エール!:ろうあ者、なんていう設定すら忘れる
耳の聞こえない夫婦、子供は二人。
長女だけが聞こえる。
高校生の長女は、手話で両親のコミュニケーションを手伝い、家業の酪農業も、チーズ売りも助けてる。
その彼女の歌の才能に気づいた教師が、パリでのオーディションを進めるが…。
ね。
観ないタイプでしょ。ま、これも例によって映画通の友人から勧められたのと、WOWOWで宣伝してたから。
映画は計算され尽くした映像、アングル、色合い、セットがまるで文芸大作プラス単館おしゃれ映画のように次から次へと。
映像へのこだわりがすごいと、お話が今一歩だったり、自己満足的になることが多いけど、「エール!」に関しては違う。
ママが腟炎になって、お父さんが薬塗らずにセックスしまくるから、全然治らない。
しかもそれを医者の前で娘が通訳する、なんていう「大笑い」なエピソードから始まるし、嫌いな奴には「ぶっ殺す!」って言うし(手話で)
ろうあ者の人生を描いてるんじゃなく
家族のぎこちなさとかトラブルとか
誰もが抱えてる将来への不安とか憧れとか
イケメンとか友情とか
生理とか
まあ、基本的に「セックス」「セックス」なんだけど。
これも個性。ただの個性。
エール!:愛情いっぱいで育つってことは
いろいろ問題もあるけど、主人公の少女は家族や友人、先生たちの愛情をいっぱい受けてる。多分この映画を見て「つまんね!」と思う人は、そこが腹がたつんだと思う。
そのくらい、いい人ばかりなんだ。
そして「感動巨編!100万人が泣いた!」みたいな感じで見ると、「ふざけんな!」ってことになるくらい楽しい映画だ。
ラスト付近でこんなにオエツするほど似なるとは見ていて全然思わんかったから。
卑怯っちゃ卑怯。
そのくらい「感動エピソード」の割合は少なく、少ないからこそ、グサ!っとやられたんだけどね。
耳が聞こえない両親にとっては「歌」なんて全く意味のわからないもの。その「完全なる異文化」に娘は憧れていて、才能もある。
でも娘には家業の酪農で働いて欲しいし、手話ができる人がいなくなるのも。
パリで一人で、やっていけるのかしら。
そんな「歌」なんていうわけのわからないことで。
ここにある事情は、どこの誰にもあるもの。
形を変え、重さを変え。
誰の上にもあるもの。
親の大きな愛情と、
異性の大きな後押しと
先生の、友人の応援と
夢を掴む!なんていう大げさなことじゃなくても、みんな何かに努力してる。
その「どこにでもある感じ」がすごく良く描かれてる。
エール!:丁寧にプロが自信と自負を持って作った映画
こういう映画見ると、「映画作り」てすごいなあと思う。
日本映画の未来を思って暗い気持ちにもなる。
そして、2時間弱の映画なのでいろんな中途半端ができる。
ストーリーの真ん中をしっかり書くために
彩部分をさっと、引く。
あれ?あのエピソードあれで終わり?と思わせといてエンドロールでしっかりオチをつける。
まあ、僕は号泣してたので見直して気がついたんだけど。
あ、あというなら主人公のルアンヌ・エメラ。天使の歌声とか言われてるけど、普通の可愛いシンガーくらい。
抜群に歌がうまい!てことはないし、
逆に言うと、「こんな環境にいて飛び出すんなら、天才的にうまくないとな!」なんていう僕ら見る側の「差別」があるんじゃないかなと思う。
すこし歌が得意な女の子が、首都にオーディションを受けに行くなんて、当たり前じゃん。
ラストシーン。
そうなるだろうな〜とわかっていても、ぐっとくる。
この子のぽっちゃりしたシルエットと、垢抜けない感じが素敵すぎ。
あと、やりたがりで「ろうあ」を武器にする弟もサイコー!
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