こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。
いやあ。こんなに長い間萠珈のライブを聞かなかったことはない。
彼女はライブのたびにセットリストをツイートするんだけど、それを見ながら山のように溢れてくる新曲にイライラしてた。
あまりの体調不良や自分のライブとのバッティング、県外でのライブに力を入れ始めた彼女のスケジュール。
諸々がかちあって、本当にご無沙汰だった彼女の歌を聴くことができた。
イベントがちょっと変わってて。
- バーで、NO音響のなかナマで生々しくやる
- 飲み放題+食事付き
つまりショー的要素のないディナーショーだ。
そして結果として、すばらしく楽しいイベントになった。
まだ、街が動き始めていない時間。夜七時。
風俗の案内所のシャッターを開ける音が聞こえる。
カウンターとテーブル。
大きなルーレット。
とてもいいロケーション。
赤と黒の衣装。
金髪に戻った萠珈は、よるべなき雰囲気と妙に馴染んだ空気をまとう。
ライブは3部構成。
- 萠珈
- 杉本リヨ
- 萠珈
浄化活動やら、お互いのカバーをやったり。
さらにお食事タイムも。
ナマのギター、ナマの声。
グラスの音、静まる時間。
酔っ払いの大きめの声。
そこにあるのは「ドキュメント」なはずなのに、どことなく異空間のよう。
「架空」のよう。
僕は音響と照明によって作り出される世界が大好き！
だからこそこんな「裸の音楽」も大好き。
ギターは弦を震わせ、ホールで増強させた音しか出ず
歌は喉を震わせ、口から出て空気に乗って届く音しかない。
イスラエルの空爆に小石で蜂起するパレスチナの子供のように強い。
初めて聴く曲もあれば、もはや懐かしすぎるものも。
たった三年くらいの間で、よ。
12曲（だったか？）を歌う。でも歌われるべき歌はまだ山のように隠れてる。
自我とポップを行き来して
ロックンロールと自閉を行き来して
ピンボールのように弾き、弾かれ。
彼女は世界を広げていった。
メジャー感たっぷりな曲と
難解なプログレと
さわやかな涙と
ラップと、童謡と。
混ぜて、振って、出す。
この日集まったごく少数の信者たち。
僕の隣には最近「飲み込まれた」人が。
連続してライブに参列してるようだ。
わかる。
わかるよ。
そしてそのうち、この歌の世界を受け入れない「世間」に腹が立ってくると思う。
他の人のライブを見ても、歌詞が「詩」でないことが耐えられなくなるだろう。
もちろん歌は「詩」だけではない。
メロディーとリズム。歌唱力。いろんな要素がある。
「歌詞が詩でなくてもかまわない」なら、他でもオッケーだよ。
彼女はぼくら福岡の「音楽好き」にもう愛想を尽かしたのかもしれない。
だから県外へ、新しい海へ船出してしまったのかも。
芸術を育てられないのは、育てない人の責任が半分だ。
幸い、僕が好きな音楽をやってる人の歌詞は「詩」のひとがほとんどだ。
僕は「日本語」が好きだ。
だからこそ「詩でない日本語の歌詞」は大嫌いだ。
そして、傷のないつるっつるの歌も大嫌いだ。
バー山海のマスター？企画者の杉本リヨ氏のステージもなかなかによかった。
何がいいかっていうと
「目つき」だ。
美味しい料理を楽しんでもらおう、イベントを楽しんでもらおうとしてる時の男の顔とは違う。
歌ってる時は「異様な目つきのうたうたい」だ。
「殺すぞ」という目つきだ。
素晴らしい。
おもてなしと芸術は両立する。
そして芸術とエンタメも両立する。
この日は飲み放題三千円。
それについてくるという食事がこれ。
「食事つき」のレベルを超えすぎてる。
恒例の浄化用ドリンク
とてもいい夜。
あしたからまたくそったれな一週間がはじまるというのに。
世の中は「れいわーれいわー」と白痴化してるのに。
くそったれ！
くそったれ！
俺もしずかに負けたふりをする。
ほんとにありがとうございました。
仕込みも、歌も、会場セティングも。
またここで聞いてみたい。
そして歌ってみたいと思った。
酔っ払い。
暗がり。
PAの助力なし。
こういう「音楽」を楽しむだけじゃない場所に割り込むことこそ、音楽の醍醐味かも。
【709号室】ガーリーおじちゃんはまったく役に立たない2019
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