NHKで、森山未來の自撮りドキュメンタリー『踊る阿呆』を見ました。
2013年10月、単身イスラエルに渡り、 コンテンポラリーダンスのカンパニーを拠点に活動した一年間を、自撮り映像で綴ったもの。
イスラエル。そこは戦地でもあります。森山の滞在中も、パレスチナはガザ地区を巡って戦闘状態に陥りました。
それでも人々には日常があります。仕事、学校。森山も、普段どおりダンスカンパニーに通います。
「ただ、街から音楽が消えました。」と森山。
いつもはやかましいくらいに鳴っている町の音楽がなくなった。それは、サイレンの音を聞き逃さないためなのです。自撮り映像の中にも、ウウウーというサイレンののち、ボンッと爆弾の落下するような音が収められていました。
戦争が始まると、音楽が消えて、サイレンが鳴る。
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そんな日々の中、森山は踊るのですが、彼のダンス(自分で創るものもある)のテーマは、「DUST」つまりゴミとか。ほかにも、ハエだったり、排泄だったり。
「イスラエルに住んでいると、そういうものについて考えるのだ」と彼は言います。
街は汚くて臭くて、でもその中で人々は普通に生活している。
本来、生き物から出る汚物は自然を循環させていくもので、ハエも循環の方法のひとつになっている。そういうことを、こちらの人々は受け容れているように見えるのだと。
確かに、汚いものって生々しくて、生きている実感に直結 するとこがあります。
ぶっちゃけセックスだってそうでしょ。
そんなセクシーなもんじゃなくても、自炊のあとの生ごみや、シンク・お風呂の排水口掃除からだって、「地に足をつけて生きている」感はバリバリ感じられます。
や、森山未來に戻って。
「自分の体を使って表現する」
それを生活のメインとしてどっぷり浸かれば・・・しかもその場所が異国ならば、「生々しさ」について思いが至るのは当然かもしれないな。と思って見てました。
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そしてふと思う、毎日まいにち、誰に頼まれもしないのにしこしこブログを書くって、排泄に似た行為かも。(私のブログ・・・興味ある方は「moonshine」でご検 索くだされ。)
生々しくて、書くとスッキリして、逆に書かないと、どこかムズムズもやもやする・・・。
長年ブログを書きすぎて、そんな境地に至っています。これ完全にうんこじゃん。
いやいや、この【life is mine】の記事は、おみやげだもんね。誰かが持っていくかもしれない、小さなおみやげ。
あ、でも、昔、学校のトイレで流されていないものを発見すると、「おみやげがあるー!」って言ってたな。
・・・これ以上考えるのよそう。
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そういえば最近、もうひとり、踊る人のインタビューを見たんでした。
田中泯さん。“ただ者じゃない感”をぷんぷん漂わせるこの顔、見たことあるでしょ。
https://www.youtube.com/watch?v=n6rG7Uj0ZP4
今、朝ドラ『まれ』で塩田の職人を演じています。映画『メゾン・ド・ヒミコ』のゲイのカリスマ役も超印象的でしたが、彼の本業は「ダンサー」なんですよね。
彼は30年前から、山梨の農村に暮らしています。「体から湧き出てくる踊り」を追求するために、農業を営みながら。
これもまた、体を使って表現する人の、「生々しさ」への探求心ですよね。
田中泯、70才。まだまだ、道半ばだそうです。インタビューの最後、言っていました。
「死ぬときに、こう言えたらいいなと思ってるんです。『俺がダンスだった』と」
なんとかっこいい!! でも、そのときの彼は、少年のように、はにかんだ笑顔でした。
(おわり)
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