東京巡礼《夏コミC88》第4幕:浅草演芸ホールで寄席を見る

さて、だいぶん時間がたってしまったが、そろそろ筆を進めていこうと思う。

今回の落語、正確には寄席というらしいが、流れを簡単に説明すると若手の前座から始まり漫才、手品などをはさみながら最後にトリが締める形になっている。

しかし、落語とひとくくりに言っても様々な種類があり、寿限無のような古典的な落語の話からダジャレのような小噺など人を全力で笑わせに来るものばかりだ。

もちろん最後のほうは師匠クラスの大取で、彼らの話は必ずと言っていいほど爆笑に包まれることが多いが、だからと言って若手の前座が面白くないかと言えばそうではない。

なにせ一番最初にお客に対して噺すのだから、初めて落語を聞きに来たお客に

「落語とはこういうものですよ、小噺とはこういうのを言うんですよ」

とわかりやすく感じさせなければならない。

最初の最初が詰まらなければそれ以降もつまらない噺しかないんだろうな、としか思われなくなってしまうため、前座の人は面白く、かつ落語のことがそれほどわかっていなくても楽しめるような話をする必要があるからだ。

今回前座を担当した若手も非常にテンポよくはなし、観客はすぐに落語の噺の中に引き込まれていく。

かくいう僕も最初に聞いた噺なににこの人が一番印象に残ったのだから、前座としては大成功ではないだろうか。

一体どんな内容だったかと言えば、こんな感じのお話しだ。

八五郎という若者がご隠居の家に遊びに来るところから始まるこの噺は、あとでネットで調べたところ「子ほめ」というタイトルだということが分かった。

ご隠居のところにただの酒があると聞きつけた呑兵衛の八五郎は、そいつを飲ましてもらおうとご隠居の家に遊びに行く、しかしご隠居はただの酒?そんなものはうちにはないよ、うちにあるのは灘(なだ)の酒さ、と答える。へえ、んじゃあそれでいいから飲ませてくれ。おいおい、いきなりきて酒を飲ませろとはずいぶん勝手じゃないか、礼儀がなっていない、人様からおごってい貰おうと思っているのなら、嘘でもいいから世辞の一つくらい言ってみたらどうだい。

せじ?世辞って何だい?

世辞ってのは相手を喜ばせる褒め言葉見たいなもんさ

なるほど、よ!ご隠居、色男!日本一のご隠居!!これでいいだろう?

良くないよ、世辞って言うのは例えば・・・・道端で商売やってる人に出会ったとしたら、「しばらくお目にかかりませんでしたが、どちらかへお出かけでございましたか?」と聞いてみるんだ、そうすると向こうは「商売の関係で南のほうへ」と返したとする。そうしたら「なるほど、道理でお顔の色が黒くなったのでございますね。」とこう言ってやればいいんだ

はあ?顔の色が黒いって言われてなんで褒め言葉になるんだ。

商売で日向をずっと歩いているから顔が黒くなる、つまりそとで忙しく働いているということは商売繁盛しているということさ

だけどよお顔が黒いっていわれてもいい気はしないんじゃないか?

だからこそ、これには続きがある、いいかい、そのあとにこういうのさ、「しかし、ご安心ください、あなたはもともと色白でございますれば、故郷の水でちょいちょいっとお洗いになれば、元通り白くなります。そのように商売に熱心でございますと、旦那様のご信頼も篤くなる、まことにおめでたく存じ上げます」とね、そういわれたら相手だって悪い気はしないよ、「どうだい、久しぶりに一緒に飲みに行くか」ってことになるだろうよ

なりますかねえ

なるさ

ならなかったらご隠居がのませてくれますか?

なんで私が飲ませなきゃいけないんだよ、まあいい、もしもこれでダメだったなら奥の手をだす

奥の手っていうと、背中から手でも生やすんで?

そんなところから手が出てたまるかい、お世辞のとっておきを出すんだよ、「失礼ですが、今あなたはおいくつになられましたでしょうか」こう聞いて相手が45だといったとする、そうしたら「おや、それにしてはずいぶんとお若く見える、どう見ても厄そこそこにしか見えませんな」

百って言われて喜ぶんですかい

百じゃない、厄だよ、お前さんまさか厄も知らないっていうんじゃないだろうね、はあ、いいかい、厄ってのは、人生のうち災難にあったり病を患ったりすることが多いから慎重に生活しなければならない年のことだよ、男性だったら二十五と四十二、六十、女だったら十九と三十三だ、つまりね、四十五といわれたら三つしたの四十二、つまり厄年くらいにしか見えない、と言っているのさ、世間の同年代よりも若々しく見える、と言われたらそりゃあいい気持ちだろうから、一杯くらいおごってやろうってきになるもんさ

はあ・・・・

という会話が続いていき、最後には声を上げて笑ってしまうほどの落ちがついているのだが、

ここでそれすべてを書いていってもつまらないし、こう言うのは落語家の声、抑揚などが混ざり合ってこそ面白くなるのだ。

他にもテグスの代わりに馬のしっぽを使おうとしたら逆にひどい目に合った話やらもあるのだが・・・

それを全部言ってしまっては何の意味もない。

こればかりはぜひとも浅草のあの会場に足を運んでもらってあの独特な雰囲気を感じてもらわなければ始まらない。

ただ一つ言えるのはこれから東京に行くたびに時間を見つけて必ず浅草演芸ホールに足を運ぶだろうということだけだ。

浅草

(続く)





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