シング・ストリート:MTVにぶん殴られたあの日々を
見た人が口々に(ツイッターやFBで)熱く語ってるのを見て、見に行こう!と思った。
お盆休みの最終日。
KBCシネマ北天神は、まあまあ多くの人で賑わってた。
1980年代はまさに大学(ちょっとだけど)〜デザイン事務所で働き始め〜レンタルレコード屋でバイト〜妻と出会う〜などなど、人格形成のど真ん中。
福岡、小倉はめんたいロックのダークサイドで、JAPANが好きとか、カルチャークラブなかなかいいねなどとは言えない雰囲気だった。
MTVなんて女子供のみるもんだ!って言われてた。
でも。
大好きだった。MTV。
ライブ映像や口パクTVじゃなくてビデオ。短編映画みたいなのもあれば、最新技術もあった。
シング・ストリートはMTV時代に青春を過ごして「洋楽」の洗礼を浴びた50歳前後をターゲットにしているんだけど、見た後に「まだまだやれる!」っていう爽快な気分になれる映画。
シング・ストリート:自由のない地方都市に生まれた僕ら
ダブリン。アイルランド。
不況と重苦しい空。
堅苦しい宗教観。
閉鎖的な学校。
TVの中でアーティストが輝く夢の国「イギリス」とは雲泥の差。
TVで見る東京や博多。
それとは違う北九州、小倉南区。
いつかここを出て行ってやる!
それだけを心に決めて、生きてた10代。
シング・ストリート:女の子が男を強くする
美人に声をかけたくて「僕らのバンドのビデオにでない?」なんて言っちゃった。
冒険の第一歩を踏み出させるのはいつも女の子。
ジャラジャラとアクセサリーをつけた、いかしたメイクの女の子。
肩幅の広いジャケットや派手な色合い。
プリティインピンクだ。
家庭の事情で「質実剛健」的なヤンキー校に転校させられた主人公のコナー。
両親は離婚寸前。弱っちいからいじめられる。
先生からは目の敵。
でも、彼女のためにバンドをやりビデオを撮る。
ロックンロールは冷笑に耐えること。だと教わる。
異端児はいつも、笑われる。
僕もデップで髪を逆立てて登校し
「校則には髪の毛が眉毛にかかってはいけないと書かれてるけど、立ててはいけないとは書かれてないですよね」
と言い張ってぶん殴られたことがあった。まだ人生を知らず。目の前の敵は先生と校則だと思ってた。
シング・ストリート:音楽が流れてる時だけが現実逃避できる。
中盤、体育館でプロモビデオを撮ろうとする。
集まったエキストラは全員ダサダサ。バックトゥーザフューチャーも見たことがない人たち。
主役のモデルの彼女は来ない。
でも時間だ。やらなきゃ。
彼の頭の中で出来上がるプロモビデオの中では、両親は仲睦まじく、彼女は年上の男と別れて、学校の先生は物分かりのいいかっこいい大人だ。
狙った通り50年代の雰囲気のいいビデオが撮れる・・・はず。
頭の中で僕らはいつも、彼のように「自分にとって最高の世の中」を想像してる。
現実はうまくいかないことばかりでも。
音楽が鳴ってるうちは、想像の世界が広がって、僕はハッピーだ。
このシーン以降、もう涙腺が壊れた。
そんな、本当にツライ現実から、一瞬でも逃れられるのが音楽のいいところで。
でも、現実をよくしていくためには、自分が動かなきゃダメだと気づく。
ノスタルジーが描かれているようで、実は一番新しい世代へ向けてメッセージを送り、さらにノスタルジーに浸るべき世代へも「情熱」を思い出させてくれる。
シング・ストリート:荒波へ向かって船を出す二人。
初めてのライブを終えて、彼ら二人はイギリスへ向かって船を出す。
小さな船は波にのまれ、大きな船に行く手を阻まれ。
でも前へ前へと進む。
二人がイギリスにたどり着けるか?
ついたところでどうなるか?
そんなことはどうでもいい。
前を向いて出かけることが大事。
失敗したって、たどり着けなくたってなんの損がある?
誰かに迷惑かけたって、なんか問題ある?
できることは前を向いて船をこぐことだけだ。
シング・ストリート:バンドって、曲作りって、ビデオ作りっていいなあ!
今はiphoneで動画が撮れる。
ビデオカメラよりキレイだったりする。
「素人じゃできないよ」「機材と時間がないと無理」そんな言い訳がもう通用しない。
目の前にあることをチャンスに変えるのは、それを手に取るかどうかだ。
死ぬまでの日々の中で、今日が一番「ひよっこ」だ。
今日が一番「素人」なんだ。
船をこぐ?こいでみる?
気分が爽快で、元気が出て、楽しめて。
さらに泣けて。
「もっといい曲を作りたくなる」映画。
何かをしたくなる映画。
そしてジェネシスを聞くのをやめようと思わせる映画。
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