こんばんは。ブログアパート管理人のサニーです。
9/16はあちこちでイベントが被りまくってました。体は一つしかないから数選ぶのはその人の嗅覚。
僕が選んだのはこちら。
なぜなら、日本語の歌にどんどん興味がなくなっていってる僕に「驚くべきもの」を見せてくれそうだったから。
幾分涼しくなった中、自転車30分こいでゲリラハウスへ。
ここも来なくなったなぁ。
とにかく仕事に忙殺される一年間がやってきて、ライブも映画もかなりチョイスしなきゃ行けなくなった。あまりみなさんとも会えませんが。そう言う時期もあるってことで。
レポート始まり。
来海:まだまだこれから。船出したばかりのシンガー
前回キャバーンでライブを見た。
17才だと言う。年齢や性別に興味がないので忘れてた。
今風のジャパニーズR&Bを聞いてるんだろう歌い方と声。
身の回りであったことからヒントを得て作られる歌。
フレーズのあちこちに、面白いものを作る可能性がたっぷり散りばめられている。自分の調理法を見つけて、いらない材料を捨てて、守備範囲をグッと縮めて行くときっと良くなる。
毒でもいい、薬でもいい、どちらもでもいい。
自分の目で見たものや、自分の肌で感じたことを「借り物」の代わりにどんどん掘り出して行けばきっと楽しい人生になるよ(自分にとって、ね。)
楽しいことや嫌なことにたっぷり激突しよう(笑)バンドもきっと楽しいと思う。その中でエゴをだし、出しまくって生きてほしい。歌を歌って楽しい!と言う人生か、人の心を狂わせるほどのアーティストになるかはこれから。
歌唱力は間違いないから!
山田芭瑠:東京でビートと開放感を手に入れた
山田芭瑠。初めてブギのオープンマイクで見た時からすごいと思っていた。これはいろんな場所で歌わなきゃ!と思った。他人のことなのにね(笑)
福岡で一緒に演奏したり、お誕生会にきてもらったり。
きっとそのうち伝説になるんやろうなぁなんて思いながら。
そんな彼女が東京へ行って、一年くらい?
久しぶりに見れた。
昔からの曲はもうスタンダードで、歌える(笑)
硬くて頑なだった福岡時代と比べて、東京で広い空を手に入れたんじゃないか?
眠らない街でアルコールの海に浮かびながら、彼女は余裕と風格を手に入れた。
日本語でも英語でもないアジアのビートで歌う。山田芭瑠は自分の場所を手に入れた。
歌のうまさとか、伸びのある声とか、まだまだなギターとか(笑)変わらない部分もあれば新たに手に入れたMCとか(笑)
広く深くなった世界と、力の抜けた筋肉からはじき出される言葉のウエーブが気持ちがいい。
ユーモアが増えた。
言葉でない歌が増えた。
それが答えなんだろう。東京シティーは。
アバンチュールという曲が素晴らしくカッコよかった。
ああ、偉くなったねぇ(笑)なんてちょっとスネてみたりして。
高倉周作:刺すためには日本語でなければならないのだ
日本語で刺してほしい。そう思って今日はきた。
彼は、まっすぐに刺してくれた。
ギターが安定してる人のライブはそれだけで落ち着く。
言葉の美しさと優しさに満ちた楽曲を並べてきた。
とにかく彼の歌は優しい。慈愛に満ちている。
誰の気持ちも、存在も背負わない。自分で自分のことだけをやる。自分のことを歌う。でもそれがポピュラリティーを持って迫る。
閉じてるのに、広い。なかなかいない。
チョイスされる言葉のセンス(この言葉大嫌い)というか、執着というか。
世界観(この言葉もくそ嫌い)の柱の一つを言葉がしっかりと支えてる。あまりいない。
難しい言葉ではないし、使われない言葉でもないのに、あの声で歌われると「ポップなのに孤高」な世界が広がる。
死神のような格好で、狂った犬のような目で歌うのに、生に満ち満ちている。生きるということの肯定感に満ちてる。
世界にはクソくだらない「わかってあげた風」の冷たい歌が溢れてるのにね。
家に帰って、彼の「たそがれ」を聞いてる。
満ち満ちている。
冨安志穂:デジタルの壊れたピアノと骨皮のストリングス
ロマンチック結晶。完璧主義でルナティッククイーン。
架空の世界のリアリティ。
夢の世界の住人の音楽を奇異なものでなく浪漫として届ける。
とてつもなくガーリーで、夢のよう。
高熱を出してうとうとした時にみる、甘くて美しいバラード。
MCで流れを止めることもなく、曲ごとに幕が上がり、下がる。
転換する。
座る。
たつ。
緊張感を引き戻す。
ゲリラハウスのステージの後ろに赤いカーテンがあるような気持ちになる。
長崎に戻ってから、なかなかライブを見ることができないけど、この日はなんと夢のよう。
いつかフルオーケストラで見てみたいなぁ。
この日は厚底のヒールだったよ(笑)
萠珈:沈みゆくごとに新しい宝を持って浮かび上がる溺れる人魚
割と長いこと聞いていて、飽きないって僕にとって一番ありえないこと。
新しい曲を作り、世界を広げたり閉じたりしていく萠珈は「わかりにくさ」を受け入れたまま、違う場所へ旅する。
大森靖子チルドレンでスタートし、悪魔に魂を売ったり、童話の世界に逃げ込んだり、太宰に傾倒したり、世界の底辺から見上げたり、また陸橋から見下ろしたり。
浮き沈みの激しい日々の中で、彼女は深く沈み込む。
呼吸もせずに。
そして沈んだ海賊船から新しい宝を持って浮かび上がってくる。
未練を捨てて、手に入れた歌を。
この日はスタンダードな曲と(あ、僕にとってね)新しい地平の曲を聞いた。(歌詞は間違ってるかも)
「どっかで生きてたら、また会えるからね」って愛した人から言われて、私は死のうと思ったよ
震えるくらいロマンチックだよ。
終わりを作らなきゃ怖くていかれちまいそうだ
星座のない星空を探しに行こうね
あまりに素直すぎて、あっけにとられる。
個人的には「君を愛してる」っていう100万個の言い方を作り出していくのが「詩」だと思うのだけど、こんなロマンチックで悲しくて暖かいフレーズを彼女が手に入れるなんて(笑)
何があったんだろうプライベートで(いらん世話笑)
捨てるから手に入る。でも愛してるから手放さない。いろんな思いが1秒ごとに浮かんで消え、体を動かしたり止めたりする。人生って、日々ってそれの繰り返しだ。決して変わらない。
だから終わりを作らなきゃ。
素直にまっすぐに柔らかく刺す歌。
日本語の歌にもまだまだあるじゃないか。新しい歌が。
しかし、5組みの出演者がみんなすごいっていうイベント、なかなかない。
そして、歌える曲が全員にあるなんて!
これは俺的「ヒットパレード」じゃないか(笑)
おまけに「音甲斐」では好きに踊ることを許されたしね。
このところの生きてることへの苛立ちとか無念とか焦燥とかを吹っ飛ばす力が、歌には、ビートにはあるね。
こんな世界、いっそ回るのをやめちまえ。
いいさ、俺が回るから。
こんな素敵な出演者を集めてくれてありがとう。
とても幸せな気持ちで自転車を漕いで帰った。
恒例のシンガーソングライターおじさん(粘着地蔵自撮り笑)
「死ねや老害」と言われてもまだまだシナンで笑
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