こんばんは。「わたしの人生、わたしのもの」のサニーです。
Twitterで「六本松のむつの木が今日で閉店」というのを見て。
「え?」と思った。
今から30年以上前のこと。
僕ら夫婦がまだ恋人同士だったころ。
僕は東京へ
彼女は福岡へ
遠距離恋愛のスタート。
ほんとうは二人で東京へいき、仕事を探そうと思っていたのだけど。
(ここら辺の話は、ここでは割愛。なかなか面白いから直接聞いてね)
東京へ行って、初めて福岡に帰ってきて、彼女の家にとまった。
そのとき食べたのがこの「むつの木」のハンバーグ。
その後、僕も福岡へ戻ってきて、彼女の家に転がり込んで。
それからずっと、むつの木のハンバーグを食べた。
東京から友人がきた時も、ここで食べた。
今はもうなくなってるメニューの「カレードリア」を食べた。
子供ができたからも何度も行った。ファミレスではなくて「むつの木」に。
「いらっしゃいませお客様!」と張りのある声で迎え入れてくれた女性。
その声にびっくり苦笑しながらも、ハンバーグを食べた。
すごい豪華なわけでもなく、特殊な素材でもないとおもうけど
ほんとうに「ふわっふわ」だった。
デミグラスソースもまさに「洋食」の味で。
雑多にいろんなメニューがあるのもよかった。
ハンバーグ専門店でなく、「街の洋食屋」さん。
お店の看板も最初は「むつの木」だったけど、そのうち「六本松の手作り洋食屋さん」というのがどーんと大きくなった。
変わっていく六本松のなかで、昔ながらのお店。
六本松を離れて、あまり行かなくなった。
車ででわざわざいくんじゃない。
この街に住んでる人が気軽に食べる場所。そんな感じ。
三和珈琲もなくなった。
さて、最後の営業日。
夕方6時にいくと、もう満席。
次々と訪れるお客さんたち。昔からの常連さんぽいひとも、閉店を知って駆けつけた人も、ただ単に近所だからきた人も。
満員でお断りをしてた。
メニューもドリアとかはなく、ハンバーグのみ。
ふわっふわよ。
キッチン内でてごねしてパン!パン!と空気を抜いてるのを見るのが好きだったなー。
ランチ、どれにしようか真剣に迷ってたなぁ。
ごちそうさまでした。
最後の伝票
角っこがボロボロになってるメニュー。
さよなら。
お母さん二人が、ちっちゃい子を一人づつ連れて食べにきてた。
店内満員。
金切り声が響く。
僕は子供が嫌いなので、「あーはずしちゃったな」と思う。これは仕方がない。そう思うんだから。
でもさ、ちっちゃい子供なんてそもそも「人間」じゃない。動物に近いから、お行儀よくとか無理。
期待したらいかん。
そこだけは絶対。
この日良かったのは
- 子供は騒いでるわけでなく、声が超音波なだけ
- お母さんたちが「静かにしなさい!」と強くは言わなかった
これが、僕にとっては重要。
子供がハイになって食事処で走って回ったりしてたら、僕は迷わず足をひっかける(嘘)
そんなんんじゃなく、普通の会話が「ちょっとでかい金切り声」なだけ。
もう一人のちっちゃい方はママの手をするりと抜けてテーブルの下に潜る。
そりゃ潜るよね、普通。
お母さんたちは
子供をひっ抱え
片手でハンバーグをひと口大に切っていって、食べさせる。
高等テクニックよ。
うちも子供が小さい時、一緒に食事はできなかった。夫婦どっちかが面倒見ながら変わりばんこに食べた。
お父さんはこの場にいなかった。
まだ6時過ぎだからお仕事頑張ってるんだと思う。
レストランにはいろんなことが起きる。
おいしいものを食べたいという「欲望」を抱えてやってきて、ときどきトラブルに見舞われる。
- オーダーした料理が遅かったり
- 隣の客がおっさんパーティーだったり
- 隣の客がおばさんフィーバーだったり
- 隣のテーブルが保育園だったり
それでも、料理が来たらしあわせだ。
むつの木はもう閉店。
あの味はもう食べられない。
このご時世、閉店する店がとても多い。
続けられなくなったり、業態を変えたり。
僕らにできることは
なくならないうちに行くことだけ
あなたの馴染みのお店に、今週末あたり顔を出してみませんか?
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