エンジェル、見えない恋人:感想【最初から最後までもう完璧に好みの絵柄が】設定もお話もごく普通なファンタジーなのに傑作!

 

エンジェル、見えない恋人:目の見えない女の子と透明な男の子。ボーイミーツガール

魔術師のお父さんと、その相方のお母さんから生まれた子供は透明人間だった。
その子が目の見えない女の子と恋に落ちる。
見えない、見ることができないから、触れて、匂いを嗅いで、声を聞いてお互いを認識する。
でも、女の子の目が見えるようになったら??

簡単なあらすじはこう。
とくに「あっと驚くストーリー」も「どんでんがえし」もない。
役者の演技合戦もない。
取り立てて「すごい」っていう感じはしなかった。映画を見るまでは。

 

 

映画ってのは「演技」とか「ストーリー」だけじゃないんだ。
監督の頭の中にトリミングされた世界を具現化することに心血を注ぐことなんだ。

冒頭から美しくて、もう、意識が遠くなる。
扉を使用したマジックで「恋人が忽然と消える」というシーンの、だんだん不安になってくる画面作り、タイミング。
すばらしい。
恋人のルイーズは悲しみに打ちひしがれ、精神をやんでしまう。
そこで姿の見えない息子「エンジェル」を産む。

この時点ではエンジェルが彼女の妄想なのか、本当に透明人間なのかあいまいだ。

ただ、映画の視点が「エンジェル」で、みてる人はだんだんとエンジェルにという人格に同化してゆく。

 

このポスターが、ありきたりで残念

 

エンジェル、見えない恋人:すばらしい三人のマドレーヌ

ある日エンジェルが近所の屋敷を覗き見ると、そこには1人の少女が。
初めて見る外の世界。初めて見る女の子。
そりゃみに行きたくなるよね。
好奇心は止めようがない。
ボーイミーツガールは止まらない。

だんだんと、少女に近くエンジェル。
この、だんだん感がたまらん。
庭にあったブランコを漕いでいたのは、盲目の少女、名前は「マドレーヌ」

 

お母さんから「あなたは他の人には見えないから、気をつけないと」といわれてたエンジェルだけど、彼女はこっちをみて、話しかけてくる。

 

二人はこうやって出会い、愛し合いながら成長する。

  • 少女時代:ハンナ・ブードロー
  • 10代の頃:マヤ・ドリー
  • 大人のマドレーヌ:フルール・ジフリエ

この三人の女優さんが素晴らしく。
ぼくらは「エンジェルの目線だから」っていうのをかくれみのに彼女たちをみる。じっと見る。
肌を、唇を、胸を。

もう素晴らしいの一言。

ハンナ・ブードロー
マヤ・ドリー
フルール・ジフリエ

 

それにエンジェルの「声」がものすごくいい。彼の置かれた状況を納得させる声。

 

エンジェル、見えない恋人:見えないから対等でいられる。もし、僕をみたら…。

お互いにないものがあり、それがお互いを対等にしてくれる。
でももし、女の子だけが、「ないものを手に入れたら?」

不安。
不安だ。

目が見えるようになったマドレーヌの目の前に、現れることができない。
マドレーヌは「愛が冷めたのだ」と思う。

その辺の心の揺れを、つまらないセリフや音楽で表現するんじゃなく、視線でかたる。

ありきたりな素材を、まったく新しい、美しい伝説につくりあげたこの監督は「神様メール」を作った人らしい。さすがだ。

神様メール:感想【洗濯機の向こうは神の国】

 

なんてことはないシーンのひとつひとつに魂が込められている。
あたまから終わりまで愛おしい。

そして流れる「ALL THE WAY」

When somebody loves you
It’s no good unless he loves you
all the way
Happy to be near you
When you need someone to cheer you
all the way
タイアップでクソつまんないエンディングがかかって台無しっていう経験から邦画を見ないんだけど(ほんと、まあまあ面白くても、嫌悪感だけが残る主題歌って多いよね)

ロマンチックでノスタルジック、でも最新型の新鮮さをあわせもった傑作。

 

ああ、こういうのに会えるから、映画を見るんだよね。

 

【710号室】映画見聞録~映画が大好き~2019

 





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