はじまりのうた:感想【予算を手にして我が道を行くジョン・カーニー監督】

はじまりのうた:シング・ストリートから過去をめぐるパート2

音楽と人との関わりと、男女の再生と。
描かれてるものは「ONCE ダブリンの街角で」とまるで変わりはないのだけれどハリウッド女優と、多くのキャストを使える喜びが溢れてる。
だけど、浮かれてない。

物語はよりわかりやすく、ディティールにはよりこだわって。
音楽を作ってゆく楽しみを映像に残すことに成功してる。

音楽映画なんだから、音楽が良くて当たり前というハードルを更に乗り越えて、素晴らしい曲が集まってる。

 

はじまりのうた:キーラ・ナイトレイの歌が、かなりいい。

ウィノナ・ライダーのいぬ間に取って代わった(と、僕は思ってる)キーラ・ナイトレイ。整いすぎて変な顔。パイレーツなどのお子様映画にも出るし、なんか洋風シャンプーの宣伝みたいで、今ひとつ乗れなかった女優さんだけど、はじまりのうたではいいシンガーの役がぴったり。

お姉さんキャラを見事に輝かせ、
捲したてるF××K YOU!も素敵だ。

すべての女の子はギターを持って、立つべきだ!を信条とする僕なんだけど、キーラ・ナイトレイはずば抜けてた。

「ONCE ダブリンの街角で」と同じように、女の子はピシッとしまってて、物事をしっかりキメきれて、交渉もすごい。
監督は何か女性に対して相当なコンプレックスを抱いているに違いない。

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はじまりのうた:夢をもう一度、落ちぶれててもいいじゃないか

ヒットを飛ばせないプロデューサー。
家庭内のいざこざもあり、何もかもうまくいかない。
創業者なのに会社には解雇され
ビール代もない。

でも彼にはメロディーが聞こえる。
ギター一本で自信なさげに歌う彼女の曲に、素晴らしくセンスのいいアレンジが降ってくる。

曲を作るときに「音を捉えられてるか?」ってのは重要。
際それを演奏できるかできないかよりも「理想の音がわかっているか」で出来上がりは大きく違う。

ギターの弾き語りの若者を見るけど、ギターの後ろで鳴る音を想像できるかどうかで、表現は広がってゆく。

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はじまりのうた:楽しすぎる街中ゲリラ録音

機材を持って走る。
都会の喧騒を含めた、歌を録音する。
子供達の騒ぐ声。
住人の文句言う声。
パトカーのサイレン。
すべてが街の音楽。

録音シーンが本当に楽しくて、泣きそうになる。

そこに父と娘、夫婦。友達。リスペクトなどの要素が入ってくるもんだから相変わらず涙腺は崩壊だ。

特に娘のエレキギターがば〜ん!って入ってくるところはもう、嗚咽が出そう(笑)
優しいお友達も、クラシックに飽きてるストリングス隊も素敵。

 

はじまりのうた:歌を作る意味。存在する意味。

歌は聴かれなければ意味がない。
多くの人に聞いてもらいたい。

僕はそう思わない。
全くもって思わない。

ライブは楽しんでもらえることよりも、自分自身について誠実かどうかを重要視してる。
コールアンドレスポンスや叫び声がいらない歌もある。
ノリが良くて、盛り上がるなんてのを必要としない歌もある。

自分の心に誠実であるか?
作品としての体をなしているか?
ドラマを、風景を見せてあげられるか?

フィジカルなノリを否定はしない。
だって踊りたいんだもん。

この映画はメッセージとしての歌も、フィジカルなダンスにもリスペクトをしてる。
そこが素晴らしい。

ランディニューマンも、ヒップホップも、あるべき音楽。

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はじまりのうた:恋は原動力かもしれないけど

相変わらず主役の二人はセックスしない。
お互いを必要としながらも、真ん中に音楽があり、相手への尊敬がある。

お互いの人生へのリスペクトが、映画を美しくする。

ジョン・カーニー監督。
これからもどんどんこのまま、作品を作っていってほしい。

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