スポットライト 世紀のスクープ:真実をさらけ出すために
ボストングローブのスクープは、くだらない芸能人不倫ニュースとかじゃなく。
ある神父が30年間、6つの司教区で130人もの性的虐待をしたこと。
アメリカ国民の心の支え【カトリック教会】の陰部をさらけ出し、子供達の未来を守ろうとした記者たちの話。
隠された者を表に出すということは「表現」と表せる。
巨大な組織。政治家スキャンダルどころじゃない。
みんなが気付きたくないところに目を向け、柔らかく腐っていく街に「NO」を叩きつける。
当然、誰もが協力的じゃない。
被害者も自分の信じた「神さま」を裏切ることになるかもしれない告発をしない。
生きてることをやめる人も多い。
教会は人を救うところ。そういう風に信じられてる。
でもドラマの中である人が言う。
「信仰と、教会組織は別だ。」
とは言っても教会は信仰を運営する組織。町中どこにでもある組織。
日常の中に寄り添う「悪」を治療することが本当に必要か?可能か?
スポットライト 世紀のスクープ:被害者を目の当たりにすることで、真実に立ち向かう勇気が生まれる
幼い頃に受けた傷。誰にも言えない「みんなを救う教会の神父」が自分にした恐ろしいこと。
その事実に耐えられず自ら命を絶つ人が多い中、彼らは性的虐待被害者たちを取材する。
彼らを見て、事実を知る。そしてそれは今も、ずっと続いている悪行。
子供はみんな教会へ行くのが日常のアメリカ。
自分が「被害者」にならなかったのは、ただ「運が良かっただけ」。
彼らの取材を僕らは役者と一緒に体験する。
泣き崩れるもの。
怒りを燃やすもの。
観客の目線と、記者の目線が同じ。目線の高さが同じだから、観客は心を揺さぶられる。
隠蔽する弁護士や権力者たち。
彼らでさえ、被害者になりえたのに。
スポットライト 世紀のスクープ:キャスティングが素晴らしい。
事実ベースの映画だから求められるのはヒーローやヒロインじゃない。
悩み、揺らぎ、怒り、燃える市民の代表者としての「記者」
それぞれに抱えてるものもある。
地味な事実の積み重ねでしか、証拠の積み上げでしか世界は変わらない。
復活したマイケルキートンを始め、いろんな映画で確かな演技を積み重ねてきた俳優が、自分自身がスポットライトを浴びることを捨てて、物語にスポットライトを当てる仕事をしてる。
教会を愛してやまない家族がいる人
自宅の近くに「犯罪現場」があるのに、公表できない人
昔、その告発を見過ごしていた人
妻と別居中で、それでも熱く真実を追い求める人
何もなく穏やかに「ふるさとの街」を守ろうとするもの
善や悪ではないそれぞれの事情を、名場面を作ろうとしない演技が解きほぐしてゆく。
結果、映画は味わい深く、恐ろしいものになった。
スポットライト 世紀のスクープ:マスコミはファンタジーになってしまったのか?
事なかれ主義に侵され、反論できない弱きものばかりをヒステリックに攻め立て、権力に寄り添い、おこぼれをいただく。
マスコミを目指した頃から、みんなそうだったのかな?
芸能人の不倫
被災地での強行インタビュー
ナショナリズムに徹した「富国強兵」の後押し。もしくは真逆。
真実から目を背けさせる仕事をするために「マスコミ」を志望したんだろうか?
今の日本ではこの映画はファンタジー。魔法が使えることの方が簡単に思える。
こんな時代もあったね。なんて、居酒屋で腐ってるマスコミの人たち。
「マスゴミ」なんて言われながら、じっと。
教師・政治家・役者・・・どんな仕事も最初は理想と夢を持って始めるはず。
そして間違いなくその夢は潰される。
でも、それでも理想と夢を持って生きることだけが、
その仕事を選んだ時の自分への「誠意」じゃないだろうか?
映画はそのことを、もう一度考えさせてくれる。
仕事って、なんだ?
今君がやろうとしてることは「仕事を始めたことの理想」に背いていないか?
スポットライト 世紀のスクープ:49%の勇気が51%になるとき
ドラマのラスト。新聞が告発をした日。編集部にかかってくる無数の電話。
抗議の電話ではなく、ほとんどが「被害者」からの電話。
「私もそうなんです」
ようやく言えた。隠したかった誰にも言えなかったこと。
そのことを誰かに言えるようにしてあげただけでも、彼らの功績は素晴らしい。
物言わぬ人たち。
サイレントマジョリティ。
彼らは100%納得して権力者のいいなりになってるわけではない。
100%諦めてるわけでもない。
彼らの持ってる49%の勇気の後押しをして、51%にできるのが「隠れたものを表に出す『表現者』」の仕事だ。
100%悪い人はいない。
100%の善人がいないのと同じように。
間違ってるかもしれないと思うことに手を上げて反論するのは、とても難しい。
だから、そんな弱き善人たちの後押しをしてほしい。
思ったことを言えなくなってきてるこの時代。
加速度的にその締め付けはひどくなるだろう。
だからこそ、今、こんな「ファンタジー映画」が必要なんだろうけど。
スポットライト 世紀のスクープ:映画は娯楽だけれども。
世の中はゴールデンウィーク。
重たい話は見たくないだろう。
アイドル主演のバカっぽい映画で、日頃の疲れを忘れることも素敵なこと。
何も考えなくてもいい映画も絶対に必要。
でも、それだけじゃもったいない。
せっかく映画は別の人生を垣間見せてくれるから。
いろんな世界を見たほうがいい。
スポットライト 世紀のスクープを見ていた人はほとんどが40代以降。
若くて情熱に溢れた人がまだいるのなら、あなたの仕事キャリアの最初にこの映画を見て欲しい。
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