切り捨てられるのはとてもつらいから、切り捨てられない方の意見に賛成する。それが僕らの民主主義。

こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。

と、この書き出しをしばらく続けてきたけど。もういいかな。

新型コロナウイルスが現時点で僕らに残したものはなんだろうと考える。
僕らは確実に炙り出された。

「営業をやめろ」とビラを書く人たち。
政府の対応に不満のある人たち。
それでも信じて応援する人たち。
ただ単に「悪口」が嫌いだから思考を停止し、耳を塞ぎ目をつぶる人たち。
ただ単に「悪口」が好きだから思考を停止し、罵声を書き綴る人たち。
「武漢ウイルス」なんていいながら気持ち良くなってる差別主義者。
すれ違う人がマスクをしてるかしてないかをチェックする人。
テレビのニュースを信じてる人、信じない人。
たった数ヶ月の営業自粛できないなんて自己責任という人。

ウイルスという「人種や心情を差別しない（ほんとは差別してるんだけどね）」切り口で、ぼくらはばっさり分断された。
あっち側とこっち側に。

人は人を監視するのが好きだ。
人は「悪」をみた時、自分は正義だと勘違いする。

とくにぼくら日本人はそんな気がする。

この国は「自由」を毛嫌いする。自由は「人に迷惑をかけること」で、人に迷惑をかけることが「一番悪」だと信じられている。
この国は「反対するもの」を毛嫌いする。

初めてやる「団体行動」は学校で、そこでは多数決で事が決められる。
僕らはそれを「民主主義」だと勘違いさせられた。

全員に意見を聞く。
イエスかノーかを聞く。
多数が勝つ。
多数の意見が勝つ。
小さな意見を切り捨てる。
切り捨てられるのはとてもつらいから
今度は切り捨てられない方の意見に賛成する。

反対する＝人に迷惑をかける

そう肌で感じてゆく。

反対を頭に思い浮かべる人は「いつも反対ばかりする人に安定する」か、「賛成に回って、目をつぶる」
この世でうまく生き残る技術として覚えてゆく。

僕は明らかに後者だった。

逆らわず、参加せず。
そうやって、自分の時間を守り生きてきた。

反対すると、決まらない。
決まらないことは生産性がなく、悪だ。
議論は特に重要ではない。
大切なのは「締め切り」と「成果物」
どんな形でもいい。
今この会議を終わらせることができるなら。

反対すると、決まらない。
決まらないと「個人の時間」がどんどん削られる。

僕らは「自分の時間」を奪われまいとして、厄介ごとから離れ、とりあえず「同じです」といい
考えず、疑問を持たず、疑問が浮かんだら「気持ちのいい悪口大会」ですっきりと解消する特技を手に入れた。

その結果がこれだ。
自由はどんどん奪われていく。

でも、そもそも「自由」は厄介だ。
なんでも自分で決めなきゃいけないし、責任も取らなきゃならない。
そんな自由時間なんかより
テレビを見たりゲームをしたり、SNSに匿名で悪口書いてる方がいい。
きっとみんな「自由がイヤ」なんだ。
不自由を押し付けられてそれに文句いったり、反対をする人を「俺の邪魔すんな！」と攻撃してる方がいいんだ。

不自由を押し付けられるのが好きなんだ。
それに従うのが好きなんだ。
自分で考えると怖いから、誰かの考えに乗るんだ。できれば一番ポピュラーな考えに。