『恋人たち』と青空

それにしても美しい日曜日だったなあ。
ビューティフルサンデーっていう言葉がぴったりな。
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『ハッシュ!』から14年、『ぐるりのこと。』から7年。
橋口亮輔監督の『恋人たち』が、とうとう公開となりました。

ずっとずっと待ちに待っていた橋口監督の新作。
舞台挨拶付きの先行上映会で、 ひと足先に鑑賞することが出来ました。
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あまりに、激しい2時間20分だった。
観終わったあともしばらく頭がぼーっとしていた。

通り魔に愛する奥さんを殺された過去を抱えながら、 苦しい日々を生きるアツシ。
自分に無関心な旦那さんとお姑さんと暮らす中、 ある男性と出会ってしまう主婦、瞳子。
親友への報われない恋心を秘めて過ごしている同性愛者のエリート 弁護士、四ノ宮。

それぞれの場所でそれぞれにやりきれないものを抱えた三人を軸に、橋口監督が新たに描いた“恋人たち”ーーー“私たち”の姿。

『恋人たち』は正直、『ハッシュ!』や『ぐるりのこと。』 のように、心から大好きとは言えなかった。観ながらずっと、 あまりにつらくて、苦しくて。

ただ、間違いなく素晴らしい映画だった。
心の底から、本当に観て良かった。
何というか、自分のことをまた改めて知った。

と言うのも、『恋人たち』を観ながら思わず涙が出たのは、見事に希望を感じるシーンばかりだったから。

アツシの会社の女の子のちょっとズレた、だけどあたたかい提案と、アツシの返事。
あんな、本当に小さな光が差すような「ありがとう」は、とても普通じゃ聞けない。

そして、アツシの同僚がお弁当を食べながら言ってくれた、あの言葉。ものすごく当たり前で、言ってしまえばありきたりな言葉。
なのに、どうしようもなく心に染みわたる。

最後、アツシは部屋でひとり、奥さんに話しかける。

「きれいと思うたよ」という言葉に、涙が噴き出した。そう思える心がまだアツシにあるということが嬉しくて、 ほっとして、とめどなく泣けた。映画館でずっと一緒に嗚咽してた。ここでも、あまりに切実な響きの「ごめんね」を聞いた。

普段からよく耳にする言葉が、橋口監督の作品ではまったく違う響きで聴こえることがある。
そして監督の映画では、今回のアツシの独白のような、 絶対に二度とは撮れないだろうと思うような、奇跡としか言えないようなシーンが、いつも必ず撮れている。

瞳子さんが夕焼けの中で鶏を追いかけるシーンもとても良く、「 ああ。人生ってこういう一瞬があるから繋いでいけるよね」 と思った。たとえ結末が思ってもみないものでも、 あの瞬間のあの輝きまで、消えたりはしないと思うのだ。
最後に、旦那さんが瞳子さんにかけたあの言葉にも号泣した。

全編通してアツシの後輩の男の子が本当に良くて、彼がいてくれてどれだけほっとしたか。
「決心は、折れることもあります。」ってすごく良い言葉。
アツシの笑顔が見れたのも嬉しかったし、ラストカットの「よし」 にまた泣いた。
あの空、あの一言の静かで深い響き。

2時間20分の濃密な“人生たち”。

エンドロールの後のワンシーンが、ひたすらに美しかった。 お部屋がきれいで、風が抜けていて… っていう光景だけで胸がいっぱいになる。あの鮮やかな黄色。

舞台挨拶では、『恋人たち』というタイトルの由来となった、 ワークショップのお話をされていた。
監督がコラムでも書かれていたこのお話だけで、もう涙が。 ご興味ある方はぜひ。
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舞台挨拶で橋口監督の笑顔が見れて、私はとても嬉しかった。

やさしい人は、たくさん傷つく。深く傷つく。 ぼろぼろになることがある。
橋口監督と、監督の映画を見ていると、そう思う。
でも、傷つきながらも、人をあきらめない監督が好きだ。

橋口監督がここに生きて、映画を撮って届けてくれていることに、心から感謝したい。





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