アリー/スター誕生:感想【歌がべらぼうにうまい二人がただそこにいるだけの映画】いや、すごいんだけどね。

 

アリー/スター誕生:ガガってこんな顔だったのね

べらぼうに歌が上手いのにドラアグバーでくすぶってるアリーと、人気の頂点だけどアルコールと薬でいまがピークな感じのジャクソン。
この二人のラブストーリー。

最近は時々見るようになったけど「素顔のガガ」が見れるってのが一番のウリかな?

新人がスターに見つけられ、その輝きを増し
ベテランが仕事を奪われ、破滅する。

ほんとうに漫画のようにステレオタイプ。
映画としての面白さとかは、ほとんどない。
過去の「スター誕生」がどうだったかはわからないけど。

 

 

要するにプロモーションビデオを続けて見るような、そんな「しょーもない展開」の中で眠らずに済むのは、主演二人の「歌」がすばらしくキリキリするから。
ブラッドリークーパーの歌も、すごい、いい。

「古い時代にゃ見切りをつける頃かもよ」っていうカントリーナンバーもグッとくる。
演じているキャラクターより、演じてるキャラクターが歌う歌に「真実味」があふれてる。
いうなればこれこそが「音楽映画」なんかもしれん。

 

鼻の形にコンプレックスがあることとか、レコード会社の人がみんな「歌はいいけど顔がねぇ」なんていうっていうエピソードに共感するのは、いま地元で音楽をしてるアマチュアミュージシャンだろうねーなんて思った。

でもさ、本当に歌がすごいからねぇ。

 

 

アリー/スター誕生:枝葉はあるけどシンプルで意外な点がほぼない。

ネタバレ的に言うとラストシーンなんてそう。
「そーだよねぇ」って納得してしまう。
そして感傷も特になくエンドロール前のガガのすばらしい歌になるところなんて、まさに「音楽以外べつにどーでもいい」感が満載。

兄弟の確執とか、友情とかもすこーしだけ散りばめられてる(まあ、それがいい塩梅かもしれない。ぐっとくるから)けど、基本は「輝き始めたダイヤモンド」と「盛りを過ぎたおっさん」の愛の物語で、なんというか世の中のおっさんミュージシャンの勘違いを起こさせる要素もあって、痛い(笑)

いやいや、君たち!(僕たち笑)
きみらはレディーガガでもブラッドリークーパーでもないから(笑)
ただの中途半端だから!
グラミーなんて取れないから(大笑)

 

ガガの歌に関してはほんと、世界一じゃなかろうか?
バラ色の人生からもう誰ともキスしたくない〜みたいなエンディングまで、圧倒的。

途中のポップスターとしてのアリーも、すごくいい。

 

 

アリー/スター誕生:古い考え方はもう捨てるべき時代だよ

そして何と言っても

  • 生音楽、ロックは正義
  • 打ち込みのダンスミュージックは軽薄

この二軸の対比がもう、笑えるほど古い(笑)

スタジアムを満員にして、ディストーションの聞いたギターでブルースをバックボーンにしたロックを唸るのが本物で、テレビショーでバックダンサーをつけて、カラオケで踊るポップスは偽物っていう古い考えをそろそろ捨てた方がいいんじゃない?

 

 

新しいものがよくて、古いものがよくないっていうのじゃないけどね。

心を打つかどうかは、受け取る側の感性だとおもうから。

ダンスミュージックやポップがいま、若者の心を躍らせてる。
ビートルズだ出てきたときのように。

音楽の形はいろいろで、ショービジネスがあるからこそグラミーの舞台も華やぐわけで。
ポップは素晴らしい。

僕はポップにも好きな曲がたくさんある。
ガガの歌い、踊るポップが大好きだ。

もちろん、二人のデュエット「シャロウ」はすばらしい。
お互いに傷をかばい、お互いが歩み寄ろうとする曲。もう浅瀬にはいられないという「究極のラブソング」だ。
胸に沁みいる。

 

 

 

アリー/スター誕生:フェミニズム?それともアンチロックスター?

男性プロデューサーに意見に反対する。
自分のやりたいことをやる。
こういう意思がしっかり描かれてるいいところと、アル中、ヤク中のロックスターの末路が「かっこいい感じ」に描かれてる旧態依然なもの。
この二つを混ざり合った状態で描くってのは、面白い。

見方によってどっちにも見れるから。

  • 勝手に絶望して勝手に消えてったロックスター
  • 迷惑を被った若き才能

ぼくはそう捉えるほうだけど(笑)
まあ、僕は「ロックぽさ」が大の苦手だからそう感じるのかもしれん。

 

純愛映画ともいえるだろうし、年の差介護問題ともいえるし、弟子が師匠を追い抜く日という捉え方もできる。
どれもはっきりとは描かれてないのでモヤっとはする(笑)

 

でも、そのもやっと感を120%吹っ飛ばす歌よ。
ほんとにガガは素晴らしい。

 

 

ただひとつ、本当にこわかったのは
ジャクソンの耳が片方聞こえず、残る片方もだんだん悪くなってくるってところ。

ぼくも片方はほぼ聞こえず、最近はステージである音域が急に消えて(こもって)しまうことがあって、そのときの怖さが描かれてて、心臓がバクバクした。
音が聞こえなくなったら、もう、おしまいだ。
僕の場合は聴覚過敏を回避するための防御策として、神経がダウンするのでどうしようもない。

 

【710号室】映画見聞録~映画が大好き~2019





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