紅白歌合戦での松田聖子の「赤いスイートピー」の無残さがネットで話題になっているけど。数年前から彼女は「ディナーショー的な歌いまわし」に変わってしまっていたんだ。ひっつめあげた髪型でおでこを丸出しにして。
全アイドルがコピー(改良・改悪ふくめ)してきた「しゃくりあげ歌唱法」をやめ、
こぶしとビブラートを多用するディナーショー歌手になってしまった。
変わらないほうがおかしいのかもしれないけど。
昔の歌を歌うと、極の完成度とみずみずしさを再現することができなくなってきてる。特にバラードは。
いろんな原因がうわさされてるけれど、それは置いといて。
思い出はいつもステンドグラスの向こう側~僕にとっての松田聖子のハイシーズンを振り返る~
裸足の季節でデビューした頃は、日本の歌謡曲ワールドにしっかりずっぽりはまった「パンチのある声・伸びのある声」だった。
僕はあまりピンと来なかった。
あまりにも「その前の世代のコピー」ぽくて。
その後の何枚かのシングルは似たり寄ったりで。マニア心はくすぐるかもしれないが取り立てて素晴らしさはない。
「白いパラソル」が出るまでは。
「お願いよ 正直な 気持ちだけ聞かせて」ミドルテンポで、低いAメロからサビへ流れる、高みへのぼっていく歌唱。
ハスキーでスモーキーで。
フルスロットルになった彼女は、転調・転調で攻める「風立ちぬ」から名曲「赤いスイートピー」とメジャー級ヒットを打ち続ける。
この時期のアルバム「パイナップル」は日本を代表する作家たちの手のひらを軽々と飛びながら「松田聖子ブランド」を確立していく。
夏に聞くポップスアルバムとしては永遠の輝き。日本を代表する大瀧詠一のロングバケーションにもまけないくらい(と、僕はおもう)
当時、クラスの女子から「これいいから聞いてよ」とカセットテープをもらった。もちろん松田聖子は大好きだったけど、めんたいロックバンドをやってた男子としては言えなかった。ふ~んありがと~。なんてそっけなくしたものだ。(大後悔)
アルバムの中の「水色の朝」「LOVESONG」なんかは、涙の出るような傑作。
次の「キャンディ」は全員が男性作家という異色作。細野さん、大瀧詠一、南佳孝などが松田聖子を媒体として日本のポップスの底上げをやる。
豪華な作家にまけない「しゃくりあげ歌唱法」と「スモーキー&ハスキー」で突き進む。
正統派ポップスの「天国のキッス」色っぽい「秘密の花園」と、アルバム「ユートピア」をはさんでも勢いは衰えず。
このアルバムの「マイアミ午前五時」とか「赤い靴のバレリーナ」みたいな曲をかけたらなあといつも思ってる。
決定打は
「瞳はダイアモンド」と「蒼いフォトグラフ」のシングル。
彼女の全キャリアの中でも最高の一瞬。
この2曲のカップリングシングルは、日本一だとおもう。他に大好きなロックもフォークもニューミュージックもあるけれど。ナンバーワンシングルは、これ。
松本隆の世界観を完全に再現し、さらに郷愁と陰り、人生の岐路まで感じられる、映画のような最高傑作。
日本一のカップリングが入った「カナリー」。
その2曲にも負けないエバーグリーンな表題曲の完成度といったら!!(作曲がSEIKOのクレジットなのも驚きだけど)
イントロのコーラスからの風景描写。
シトロエンという単語の強さ。
主人公二人の心のゆらぎ。
走り出す意思。送り出す決意。
そして夢の描写。
完璧なポップス。キャロルキングでもかけなかった虚構とリアルの絶妙のバランス
全10曲 まったくの捨て曲がない濃密な世界。
ここが僕にとってのピーク。
移行の作品もすばらしいものが多いのだけど。
ここを越えた事はない。
今は昔のことだけど。
彼女の開けたドアを通り、
彼女が作った橋を渡り、
彼女の耕した畑の果物を食べてる人たちは多い。
もう一度あのうたを聞くことはもうできないけど、いつまでも音楽はかわらずにここにある。
レコードプレーヤに「カナリー」を置いて、どアップのアルバムジャケットを眺めよう
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