七夕のブローインにて【音楽は一人ぼっちにしてくれる】〜川上建次郎さんと話す(その1)〜

こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。

昨日は七夕。あちこちで豪雨による被害。
久しぶりに見に来るはずだった知人もこれず。

みなさん、どうかご安全に。ご無事で。

 

馬出ブローインは知り合いばかり。でもそれが「和気あいあい」にならないのが馬出派のみなさん(笑)完全に全員が勝負してる。

誰かと勝負すると言う簡単な試合ではなく。
自分の武器で自分の場所に立つ。

 

この日は福崎くんやチャーリー林のバックでギター弾いて、すごく温まっていた。ああ、今日はなんか気持ちがいい夜だなーと思っていた。

そこに現れたのが「川上健次郎」だ。

前回のライブも対バンだった。強烈に個性的な、でもポップな楽曲をふわりふわりと投げていた。
今回はご自身のアルコール度数も手伝ってか、さらに広く美しい世界を描いていた。

日本古来のメロディーをベースに、妖怪のようなルックスで、隣町のことから白夜の丘で起きたことまでを描く。

物語がある。「個」をもった登場人物がゆらゆらと動き出す。すごいなぁ天才っておるんだわ。頭からなんか出てきたわ。

 

ギターを弾いてあったまっていたので、そこまで飲み込まれることもなく(笑)自分の番に。ライブはとてもよくできた、かな?
でも本番はここからだった。

 

 

演奏終わりに話をするのは実はかなり苦手で、ハイになってるかローになってるかの両極だから。そんなへなへな状態の時に川上健次郎氏は話しかけてきた。酔った勢いもあって(笑)

僕の歌の感想から始まってぐいぐいと面白い方へ。ラジオでこの二人の話を中継したいと思うくらい。

 

音楽は一人ぼっちになれる:たった一人で受け止める歌の世界

ライブの良さというのはなんだろうって話になり、彼は「一人になれるところ」と言った。
発せられた音楽は聞いてる一人一人に受け止められ、その内圧により形を変えて、ろ過されて違った印象を形作る。

聞いてる人がそれぞれ自分の色に置き換えた「音楽」をもって帰れる。

歌われた歌がトリガーになって、自己を確認することができる。
そのことが、いろんな属性で生きなくちゃいけない僕らを「個人」にしてくれる。

フェスなどでの「全体主義的な盛り上がり」や「一体感」にすごく気持ち悪さを感じる自分に答えが出せないままでいたけど、この日わかった。

音楽も映画も小説もだけど、アートは作者と受け手に「誤差」を生む。
その誤差、差異こそが「個人」なんだ。

 

個人とはなんだろう?それは都市にあるのではないか?

彼は東京から帰ってきた。多様性ことが都市のあるべき姿なのに、そこにわざわざ「ダイバーシティ」などという看板を掲げる街に

「あ、ここに住んでいてももう意味がない」

と思ったそうだ。

〜ぽいファッション、〜ぽい音楽、幸せぽい毎日。全てがコピーのコピーで劣化する一方。

 

僕は都市が好き。団体がないから。コミュニティがないから。

博多駅の交差点を渡る人たちにはなんの関連性もない。
どこかの位置から写真で取れば、それは「集合体」に見えるかもしれない。
でもそれぞれが「個」を抱えた他人で、ただすれ違ってるだけ。
だから都会が好き。

都心が持つ多様性は最近「絆」という気持ちの悪い暖かいロープで絞められてる気がする。
わかりやすい記号がたち、深く考えなくても導線看板だけ見てれば誰かの意図した場所でたどり着く。

僕らは一人、一人づつ。

アートに触れることで人は「一人ぼっち」になれると話しながら、ああ、一人ぼっちに耐えられないから人はアートから離れていくのかなぁとも思った。

 

 

情報伝達と物語:差異について

正しい情報を、正しく伝える。
間違いのないように。

ライフハックとしての情報伝達の重要性はわかる。共感や理解を目的にすれば、「勘違いせずに済む言葉」を発し、制作者の意図、発信者の意図が「伝わる」ことが重要視される。

物語は違う。

物語には「隙」がある。語られていない部分を想像することで、誰かの物語は自分のものになる。

 

歌の中から「詩」がなくなってきたよね。

僕自身、わかりやすく「メッセージ」として歌を発することに抵抗感を感じてたんだけど、最近、それじゃ届かないと思い始めた。実際、直接的な怒りや悲しみを歌った歌は「受ける」。

でもその場合、作家は多くの「いいね」をもらえるということに重きを置いてないだろうか?
自分の意図するものが、その瞬間「伝わった」というリアクションを欲しがっていないだろうか?

その歌は持ち帰ってもらって「反芻してもらえる」か?
一つの小さな「いいね」ではなくて、大きな、初恋のような初期衝動からくる「いいね」になってるだろうか?

物語として、聞いた人の中で育っていく場所、「隙」を与えられているだろうか??

結果を求めすぎることで、深さを忘れてないだろうか?
そもそも、承認されることに主を置いてないだろうか?

心に湧き上がったその風景や気持ちを、形にする。
それを発することで、聞いてる人の隙間に入り込み、物語が育つ。

その理想を忘れてやしないだろうか?

 

などなど、馬出ブローインの世は更けていきました。

次回はこの日、べた褒めされた「彗星の夜」についての考察から、未来へのノスタルジーへのお話です。

 

【704号室】ガーリーおじちゃんはまったく役に立たない2018





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