ハイネケン誘拐の実話を映画化。
人生一発逆転を狙う若者たちが、ビール王を誘拐。史上最高額の身代金を要求する。
前半は誘拐前の資金を作るための銀行襲撃シーンや、誘拐シーンもあり、緊迫した中にもアクション&サスペンスタッチ。娯楽作ぽい感じだけど。
ハイネケン爺さんを演じる「ハンニバルレクター」。この人は出世作の印象が強すぎて、面白い映画とつまんないのが両極端だけど。
つい、耳を貸したくなる話し方。オーラ。
威圧感。
怖いね。
こんな人、さらうもんじゃないよ。
実際こんなに簡単に誘拐できるの?ってくらいあっけなく成功するんだけど。
身代金の受け渡しなんかも割とうまくいく。
今なら海外送金とか、いろいろあるだろうけど、現金を思い袋に入れて運ぶしかないなんて。
若者たちは人を殺さない。
不法占拠されてる自分達の不動産を取り開けそうとする時も、殺さない。
百戦錬磨の億万長者はきっと、何人も殺してる(もちろん比喩)
勝てないよ。
後半はものすごく地味で、寂しい気持ちになる。
サスペンスドラマの高揚感はなくなり、後悔の念と、言いようのない抑圧感。
どんな青い空のもとにいようとも
どんな贅沢な料理を食べようとも
ぬぐいきれない恐怖。
逃げるだけの人生。
追われてる、という気落ちだけで参ってしまいそう。
犯罪者にはなれそうもない。
僕はあっという間に自首してしまいそう。
犯人グループを大きく見せて捜査を撹乱するために、テロリストのようなイメージを与えようと頑張るんだけど。
優しい。優しすぎる。
指の一本でも切っておくるよね。今の現代なら。テロリストじゃなくても。
中学生とかでも。
人質を解放なんてしない。
そのくらい今の時代がひどいってことか。
家族や友人が一人もいない、冷酷無比な犯罪集団でやるか
たった一人でやるかしか、成功しないのかも。
完全犯罪って。
犯罪サスペンス映画と思ってみると拍子抜けするかも。
アメリカ映画じゃなくイギリス・オランダ・ベルギー合作だからかもね。
じっとりと、重い。苛立ちの映画。
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