最近の、といっても平成ライダーのほとんどがそうなのだが、仮面ライダーが二人以上であったり主人公と同等の力をもつ理解者がいるパターンの物語が近年多く見られる。
だが、クウガにはクウガ以外のライダーは存在しないし、クウガ以外に特別な力を持った人は作中には一度も出てこないのだ。
クウガおよび五代雄介に対して協力してくれるのは、ごく普通の一般人である考古学者や、一部の警察官だけであり、怪人に対しては非力すぎる存在である。
だからと言って彼らがただ守られ、平穏を享受しているわけではない。
仮面ライダーと言えば、バイクに乗るのが基本だが(乗らないライダーもいる)、そのバイクそのものを警察、しかも一般の刑事からもらったライダーは彼くらいのものだろう。作中でバイク勝負に負け大破したときも、クウガ専用にカスタマイズされた最新機種を譲り受けるほどにクウガと警察は支えあっている。
また、クウガは大きく分けて基本5種(グローイング、マイティ、ドラゴン等)と上位5種、そして最強のフォームが存在し、それぞれに得意武器が存在するのだが、クウガは得意武器を自分の周りにあるものを変化させて扱っている。(たとえば鉄パイプを持つことで槍状の武器にする)
ここでも警察は非常に重要なかかわり方をしてくる。このフォームの中で、ペガサスフォームという遠距離に特化した緑色のフォームがあるのだが、これのモチーフ武器はボウガンであり、変化基準は射出できるもの。だが、普通の生活でそんなものがあるはずもなく、クウガはどうしたかというと、
なんと刑事から拳銃を借り、それを変化させてボウガンにしたのだ。
終盤になるとむしろ刑事のほうからクウガに拳銃を手渡すシーンなどもあり、本来はそのようなことをしてはいけないものの、「みんなの笑顔を守るために」自分の力をクウガに預けるという無言の信頼が生まれているところも仮面ライダークウガという特撮の魅力なのだろう。
また、警察以外にも彼をクウガだと知りつつ変わらず支え続ける人、クウガだとは知らないままでもいつもと同じようにかかわり続ける人。彼らの存在も最後までクウガがクウガであり続けられた原因の一つなのだろう。
五代雄介がクウガになってしまった要因を作ったある考古学者は、クウガのベルトに刻まれていた古代文字を解読することで、なんどもクウガの新たなる力を開花させる手助けをしてきたし、またある医者は彼が変身するごとに人間を逸脱していく五代に対し常に警告をしながらも、彼の無茶に付き合うだけでなく、彼の命をも救ってせた。
仮面ライダークウガとはただ現れた怪人をクウガがかっこよく退治する物語ではない。
仮面ライダーという特撮と同時に「人」一人一人の人生にスポットを当てていく人生ドラマである。ただの特撮の中に研究が忙しくてなかなか家に帰れない母子家庭の研究者の授業参観の話を入れるだろうか?
子供のころに約束した2000の技を習得するという約束を確かめに教え子に会いに廃校まで行く恩師の物語が存在する必要はあるのだろうか。
クウガには「人生」があり、五代雄介にかかわるすべての人間にドラマがあるのだ。
そして最後に、五代雄介は、いや、「仮面ライダークウガ」では最後の最後まで「仮面ライダー」という言葉は使われることがなかった。
仮面ライダーとは悪の怪人を倒す正義の味方であり、人々から称賛されるべきヒーローの名称である。
五代雄介は自らのことを「クウガ」と名乗りはしたが、自らをヒーローだ、仮面ライダーだ、と名乗りを上げることはなかった。
そもそも一般人や警察関連からは「未確認生命体4号」の名前で呼ばれており、前にも述べたとおり、怪人たちが自分のことをクウガ、と呼ぶから自分もクウガ、と名乗っただけである。
クウガになった五代雄介は誰よりもやさしい男であった、たとえ怪人たちが人をゲーム感覚で殺す人外の化物であったとしても、そいつらを彼は「殺す」のであり、もともと人を傷つけられないような彼にとっては拷問のような時間であり、それは彼の目指すべきヒーローではなかったはずだ。
だがそれでも、みんなの笑顔を守るため、誰かの明日を守るために、その顔に無理矢理笑みを浮かべ、「大丈夫」と元気付ける。
それを見ていた人はどれだけ勇気づけられたのだろう。彼のサムズアップは人を笑顔にする魔法であり、だからこそ僕の心にはクウガの姿が今でも焼き付いて薄れることはない。
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