SLEEPY DOGG@大橋ALAN【生まれて消えてゆく音楽の行方】

今一番お気に入りのバンド「SLEEPY DOGG」が大橋の新しく出来たお店で「アコースティックライブをやる」というお知らせが。

マジか!間近でギタリストミサトのプレイを見るチャンス(笑)ということで行くことに。

 

地図が連れて行こうとする場所は、前にきたことのある場所。

 

今から10年ほど昔。音楽活動を始めたばかりのヨチヨチの頃。ブルースを聞かせるライブバー「club49」があった。
僕はその頃すごいギタリストと二人で日本語のブルースユニットを組んで歩き始めていた。

「出てみないか?」という話をいただき、恐々ライブした。
人気があるわけでもなく、本格派のブルースでもない僕らを、強面のマスターは暖かく迎えてくれた。

数年後、マスターは体調を崩し、閉店。その後しばらくして亡くなった。
閉店の時「これあげるよ」と言ってコンデンサーマイクをくれた。
僕のファーストソロアルバムはそのマイクで録音した。

 

店内に入ると、あの時の、あの時代の空気があちこちに残っているのを感じる。肌で感じる。
なんか胸がいっぱいだ。

 

始まったSLEEPY DOGG(ハーフ)のライブ。
センターにエレキギター。
両サイドにシンガーとラッパー。
きれいな逆三角形。

一番前の席でゆらゆら揺れながら聞きました。

 

ほとんど生音に近い、贅沢な音。

楽器が持つ音と、人が持つ声とが広がっていく。

〜起きてる時は眠たいし、起きてない時は眠ってる〜

ほとんど人生なんてこの1行で言える(笑)

 

ミサトは美しいテンションコードを刻み続け
江上るいさんは薄暗く甘いメロディーを放流させ
夢以くんは優しくて照れた言葉をビートに乗せて空気を揺らす

 

90分近いワンマンライブ
持ち曲を出し尽くしたようだ。

 

メロディーがタテ糸、ビートがヨコ糸。編まれてゆく幸せのシルク。

キラキラと輝く。
さらさらと心地よくまとわりつく。

シャーペンのノック、ノックから
ピックガードに当たるピックの音
音がふわりと現れる。

何枚もの違う色合いの布が一枚ずつ重なるような空間。

で、消えてゆく。

 

楽器や人が放つ「音楽」はその瞬間にだけ存在する。
マイクロフォンやアンプ、ギターホールから生まれた音は会場の端っこまで漂っていき、
吸い込む空気に乗って聞く人の体に入り込む。
もしくは壁に当たって目に見えないほど小さくなり、部屋にたまる。

そして、消えてゆく。

 

良い音楽ってなんだろう。
受け手の問題だと思う。
その音楽を受け取れるチャンネルを持っているか?
気に入らない時は、聞くのをやめればいいだけ。

 

僕は彼らのサウンドが好き。
鼻から吸い込んで体の中に入ったあと、リンパに乗って身体中をゆったりとめぐるようなサウンドが。
ライブを聴いたあとの夜。
車を運転する時。
自転車で帰る時。
ライブでもらった情景が僕の中でミクスチャーされ、再構築され、自分の風景になる。
その感じが好き。

 

音楽はその時に生まれ、そして消えてゆく。
そう言うとミサトは

「切ないね」

と言った。

 

そうだね。切ないね。
でも今日生まれた、今日の音楽は、その場で解体されて、人や場所に溶け込んで消える。
また明日には、明日の音楽が生まれる。

 

音楽を発するってことは、目に見えない種をまくようなもの。

誰かの胸で芽を出すこともあれば、ブーツで踏まれてしまうことも。
ただただ、誠実に種をまく。

 

好きな種をまく。
まきたい種をまく。

ここが重要なんだ。
誰かのためにまくのじゃなくて、自分が好きな音に向き合って吟味して選択して、まく。
そうしないと種は腐ってしまう。

 

自分の中で育った音楽の種をまくのがライブ。
あとは受け取る側の問題。

 

10年間に僕らが感じた熱狂やさみしさのかけらが、まだそこにあった。

あの頃から時は流れ、また新しい音楽家たちが、今日の音楽を生んでいた。
誠実に。

昔からある音のかけらの上に、新しい音の種が重なっていく。
とても嬉しい。
とても優しい。

そんな夜。
本当にありがとう。「日本人」と「エイリアン」という曲が好きでした。プレゼントの歌もパーティーも郷愁の歌も好きだった。

 

【609号室】ガーリーおじさんはまったく役に立たない2017





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