グザヴィエ・ドランのエレファントソング@渋谷UPLINK【東京おのぼりツアー記:その2】

いつも先鋭的な作品を配給してるアップリンク。
渋谷に直営のシアターがあるらしく。いいなあと思っていた。

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今回の東京。予定には入ってなかったんだけど、雨、雨。
ちょっと足を伸ばそうっていう気持ちが消滅。じゃあアップリンクに映画見に行こう!きっと面白いのがあってるし!

サイトを見てると、魅惑的な予告編があって。
謎とオペラと精神科医。大好きなものが揃ってる。
小雨の中、駅から迷いながら歩く。
(上映中の違う映画をみにきてるおじいさんおばあさんだった)

 

朝一の上映だけど人だかりが!
ええ?予約して他方がよかったのかな?

列に並んでチケットを買う。
手描きの領収書。

映画のチラシが、たくさん。シネコンでは見れないようなのばっかり。このチラシ自体が充分なお土産。しあわせ。

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二階に上がってびっくり!

まるでリビングルームのような!席数40席。ふかふかの椅子。スクリーンが近くて映像のよさが引き立つ。予約席には赤いバンダナがかかってる。

こんな素敵なおもてなしをする映画館でつまらないものがかかってるわけがないよね。

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今回見たのは「エレファントソング」

ある日、精神病院で一人の医師が失踪する。事情を知っているのは彼の患者で病院で一番の問題児であるマイケルだけ。院長のグリーンは、自らマイケルに質問して真相を聞き出そうと試みる。そんなグリーンに対し、マイケルをよく知る看護師長のピーターソンは、作り話が得意な彼に注意するよう警告するが…。

 

目が、ものを言う。

あまり映画にくわしくない僕らはグザヴィエ・ドランという人をはじめてみた。
瞳の奥で演技する役者さん。
謎解きが話の中心なので、ウソを巧みに使っていく。ウソをウソっぽく言うから、ほんとなの?え?やっぱりウソだ。

 

面白い。

 

こういうのをみて心わくわくするかどうかはわからないけど、ドキドキ感はたまらなく。オペラ映像の美しさ。密室の逆光。ゆがんだ廊下。イライラと焦燥。聞き取り調査。テープレコーダー。美しいフォルムの車。チョコレート・・・。
ちりばめられたデティール。心を逆立てるセリフ。映画らしい展開。

わかりにくさもないし、お高くとまって「わかるひとだけ、わかりゃいいんだよ。映画は高尚な芸術なんだから」なんて姿勢も微塵もない。

 

ネタばれ的なことはかかないけれど。
アレルギーもちで、喘息もちの僕は見てて発作が起きそうだった。

 

冬のカナダ。
凍りついた公園。白い光。
そして、老眼鏡。

僕はもう老眼鏡なくしてはお菓子やジュースのラベル、CDの曲もみえないんだけど。そのぐらいの年齢の人が見た方がイライラするかもね。

 

ここ数年では一番好きな映画。それをこんな素敵な映画館で見ることができるなんて。(もしかしたら、ここで見たからそう感じたのかも?)

 

悲しくてつらくて。ハッピーエンドではない作りなのに。

 

なぜか希望が見え、

なぜが幸福感もあり。

心が穏やかになる。

 

過呼吸のあとのように。

 

 

「エレファントソング」のグザヴィエ・ドランは
「欲望の翼」や「ブエノスアイレス」のレスリーチャンのように素敵。

 

しかも「私はロランス」っていう素晴らしい映画を撮った監督なんだって!?
ゴージャスな才能の男だねぇ。

公式サイトはこちら

 

2015東京おのぼりさんその1:27年ぶりのライブはこちら





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