ボリショイバレエ 二人のスワン:感想【人が空を舞う。】美しく勁いダンサーたち

 

ボリショイバレエー 二人のスワン:生まれ育ちの違う二人がトップをめざす少女漫画風

ボリショイ劇場擁するバレエ・アカデミーに入学した2人の少女。
貧しい炭鉱町出身で伸びやかな身体と才能を持つユリアと、お金持ちの家に生まれ美しく気高い容姿を持つカリーナ。
入学オーディションでも優等生のカリーナと、無理割り枠に入れてもらうは審査員に文句は言う話のユリア。

 

カリーナは講師陣期待のエリートとしてプリマ候補に。
一方でユリアの隠された跳躍力や表現力を、かつて伝説のプリマで講師のガリーナだけは見抜き、才能を伸ばそうと手を差し伸べる。

境遇もスタイルも全て正反対の2人が、最大の親友でありライバルとなり、過酷なレッスンに耐えながら、恋とバレエを競いあう。
最後に主役の座をつかむのは。

このあらすじから言っても「スポ根少女漫画」の香りがむんむん。

アニメだったらつまらなかっただろうなーと思う。

この映画の一番の見所は「その肉体」だから。人間じゃないよこの人たち。

 

 

ボリショイバレエー 二人のスワン:ユリアとカリーナ。トップ同士で仲良し

ユリアは、かつてバレエダンサーをしていたというオジサン(講師のガリーナとは旧知らしい。「酒で人生をつぶした負け犬」とおもわれてる)に連れられて、ボリショイ・バレエ・アカデミーの入学面接試験に来ている。

ユリアはバレエではなくおかしなダンスを踊る。
故郷の町で「お客に注目させてる隙を狙ってスリを働くため」に踊っていたダンスだ。

先輩講師のガリーナはユリアに才能を見出した。もちろん、他の講師は「つまみだして」と言うのだけど。

こう言う場合「生まれも育ちも違う」ので、理解し合うことはないかもだけど、ユリアとカリーナは仲のいい友人で

「お酒を飲んでいつまで回っていられるか」

なんていう賭けをやったり。
厳しいバレエのイメージをすこし和らげてくれるいいエピソードだった。

二人は他の友達と、ちょくちょく町に遊びに行ったりしてる。
そんなシーンがとてもよかった。

 

 

ある日、ユリアは男性のバレリーナ「ミーチャ」から
「カリーナのことが好きで、意識しすぎてリフトができない」と相談を受ける。
カリーナは誰とも付き合ったり、寝たりしない。バレエ一筋をつらぬいてるのだけど、ユリアは電車で出会った男と寝てしまう。

「誰ともセックスしない。セックスすると踊りの質が落ちる」

「バレエを激しくやっていると、処女膜が破れる」

そんなバレエダンサーならではのガールズトームも面白い。

 

ボリショイバレエー 二人のスワン:老いるということ。

ガリーナ先生は、気に入っているユリアに身の回りのことを手伝うアルバイトをさせる。
彼女とウマがうからか?それとも「他では目を外させない」ように?

自分が白鳥の湖を踊った時のイヤリング(ダイヤとサファイヤ)をユリアにくれた。

ところが次の授業のときに、「イヤリングがない」と騒ぐガリーナ先生。
ユリアにあげたことを忘れてる。当然イヤリングは彼女が持ってる。
ユリアは盗んだと思われ退学に?

ガリーナ先生の「記憶欠落」を指摘すれば、先生はバレエ団をやめなきゃいけなくなるし、そのままだと自分が退団することに。
どういう結果でバレエ団に残れたかはハッキリ書かれてないけど、ガリーナ先生が「認めた」んだとおもう。

 

かつてプリマだったひとが、若い人を教える。
ものすごく厳しい。
鬼にようなことをいいながらもバレエを愛してる。

 

いつかかならず踊れなくなる。
後半に出てくる40歳になるスターダンサーも「老い」への恐怖をかたる。
「年を取ってきたら、1日1日、足が1ミリずつ上がらなくなってくる」と。

この映画の柱のひとつが「老いと若さ」だと感じるのは、僕が老いてきてるからか?

この手足!!

 

ボリショイバレエー 二人のスワン:素敵なエピソードと緊張感のあるダンスのせいで、2時間あっというま

 

  • 胸が大きいことで、バレリーナとしては致命的なターニャは、自ら退学届けを出し、衣装係となる
  • ユリアは主役をカリーナに譲った。
    カリーナの母親からお金を受け取って、故郷に送金するために。
  • ガリーナ先生がビルからビルへ飛び渡ったという噂(ユリアもやってみる)
  • 昔スターダンサー「アントワーヌ」の背中を押してくれたのは少女の頃のユリアだった

短くも印象的なシーンがこれでもかと続き、いよいよラストへ

 

舞台にカリーナが現れない。このショーの主役アントワーヌはユリアに主役を踊るように言った。

ユリアはガリーナ先生に貰ったイヤリングを付け、勇気を出して舞台に立ち、ジャンプする。
そのうつくしいこと。

 

 

金持ちが貧乏苦学生に負ける、なんていう陳腐な話だったらどうしょうともおもったけど、ダンスのレッスンでくるくる回る針金のような女の子たちが、観客の数段上をいく。

 

ロシアの底力、というか芸術の崇高さと恐ろしさ。
それを知った上で挑み続ける人たち。

 

背筋がしゃん!となる映画でした。

 

【802号室】映画見聞録〜映画が大好き〜2020





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