中学一年生。
まだ‘みわちゃん’と一緒にいた頃‘なんとか言う不良の先輩’と仲良くなった。
「男子は坊主、女子はおかっぱか三つ編み、スカートは膝下10センチ」
そんな校則の学校で、‘なんとか言う不良の先輩’は赤い髪にパーマをかけ、短いスカートを履いていた。
ある日、私と‘みわちゃん’と‘なんとか言う不良の先輩’とそのお友達の4人で2台の自転車を盗んだ。
ノーヘルで二人乗りして河川敷へ行った。
それから自転車を蹴ったり踏みつけたり…ボロボロに壊して遊んだ。
最後は川に捨てた。
特に面白いとは思わなかったし
ぐにゃぐにゃになって行く自転車をボーっと眺めながら
淡々と自転車を蹴り続けた。
これを最後に‘みわちゃん’と遊ぶ事も無くなった。
わざとでは無い。
ただ、何となく自然にそうなった。
その頃‘しのちゃん’という子と親友になっていた。毎日交換日記をしていたし、休みの度に遊びに行って、クラスの委員も何でも一緒だった。
ある日、‘しのちゃん’は何かの病気で2ヶ月も入院した。
私は寂しくて‘しのちゃん’が早く学校に来ないかと毎日待ちわびていたのに、やっと‘しのちゃん’が退院して間もない頃に、私の転校が決まった。
その頃から段々と‘しのちゃん’の様子がおかしくなっていった。
あんまり学校に来なくなって、悪い噂ばかりを聞く様になった。
あんなに仲良しだったのに、結局最後の日まで‘しのちゃん’は来なかった。
越して来てから一度だけ手紙を送ったけれど、返事は来なかった。
代わりに他の仲良しだった子から、‘しのちゃん’が私から手紙が届いた事や、私についての悪口や、嘘ばっかり言っていると聞いた。
けれども、その子だって‘あの頃’は私との交換日記を勝手にクラス中に見せびらかしていたのだから、本当のところは分からないままで・・
けれども‘しのちゃんの両親が離婚した’という噂だけは本当の事らしかった。
結局―みわちゃん’が来ていた同窓会に‘しのちゃん’は来なかった。
‘私との交換日記を皆に見せびらかしていた、仲良しだったあの子’は来ていたけれど、挨拶も交わさないままだった。
だって、「あの頃」嫌いだと言っていた‘気の強い偉そうな女子’と楽しそうにしていたから。
それ以降も本当に色々な経験をした。
が、「時効」で許されるのはこっちに越してくる前の中学2年生の話までだろうと勝手に思っている。
三十一歳の私は、タバコもギャンブルも、本当の意味での男遊びもした事がないし、お酒も滅多に飲まない。
「人生とは‘刹那’の繰り返し」
いつだって誰も悪くない。
なるべくして、そうなっただけ。
最後に…
この話はフィクションかもしれないし、ノンフィクションかもしれない。
―本当の事は私しか知らないのだから―
*これを書いたのが31歳の時だったため、そのまま31で表記していますが、実際は今年で37歳になります。
一日も早く、故郷が復興します様に・・・。
私は美しい。 圭子。
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