#今嫁の前で、元嫁と飼っていた猫を溺愛する主人公
#猫に嫉妬する今嫁に共感
#猫好きあるあるたくさん
#猫らしくてとても良いラスト
#あくまでも中心は猫、振り回される一人の男と二人の女
「そうしてみれば長の年月を共にしていたリリーの方が、いろいろな場合の回想と密接につながっている訳で、つまりリリーと云うものは、庄造の過去の一部なのである。」
※以下あらすじとかネタバレとかもうちょっと詳しい感想
この本、学生時代以来で6年ぶりぐらいで読み返したなぁ。というのも谷崎潤一郎の本はそれほどピンと来ないので一度読んだら基本そのままです。
でも今回はブログの一回目だし、読みやすくてかわいいのがいいなあと思って。
久しぶりに読むと、意外にも猫の外見の描写が少なくてびっくり。
45ページまでどんな種類でどんな色で、とか触れられてないから妄想で読み進めました。
うすいグレー系を想定していたけど(妄想では)、実際に作中に書かれているのは「鼈甲猫(べっこうねこ)」。
聞きなれない言葉ですがこれは三毛猫の白色を抜いた黒地に茶色の模様がある猫のこと、だそう。
そんな美しい猫、リリーちゃんを主人公の庄造は溺愛。完全に溺愛。
以下庄造の猫好きが伝わるエピソード。
・自分の箸を使っておかずをあげる(自分はほとんど食べない)
・しかもそのおかずは、嫁が嫌いなものなのに自分が食べたいということにして嫁に作らせる。
・リリーと遊ぶことを「いちゃつき」という。
・冬はもちろん一緒に寝る。
・自分で買ってきたかしわを調理して与える。
・色々あって元嫁にリリーを渡すことになるが、今嫁不在時に、元嫁の家の前の草むらに一時間半以上潜んで偶然出てくるのを待つ。
こんな風にいろいろと行きすぎたところもありますが、猫好きにはわかると思います、この気持ち。
猫って、こちらがかまってほしいときには知らん顔をするくせに
静かにしておいてほしいときには自らぐいぐい甘えてくるあの姿。
何とも言えない、犬には絶対に無い可愛さ。
庄造がリリーを自分の過去の一部というのもうなずけます。(かつてリリーのお産にも立ち会うのですがここらへんのねっとりした気持ちの悪い描写がいかにも谷崎潤一郎感)
けどやっぱり今の夫が前の妻と飼っていた猫を異常に可愛がってたらそれはそれで腹が立ちますよ。
猫に罪はないけど。
うーん、自分がおなじことをされたら、どうだろう。
その猫がなついてくれたらいいけど、かまれたり爪たてられたりしたら、今日はご飯あげない!ぐらいの意地悪は絶対しますね、私は(・・・)
改めて考えてみると、
猫可愛がり、とはいうけれど犬可愛がりとは言わない。
甘えるときは猫なで声を出す、とはいうけれど犬なで声とは言わない。
人はいつの時代も、犬とはまた別の猫の持つ魅力に惹かれるのかもしれません・・・
さて結局、あんなに可愛がっていたリリーは元嫁に懐いてしまい、庄造を見ても、どこ吹く風。
今嫁が嫉妬するほどでろんでろんに可愛がられて甘やかされていた記憶はもう無いのかい?
でもこれでこそ、この自由な姿こそが猫らしい。
リリーにしてみれば「可愛がってとかお願いしていませんけど?あなたが勝手に私を甘やかしたんでしょ?」って感じなのかもしれません。
庄造に手放されたもの同士、リリーと元嫁は穏やかに暮らしていくことでしょう。
庄造には大変な修羅場が待ち構えてそうなラストですが・・・
それはぜひ小説を読んでもらいたいです。
ちなみに谷崎自身も猫がとても好きで、中でも可愛がっていたペルシャ猫のペルちゃんが死んだときには剥製にしてそばにおいていたとのこと。
これなんとなく谷崎潤一郎っぽいエピソードのような気がします。
美しいものは永遠にそのまま残しておきたい派、っぽいかんじ、素敵。
剥製はどうかと思いますけどね。
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