シェル・コレクター:時代錯誤の前衛映画
リリー・フランキーが砂浜を歩く。
即興セッション的な音楽や、アングラ感むき出しの寺島しのぶ、橋本愛、池松壮亮の演技。アートシアターギルドか、ロマンポルノのようなムード。
猛毒を持ってる貝が人を殺す。
毒によって永遠の眠りに落ちる童話の「ファンタジックな部分」を引き継いでいるのが岩井俊二の「リップヴァンウインクルの花嫁」だとしたら、隠された苦々しい文化人類学的要素を誇大表現したものが「シェルコレクター」だろう。
どちらも、人も魅了する。
小さきものの毒に殺される。
ところがその毒が、奇病の治療薬だったら??
シェル・コレクター:寺島しのぶ、橋本愛、池松壮亮が個人的趣味に走る映画
全体を通して「気持ち悪い」印象が強い。
発情する寺島しのぶも、急にまとわりつく真っ赤な橋本愛も、胡散臭さが強烈な池松壮亮も、みんな。
村の人間ももちろん最悪に気持ち悪い。
そこで、リリー・フランキーだけが頑なに他者との交わりを遮断してる分、スマートで美しい。
官能も欲望も海の底に沈めてるようだ。
見えなくなった世界から感じるやるせなさ、醜さを言葉少なに体現する。
やりすぎの周りの奇形派俳優の真ん中にポツネンと座ってる。
リリー・フランキーの映画や、MCなどの印象から受ける「ポツネン感」が、そのまま映画のキャラクターにぴったりで
「孤独ってのは親密なものです」
なんてのは、リリーさんの言葉かと思ったくらい。
シェル・コレクター:唐突な展開、ワケワカンナイ映画。見る人の都合で評価が左右されるだろう。
僕は好きな映画じゃなかった。
もっと下世話なものだと思った。
環境テロリストを擁護するのか?もしくは卑下するのか?という映像や、急な火山の爆発。どうとでも取れるキャラクターの言動。
あえてストーリーは箱でしかなく、登場人物の動きを見る人それぞれが自分流に捉えて、二次解釈する映画。
その方法自体は嫌いではないんだけど。
リリーさんの透明感あふれる存在感。
重さのない肉体感が素晴らしかっただけに、そんな難しい映画にしなくてよかったのに。
美しい風景と、理不尽な人類の欲望だけでよかったのに。
シェル・コレクター:石井岳龍(石井聰亙)監督が撮ったら、どうだったろうかなあ。と興味ある。
同じく超自然派で、環境テロリストで。
でも人の情けなさや優しさを知ってる「水のない8月」や「シャニダールの花」なんかの気持ち良さがあればよかったかなと思う。
しかし、
橋本愛はいいな。
変わった顔立ちで、寄生獣にも大森靖子にも、リトルフォレストにも。
その不思議なバランス。
若手女優と言われる人の中でも、かなり異形だ。
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