KOTOKO:感想【塚本晋也の優しさとCoocoのボーダーライン】

 

KOTOKO:巻き込まれるものの優しさ

塚本晋也監督はいつも、巻き込まれるものが真ん中にいる。
急に鉄になったり、SM世界に入ったり。
意図しないタイミングで、急に、勝手に周りが変わる。
そのことできしむ体と心を優しく描く。

「KOTOKO」でもそれは同じ。
世界の中でひとりぼっちというより、世界から拒絶され、服従を余儀なくされる人が真ん中。
いろんなことの答えを出さずに、主観的に進められるお話。

誰が本当で、誰が架空で、なにが虚構かなんて本人にもわからない。kotoko_poster1

 

KOTOKO:リアルかといえばファンタジーと捉える人もいるだろう

Coocoという素材を上手に使って、加工は少なめにうまく料理してる、と、思う人もいるだろう。
ただ僕は実際、このように

「世界から拒絶されて自傷し、暴れまわり、包丁を向け、壁に穴を開け、叫び、警察がなんども来、隔離され、放り出され、殺してやると叫び、殺されると泣きわめく」

という人を身近に知っているので

ああ、あの時はこんな風に世界が見えていたのかもしれないな

と、納得することができた映画だった。
そういう意味では、KOTOKOのような人が周辺にいる人にとっては「冷静な、暖かい救いの目線」を感じるかもしれない。

ともかく、塚本晋也の目線は暖かい。

彼女の生きるエネルギーがすごい!なんていう人も多いと思う。
でも本当は彼女の周りの「生きさせるエネルギー」の方が強いんじゃないか?

生きるなんて簡単。
死なせないでいる力はもっとリスペクトされるべきだとおもう。
(僕はその環境から逃げ出したんだけど)

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KOTOKO:多かれ少なかれ、世界はこんな風

世界が二つに見える。精神の均衡が壊れていく。ここまでの人はあまりいないけど、テレビから流れてくるドス黒い悪意や、赤ん坊の金切り声、善意の皮を被った好奇心むき出しの人たちはリアルに存在する。

世界は味方じゃない。
特に一人で小さな子供を育ててるママにとっては
明日になれば何かが変わるなんて思えない袋小路。

この映画のリアリティはCoocoにあるのじゃなくて、彼女を取り巻く世界にある。

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KOTOKO:塚本晋也の音作り・絵作りはさすが。

少ない予算で一番感情的な絵柄を撮れる監督が、カメラの前で歌うだけで世界中がしんと静まりかえるウタウタイを撮る。
そりゃ、説得力の塊だ。

うたってたら世界が一つになるという設定がリアリティを持つ。
骨の上に皮と筋肉がまとわりついただけの体で踊る。
雨のラストシーンは、この映画を乗り切ったCoocoへの賛美というか、ご褒美だし、
わかりやすく美しいシーンは、この映画に最後まで付き合ってくれた観客へのサービス。

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そこに本当に可愛らしい美術セットが別方向から色を差す。
素晴らしい美術をCooco自身がやってるらしい。キュンキュンする色合いと風合い。

よくある素材、よくあるお話を、どこにもない女優で撮りきった塚本晋也がもちろんすごいんだけど。

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