ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生:感想【僕が見たいのはこれじゃない】つまらないと感じたごく少数の人へ

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生は面白いか??

前作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は楽しかった。映画的なシーンやウイットとユーモア、21世紀のつまんない部分であるところのゲームぽさも含めてエンターテインメント作品だった。

第二作目のこの作品。
僕は前作ほど好きにはなれなかった。
それは映画が「合わなかった」 だけで、駄作だ!とかいうものではない。

僕は「ハリーポッターの世界」から脱落した観客。
後半のあの憂鬱極まりないストーリー展開や絵柄についていけなかった。
「成長は窮屈と憂鬱の産物だ」というようなツライお話は見たくなかった。

そんなのは他で見れるから。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が面白かったのはオタク青年が主役で、オタクぽさを発揮しながら事件を解決する(したんだかしなかったんだか)ところ。

本当に「ファンタジック」な動物たちのとシーン、捕獲劇がとても楽しかった。
登場人物がだんだんと物語という船に乗ってくる感じも良くて、ちょうど覚えらえる人数だったのも大きい。

ところが今作は人物が増えた。
歳をとって、人物の名前を覚えられなくなったのかもしれないが、キャラクターの立ち位置が不明瞭で、説明的、2時間ドラマ的なセリフが多く、ぼんやりした。
シリーズものだから、最後まで見れば全てのパーツがハマって大きな感動に結びつく!
と、いう方も多いだろうし、皆さんは最後まで熱狂を持ってお付き合いするんだろうけど。
この映画を見て「次も見たい!」とは全く思わなかった。

なぜなら

「あの不快なムード、憂鬱が早くも染み込んできた」から。
ハリーポッターから脱落したあのムードが。

 

 

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生:主なキャスト/キャラクター

  • エディ・レッドメイン……ニュート・スキャマンダー
  • ジョニー・デップ……ゲラート・グリンデルバルド
  • ジュード・ロウ……アルバス・ダンブルドア
  • エズラ・ミラー……クリーデンス・ベアボーン
  • キャサリン・ウォーターストン……ティナ・ゴールドスタイン
  • ダン・フォグラー……ジェイコブ・コワルスキー
  • アリソン・スドル……クイニー・ゴールドスタイン
  • ゾーイ・クラヴィッツ……リタ・レストレンジ

これが主な人物で、中国系の美人さんも登場した。
僕のキャパを超えたのだね(笑)。

ジュード・ロウやジョニー・デップがきちんと仕事をして、とてもいい印象。
きっと訳ありなこの二人にビッグネームを持ってきたことによって「オタクのドタバタ珍劇」から「愛と復讐の壮大なドラマ」に変わってしまった。

人気シリーズもの、TVシリーズからの劇場映画が陥るのが「スケールアップしなきゃいけない恐怖症」だと思う。
わかる。
わかるけど。
スケールアップすることによって無くしてしまうものもたくさんあると思うんだけど。

 

 

新しいキャラクターの

  • 純血の魔法使いリタ・レストレンジ
  • そのリタの婚約者でニュートのお兄さんテセウス
  • 蛇に変身するクラウディア・キム(スヒョン)

一人一人はとてもいいキャラクターだと思うけど、120分を分割していくと中途半端になるよね。

好き!(笑)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生:何よりもあの重さが苦手。

壮大なハリーポッターシリーズへの揺れ戻しのせいか、一言で言えば「黒い魔法使いの誕生はファンタスティックじゃなくなった」んだと思う。
さらに言えば「ビースト」の可愛らしさも減った。

もちろん陽気なままでは終われないってのはわかる。
作り手は波乱と悲しみに満ちた壮大なストーリーを披露することで「作家としての力量」を発揮するんだろうけど。
でもあえて言えば、そこがローリング氏の「貧乏くささ」だと思う。

素晴らしいキャラクターを余すところなく使い切る感じが。
暗闇はより濃く、雷はより鋭く。
その過剰なまでのストーリーの広がりが純真無垢な映画の本質を吹っ飛ばしてしまう。

わかるよ。

  • 口のうまい悪党に純真な心は騙される
  • 生き物はルーツを探る
  • 恐怖は分断を作る
  • 幼き頃の愛情は憎しみに変わる

なんていうリアリズムがキャラクターに厚みを持たせる。
それが「良いこと」だとされてることも。

でも、そんなもの見たくないんだ。
それは他で見るから。
もしくはそれは「映画館以外」で目の当たりにしてるから。

 

  • 動物の保護に必死だったニュート
  • 信念を曲げないニュート
  • 母性本能をくすぐるニュート
  • 世界や誰かのためでなく自分の信念のために動くニュート

そういう姿が見たかった。

オタク青年がオタクであるがゆえの強さと弱さが見たかった。

 

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生:熱狂を持って迎えられるであろうこれからのシリーズ

全部で五作らしいこのシリーズ。
きっとハリーポッターを愛する世界中のファンに歓迎されるだろう。
ダンブルドアとグリンデルバルドを物語の中心に持ってきて、秘められた過去が明かされるだろう。
世界は深い暗闇に落ち、苦しんで、あかりを取り戻すだろう。

その後ヴォルデモートが現れ、ハリーが現れるまで。

 

でもね、今でも時々見返すハリーポッターのシリーズってどのあたり?(僕は見ないけど)
きっと初期の三部作くらいだと思うんだ。

僕にとってのファンタビはきっと一作目で終わり。
蛇のお姉さんは残念だけど。

 

あ、ジョニーディップはよかったよ。前作が腑抜けな演技だったからどうなるかと思ったけど。
もちろんジュードロウも

 

 

クリスマスシーズン前にみて、憂鬱になって見てください。
もちろんここに書かれてるのは個人の感想ですよ。

 

【705号室】映画見聞録~映画が大好き~2018





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