ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち:宣伝量の違いが本気度を測る
とにかく、公開前からの広告量の多さがすごかった。ティムバートン史上〜というフレーズがあちらこちらで見て取れた。
しかし、アリスインワンダーランド(製作のみ)での大失敗(本当にくだらない作品だった)が頭に残っていて、う〜んどうかなあと心配はしていた。
シザーハンズやバットマンリターンズなどの、マイノリティへの愛情や、スリーピーホロウなどの古き良きホラーへの敬愛、ティムバートンは超一流の「偏愛監督」だ。
その彼が見事に「やりたいことだけをやった」作品がこれ。
全編、愛情に満ち溢れてる。
わかってくれない世界、アメリカンマッチョワールド、両親。わかってくれるおじいさん。奇妙な仲間。
廃墟。タイムループ。
ジェラシーや引け目や性の目覚め。
わかりやすい悪人たち。
ストーリーの多少のぎこちなさを完全に忘れさせてくれる見事なパーツの配置。
かわいい、のてんこ盛り。
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち:僕らはみんな能力者
ある施設に集められてるのは子供の能力者たち。
いつの時代も「大衆と違うもの」「マイノリティ」「自分たちより優れたもの」を隔離し、迫害し滅ぼすとするのが「民主主義」だ。
でも、炎は出せなくても、野菜を成長させられなくても、僕らはそれぞれ「何か」を持ってる。そのサムシングに気づいてないことも多い。
社会はそれに気づいて欲しくない。
気づかれると、洗脳が思い通りにいかなくなるから。コントロールができなくなるから。
「自分はなにもできない」
「自分はみんなと違う」
『自分はみんなより劣ってる」
この気持ちを植え付けるのが社会であり、教育だと思う。
僕らはみんな、能力者なんだ。
気づかないだけ。
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち:喪失への郷愁
イギリスはブラックプールの小さな遊園地や、
沈んでしまった豪華客船や
戦争の爆撃で消えた美しい建物や
子供の頃の空想力…。
この映画はなくなったものでできている。
そして今、世界が失いかけてる「知恵と勇気」も。
あの時代は良かったという後ろ向きなだけでなく、彼女のためになんとかしたいと願う強い前むきな気持ち。でもそれが全面に出ると、本当に味気ない成長物語になる。
この映画は、主人公を取り巻くディティールが素晴らしく、映画はすんなり楽しめる。マッチョ感なしに。
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち:エヴァ・グリーンを手に入れたティムバートン
エヴァ・グリーンが美しい。すべてに於いて気高く美しい。
ヘレナの次のミューズは彼女だね。
強く、厳しく、優しい。
007やシンシティ、愛を複製する女など少しキワモノが多いけど、この美しさは秀逸!
そして主役の男の子は2011年に公開された『ヒューゴの不思議な発明』でも主演を務めているエイサ・バターフィールド。この子の目つきも素晴らしい。ヒューゴもとても暖かい「のけ者」の話だったけど。
出てくる不思議な子供たちも、少しフリーキーな顔で大当たり。
マスクをかぶった双子のオチや、ジェラシー少年も可愛い。
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち:ザ・ティムバートンフィルム
スリーピーホロウ、スイニートッドなどでのアメリカンホラーやビッグフィッシュなどのハートウォーミングな親子関係、やビッグアイズで見せた確かな映画作り。
そしてうまくいかなかったアリスやダークシャドウ。
すべてを血肉にして、ティムバートンは最高の一打を打ち上げた。
娯楽作であり、アニアックであり、泣けるシーンも(実際僕は泣いた)。甘酸っぱい恋愛も嫉妬もあり。
映画で描かれるすべてをジューサーミキサーにぶち込んでできたのがこの映画。
素晴らしい!
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