めぐり逢わせのお弁当:インドのお弁当配達システムに驚く
インド最大の都市「ムンバイ」では、職場にお弁当を配達する仕事が確立されていて、間違って届く確立はほぼゼロ。
それはお弁当屋さんからのものや奥さんの愛妻弁当。劇中の説明では「ハーバード出の人が作り上げたシステム」らしい。
ところが、完全といわれるシステムがお弁当の配達先を間違えることから始まるおはなし。
これだけ描くとウォンカーウァイのSFか??と思うけど。
最近ちょっと家庭内から愛の火が消えたように感じてる主婦「イラ」が、腕によりをかけてお弁当を作る。胃袋をつかもうとする作戦だよね。
祈るような気持ちで配達人に弁当箱を渡す。
夕方、戻ってきた弁当箱がいつもと違って空っぽ!
全部食べてくれてる!
と、嬉しくなったのもつかの間、帰ってきた夫に感想を聞いても反応がイマイチ。まったく入れてもいない食材についておいしかったなどという。主婦は自分の作った弁当が違う人に届いてしまったのだ知る。
めぐり逢わせのお弁当:誰もが何かの事情をかかえてる
登場人物は
- ダンナに浮気されてるかもしれない主婦
- その主婦の母親(ダンナは寝たきりで治療費がたりない)
- その主婦のオバ。階上に住んでいていろいろアドバイスをくれる(こちらもご主人は昏睡)
- 弁当が間違って届いてしまった、早期退職希望者(奥さんをなくして、静かな生活を送ってる)
- その彼の元に引継ぎで入社してきた男(孤児?いろんなところを旅してる。婚約者あり)
さらに道路でそぶこどもたち、婚約者、上司。同僚。
いろんなキャラクターがほんとうにすばらしく配置されている。
間違って配達されるお弁当箱はいつしか、手紙のやり取りにツールにもなり、おたがいに手紙が届くのが待ちきれない。
静かな生活のなかに、ぽっと暖かく咲いた花のような。
これがまだ見ぬ人への思い~恋愛感情だけだったらつまらない映画になっていただっろうけど。
ぼくらが知らないインドの姿を知ることができるエピソードや、登場人物の事情とか、感情の盛り上がりと、ふと振り返る瞬間など、あらゆる事柄が感情によって動かされていくさまに感動する。
年をとったということ
心が変わったということ
環境が変わったということ
鼻のおくが、ちんとする。
めぐり逢わせのお弁当:浸透圧の高い悲しみ
特に好きだった(ちんとした)シーンは
「サージャン」が、なくなった妻のみていたTVのビデオを一晩中見ているシーン。
そこに映ってる番組を見ながら、番組を見ていた妻の姿と笑い声を思い出すエピソード。
あっさりと、感情的でないいいまわし。
ほんとうに、うまい。
深い悲しみが、うすくうすく足元にひろがっている毎日だったんだろうなあ。
そしてはっとしたシーンは
お弁当が届いてしまう男「サージャン」の後釜として入社してきた男。
この男が、かなり、うざい(笑)
悪気はなんだけどね。
うざいからあまり仕事を教えたくない。
で、おおきなミスをやらかしてしまう。
ふたりで上司に呼び出されて、怒られるんだけど。まあ、新人をかばおうとするよね。
書類をまな板代わりにして野菜を切るような男。
「いいかげんにしろ!やる気がないならやめろ!」
そういわれて男は、失敗したにもかかわらず
「なんで僕がやめなきゃいけないんですか!ちゃんと仕事をおしえてくださいよ!」っとあっけらかんと言う。
そうだよな。
先輩は新人に仕事を教える義務がある。
誰でも最初はできない。できないことを自分の責任だと背負い込みすぎるとよくない。
ちゃんと教えてよ!って言うべきなんだ。
目からウロコだった。
めぐり逢わせのお弁当:インドと日本のちがい
なんかの話できいたけど
インドと日本の教育は向かうところが正反対。
日本は
「人に迷惑をかけるな」
インドは
「自分も誰かに迷惑をかけるのだから、迷惑をかける人を許せ」
弁当なんて自分で持っていけばいいし、出前ならお店がすればいい。最初は見ててそう思った。
でもちがう文化の国のこと。
僕たちは違うんだから、違っていい。
ムトゥ・踊るマハラジャも好きな映画だけど
この映画は奇跡のような美しさと生きるエネルギーと、時間がいろんなものを変えていくというメッセージが明確に流れている。
めぐり逢わせのお弁当:ラストシーンの気持ちよさ。
しみわたる傑作。
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