ネオン・デーモン:エル・ファニングの「いいんだか悪いんだかわからない感じ」が素晴らしい
どんな業界でも「気鋭の新星」が生まれれば、消え去る星がある。
この映画はモデル業界で
新人が現れて、今まで自分がやっていた仕事を奪う
っていうありきたりなストーリー。
意味不明なシーンやら、ホラーとしても楽しめるシーンもあるにはあるけど、強く感じるのは「そりゃそうだよね〜」って思ってしまう怖い自分(笑)。
- 仕事とられたら「殺したくなる」
- 冷たくされたら「殺したくなる」
もちろん本当の世界ではそんなことはしないけど、欲求として人の心にはあるんじゃないかなぁ。そういう気持ち。
ギリギリの人生で「誰かからの評価」で自分を支えてる人ばかりでしょ?僕も含めて。
スーパー8という映画で僕を号泣させたエル・ファニングが
「私はかわいい。私はかわいいを使ってお金を手にする」
ときちんと宣言して、セックスアピールなんて言う簡単な方法ではなく、「かわいい」を使ってのし上がり、転落する(させられる)だけのお話。
意味深なシーンやら無駄なシーンもたくさんあるし、え?意味わかんないってのもある。映画として体をなしてないとも言える。
映画批評が★1つと★5つに真っ二つ。
オンリー・ゴッド』『ドライヴ』などのニコラス・ウィンディング・レフン監督作品という。
最近の若い監督なんだろうか?彼の前の作品を見たことかない。
完全なるジャケ買いで。
音楽も凄まじくよくて。
重たく無機質なビート。ファッションショーにぴったりな感じ。
そしてカメラアングル。
「絵力」というのかな。
最近の邦画の絵時からのなさが悲しくなるけど、海外にはまだアングル力のあるカメラマンがいる。女優を写すんじゃなくて、「絵」をとる人がいる。
最近、写真を再び撮り直した僕にとっては「すげーかっこいい」と思える絵柄がたくさん。
- ホラーにもなれず
- ストーリーに深みもなく
- そこまで転落人生でもなく
- エルファニングが美人だかどうだかわからない
というところがすごく力を持つ映画。
映画じゃないか。
監督の究極の自己満足を見せつけられるんだけど、「自己満足にさえなれない」映画が多い中、僕は好き。
ま、ラストでシーアが歌を歌って全て持って行ってしまうんだけど(笑)
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