雨のバスでおもったこと【日常の散文シリーズ・小笹から駅南三丁目まで】いつもは自転車なんだけど

こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。

 

いつもは雨が降っても雨合羽&長靴で自転車通勤なんだけど、その日は夜、予定があったのでバスにした。

うちの前を通るバスは1時間に一本程度しかない。
10分も歩けば四つ角があって、何本も通る。

スマホで時刻表を見る。今どのバスがどれだけ遅れてるかがわかるアプリ。
乗ろうと思っていたバスは到着まであと20分以上かかるらしい。
一つ前のバスが遅れてて、ちょうど今マンションの前にさしかかろうとしている。

エレベータをおり(こんなときはひときわ遅い気がする)外に出ると、バスは行き過ぎ、近くの停留所に留まろうとしていた。
僕は走る。
リュックが上下に揺れてペンだか手帳だかの音がガチャガチャと聞こえる。
上へ、下へ。その度に負荷がかかる。

「シャー」

バスは扉を閉じていってしまった。すぐ先の信号で止まった。
僕は走り続け、点滅する信号の横断歩道をわたる。
バスを追い抜いた。
次の停留所は微妙に信号の多い場所なので、このままいけば乗れる。おまけに道は渋滞してる。

僕は走り、停留所の列に並ぶ。間に合った。

 

車内は雨に濡れた服や傘のにおいでなんともいえない空気。
通勤時なので他人との距離がべったりだ。
走って、止まったばかりのぼくはジワジワと汗をかき始めていた。

狭い車内でリュックを前に持って(そうするのが流儀らしい。TVで言ってた)財布を出し、小銭を確認する。料金分ちょうど。
それを胸ポケットにいれる。

下車の際に料金でまごまごするのが苦手だ。
まごまごしてる人を見るよりも、自分がそうなった時が怖い。考えただけで汗が増量される。なにかの恐怖症かもしれない。

最近は「ICカード」という便利なものがあり、僕もそれを使っていた。
ところが磁気が読めなくなり、使えなくなった。
定期券売り場に行って新しいカードにしてもらわなきゃいけなかった。何度かそんなチャンスはあったけど、普段バスには乗らないので最重要課題にはならず、こんな雨の日のバスの中で小銭を用意する羽目になった。

 

バスはのろのろと走る。
会社に遅れてはいけない人たちが渋滞の列に憎悪を募らせる。
久しぶりの友達と会うためかもしれない。信号でとまるごとに中年女性が舌打ちをする。気が焦る。でも車の列は続く。

運転手は女性だ。最近はアナウンスのきれいな女性が増えたようだ。語尾しか聞こえなかった全時代的な、ある種の業界特有のイントネーションはなくなり、聞き取りやすい声。

彼女のプレッシャーはいかほどだろうと考えてみる。
レジで並んでる人のストレスより、レジうちの人のストレスは倍以上高いと聞いたことがある。ま、これもTvだけど。
にっちもさっちもいかない時、僕はこのことを思い出して自分を慰める。
ある種の差別にも思える。不幸な人、つらい人を思いやるかのような差別。

 

 

焼き鳥屋の前にゴミが散乱してる。降り続く雨はアスファルトの上をすべるように流れてる。

歩くのと同じくらいの時間をかけて大きな通りへバスは出る。
薬局の看板の店主の写真が濡れている。

 

西鉄電車の駅で乗り換え天神に向かうひともいるようで、この駅で乗車率はぐっと減る。
僕は前の方の右側に立っていた。
僕の前に座っていた人だけが立たず、その前後の人はおりた。
すかさず立っていた人が座る。中年の太った男と、OL風の女。

 

ああ、なんてついてない日だ。

 

 

「なんて僕はついてないんだ!」と思ったことがなんどもある。でもそれが本当か?気のせいなのかを実証してみようと思ったことがある。

例えば、自転車で道を走ってると、向こうからも自転車がきてる。
歩行者がいる。

その場合

「いつも自転車のすれ違う瞬間に、歩行者の横を通る」

そんな印象があった。スピードを緩めようが同じだ。
すれ違いざまにヒヤッとするし、歩行者が急に横にふらついたりするかもしれない。そう思うだけで心臓に負荷がかかる。

ある時僕はその回数を数えることにした。
自転車とすれ違うたびに

歩道を横に「自転車」「自転車」「歩行者」になる回数を数えた。
通勤の行き帰り。

 

自転車とすれ違った回数は28回。
そのうち「自転車」「自転車」「歩行者」になったのはたったの6回だった。それ以外はスムーズに離合できていた。

そう、この6回のことをずっと覚えていて「まったくついてないや」と信じ込んでいた。
5回に1回くらいのことなのに、うまく行った他の4回のことは忘れてる。

気の持ちようって、あるのかもしれないな。

 

 

そんなことを思って、予定より20分近く遅れて会社についた。
雨は上がり、傘をさすことはなかった。

 

ほら、雨男ってのも嘘だぜ。

 

【709号室】ガーリーおじちゃんはまったく役に立たない2019





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