだ。
ひとり自営業だし、いまもひとり会社代表だし。
舟を編むを観てて感じたのは
ひとりで仕事をできない人に、ひとりではできない仕事はできないのかも
ってこと。むむむ。日本語が難しい。
各分野をしっかりまかされる人たちが、チームワークでやる。それが仕事なんだなあ。
お互いに助け合って、とか言う割には
お互いに足を引っ張ったり、誰かに負担がかかりすぎだったり。
そんな仕事がおおい気がする。
8割のできない人と2割のがんばる人みたいな言い回しがあるけど、ね。
自分はこの分野ではがんばる2割だけど、ちょっと違うことをしたら丸で役に立たない8割のほう。なんてことありそう。
会社っていうのは何かのジャンルの仕事を専門的にするところだから、入社した誰もが「得意な分野」を見つけるのは難しいかもしれないけど。やってみると「あ、楽しいかも」って思えることもあるかもよ。
辞書は面白みのある本なんだなあ。
レコードレビューや映画評論と似たところあるんだなあ。
あと、映画に出てくる猫は、ホント茶トラがおおいなと、思った。
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