私たちのハァハァ:これが映画なのかどうかは見る人の自由
ラブポップというどうしようもないJK映画があった。映画の態をなしてないんだけど、なんかイラっとくる映画。
僕は好きだったんだ。
私たちのハァハァも、多分、その類。
自撮り的スマホムービー的なアングルや荒れた画面。使い古された手法で語られるのは、「女子高生ロードムービー」
自転車に乗って好きなバンド「クリープハイプ」のライブを見に、北九州から東京まで自転車で出発する。
ほら、ちらっと聞いただけで大体のところわかるでしょ?
な〜んだ、つまらなそうと思ったあなた。見ないほうがいい。絶対面白くないから。
へ〜、なんかそういうのアリかもねと思ったあなた。見てみてもいいかも。
つまりはそういうこと。
感動は見てる側の都合。
わけわかんなくなるくらい好きなものや事があって、後先考えずに突っ走ってコケた事のある人のための「処方箋ムービー」なんだ、これは。
彼女たちは何も達成しない。
学ばない。
特に友情を深めたり、トラブルを乗り越えて強くなったりしない。
99%の人がそうであるように。
私たちのハァハァ:制服に頼りすぎの弱点は露骨だけど
集団家出する女子高生が制服きてるってところから、本当「一億総コスプレ天国日本」だなあと思うんだけど。
まあ、制服の持つ「セクシャリティ」と「ノスタルジー」は、物語の看板だからね。
制服の持つパワーを借りて、物語にトランキライザーかませるってのも常套句。
旅の途中で仲間割れしたり、お金がなくなって水商売のバイトしたり。
ヒッチハイクの男にキスされたり。
ま、本当に普通の展開なんだ。映画としてみれば。
ただ、圧倒的に違うのは
この四人の女子高生が、うるさく、うざく、バカで、浅はかで。
つまりは僕らの子供時代と何も変わってないということ。これこそが幻想かもしれないけど。
この子たちの喋りや動きを見てると、「普通の会話」を書いたはずの映画でさえ「よく計算された映画」に見える。
会話って、割り込んだり割り込まれたり、聞き取れなかったり、適当に相槌打ったりするもんだよね。実際のところ。
バンドメンバーに思い入れありまくりの女の子はキモイし、気分で上がったり下がったりの彼女たちはほんと迷惑だ。
でも、そういうもんだろ。
空気を読んで発言したり、
人の迷惑にならずに生きることだけを考えてるなんて、すごい余裕だよなあと思うんだ。
やりたいと思って、やる。
それだけの映画。
私たちのハァハァ:ラインが一番素直になれるコミュニケーションツール
手垢にまみれた描写が続くんだけど、途中、ものすごく画期的で、斬新で素晴らしいシーンがある。ラインを使って仲間内で話すシーン。
コミュニケーションが下手で、面と向かってものをいったらメチャクチャになっちまう。だから側にいてもスマホで話す。
このシーンの臨場感とリアリティーはすごい。今まで見た中でのSNSシーンでは最高だ。このシーンの斬新さが、他のすべてのグダグダシーンをも輝かせる。
あ、グダグダシーンってのは「グダグダしたつまんない映像」じゃなくて「グダグダの彼女たちに何も素晴らしいことが起きないシーン」ってことね。
ビートルズに始まって(もしかしたらそれ以前かも)いろんなバンドが女の子たちを夢中にさせた。もちろん男の子たちも。
バンドが好きだから!って自転車で東京まで行こうとするか??バカじゃないか??
全くその通り。
でもこの映画の「クリープハイプ」は、女子高生4人の爆発の「カモ」なだけなんじゃないか?
なんか爆発したかった彼女たちの「適当に都合のいい理由」だったんじゃ?
「好き」っていう爆風は、恋愛だけじゃなくて、今この瞬間が好き!なんていう刹那なものもある。そんな有象無象を東京の夜は、朝は手を広げて迎えてくれる。
輝きはいつか消える。
友達は離れ離れになる。
そんな当たり前を、きちんと先にみすえてる。
きっと最高!っていう人と、クッソつまんね!と思う人に分かれるだろう「私たちのハァハァ」。
でも「映画撮りたい!」って思う人も出てくるかも。
デジタルが当たり前な世界でも、フィジカルな恍惚を。私たちのハァハァを。
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