ここは退屈迎えに来て:感想【田舎町のなにもおこらないチワワちゃん】誰かの憧れ、誰かの幻想

 

ここは退屈迎えに来て:ピンクの天皇(笑)廣木監督作品

KBCでチラシを見た時から気にはなっていたけど。
邦画はがっかりすることが多いので。

でも嗅覚優れた橋本愛(たまに外す)と麦さんでてるようなので、前知識を入れずにみてみた。

 

一度は東京へ出たものの、地元へ戻り、フリーライターをしている「私」。
同じく東京で花咲かなかったカメラマンと仕事をしてる。

取材終わりに高校時代に仲のよかったサツキと合流。かつてみんなの憧れの存在だった椎名に会いに行くことに。
途中、ゲームセンターに立ち寄ると、たまたま帰省中だった同級生の新保と再会。
近況を話しているうち、新保が椎名にいまの勤め先を紹介していたことを知る。

 

群像劇。時間軸行ったり来たり。
でも、すごくよく書けてる。

なんかびっくり。あれ?こんなに良い絵をきちんと、スタイルだけじゃなくて撮れる人がいるんだ〜。
と思ってエンドロールで監督みて

「あ!なるほど」

と思った。廣木監督やん。高校生くらいから廣木監督のピンク映画がすごい好きだった(笑)
最近は胸キュン監督とかいわれてるらしい(笑)

映画を勉強してる人のとる引きの絵は美しい。

 

 

ここは退屈迎えに来て:郊外店、チェーン店の魔境から抜け出せるか?

車がキーワード。

車でいつものファミレスで喋り、車でラブホに行き、車でラブホに行き(笑)車で先生のうちへ。
車でしか移動できない田舎。
自動車教習所へ、憧れに会いに行く。

でも、車の中での他愛ない会話って楽しい。

窓の外に見える景色はまったく変わらなくても、どこの町にもある郊外チェーン店とはいえども、
車の中の私は変わってる。
光を失ってるのかもしれないし、もともと持ってなかったのかもしれない。

ねえ、私はどう見える?

 

田舎の高校。
いくつかのグループ。
小さなスター。その他大勢。
山のシルエット、麓のまち。

自転車二人乗り
ゲームセンター
パンチラ

青春のピースをはめては崩し、映画は進む。

丁寧なカメラが描くのは「なんだかなあ」ともやる当事者と、昔は良かったなぁのノスタルジー。
かつて当事者だったひとたちの燃えかす。

とても優しくて、でも、無条件に抱きしめるわけでなく、厳しい目線も。
原作は読んでないけどね。

 

ここは退屈迎えに来て:群像は見る角度によって真実すら違う

 

「私」は東京に10年いて、同じ顔した郊外の町に帰ってきた。
2004年から2013年までの10年を行ったり来たりする。
この手法って外すと混乱しかないんだけど、すごくうまく行ってる。

映画を見てる人のほとんどが「既視感」のある閑散とした半都会の情景。
時間を潰すドライブ、ゲームセンター、ファミレス。
ハリボテのまちとこころ。
10年ぶりに訪れた母校の校庭。
10年で積もり積もった色々をいったん肩からおろし、子供に戻るふたり。
アップと、太陽の光と影、引きの遠景。
カメラがほんと素晴らしい。

何者かに成りたい。
成ろうと努力した人も、ただ思っていただけのひとも。
結果、何にもなれなかったとしても、その時間は無駄じゃない。無駄だと思ってしまうけど。

 

ここは退屈迎えに来て:かわいい女の子とかわいい男の子。水しぶき

なんとなく「しゅん」とする映画何だけど、プールのワンシーンでキラキラにひっくり返す。

ほとんどの人が経験してない幻想で、多くの人をまとめる(笑)

クラスのアイドルに夢中な人も、そうでない人もいた。
記憶はあきらかにフィクションで、自分にとって都合のいいように再生される。

誰かにとっての憧れは、その逆はありえないとか。

 

同窓会に一度だけ行ったことがある。
覚えてない人、覚えてない恋、覚えてない事件。
ほとんど覚えてない。
脳がどうかしたのか?と思うくらい。

 

ぼんやりと外をみてただけの青春だったような気もするし
最大のモテ期だった気もする(笑)
自転車でたんぼにおちたり、学校サボって山に行ったり。

いろいろあったはずなのに。

 

 

「何者かになりたい」

とあの子はいった。
僕はそれすらも考えてなかった。

ただ漠然と

「こんな町からでて行きたい」

と思っていた。

 

東京へ行った。
恋人を福岡に残し。

たくさんの文化と
たくさんの行かれた人と出会い
たくさんの寂しさを積み上げて生きる毎日。

 

一度、生まれ育った町を捨てると、ずっとどこか「浮き草」のような気分。
一度も捨てず、生まれた町で育って行くのってどんな感じなんだろうか?

東京は夢のカタマリ。
そしてほとんどが燃えかす。

 

 

 

【710号室】映画見聞録~映画が大好き~2019





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