萠珈ワンマンライブ【独裁的降霊祭儀】:血痰を出しながら地下室へ
今期最低の体調。最悪のタイミングでうつされたウイルスが胸の中でマグマになってる2018年3月17日。
今知りうる限りの「最高の言葉遣い」&「変なコード進行遣い」萠珈のワンマンライブ【独裁的降霊祭儀】を見に行く。なんと前売りチケットを購入しているのですよ。
この偽博多人が。前売りを買わないという評判の博多人が。
開演前に行列ができている。
それも若者が多い。
それでこそ。
僕ら初老を含めたおっさんで囲い込みをしてなんになる(笑)
萠珈ワンマンライブ【独裁的降霊祭儀】:三人の使徒を従えた主人
バンド編成での萠珈は初めて見る。
動画では見たし、前にリハーサルにお邪魔したこともあった。
歌心に満ち満ちたベースマンは今回も健在。
うねうねと動くのに「どうだすごいだろう俺」て感じのしないベーシスト。演奏する歌に導かれてそれ以上のことはしない大人の饒舌。まだ若いのに!
セットリストなどは萠珈本人のブログで発表されるだろうから、URLを貼っておく。
萠珈を見たのは一昨年のクリスマスあたり。
ちゃんと聞いたのは去年の2月。
それからまだ一年ちょっとなんだけど、何曲の新曲を聞いたろうか?
去年一番見たアーティストだ。
この「アーティスト」って言葉を使うのが憚られるのは「アーティストとは名ばかり」な人たちのLIVEが世界に溢れてるからだけど、彼女はまぎれもない音楽・芸術への殉教者であり、背任者だ。
萠珈ワンマンライブ【独裁的降霊祭儀】:2017年に地獄と天国を高速で移動した彼女
去年の三月、ドラムレジェンドであったワンマンライブ。
それから一年でこの爆発具合はなんということか。
日本語を解体して、今は青空文庫の中で息も絶え絶えな文豪の血を混ぜて、ウェーイのないラッパーの衣装を着せた曲を、まるで「ミンチマシーン」のように作り出す。
髪の毛をいろんな色に染めるごとに、心も体も痛めつけながら、天国と地獄を行き来する高速ロープウェイで往復し、
黒い髪の毛に戻った。
才能って言葉は嫌だけど。
独特の世界観なんていう言葉は嫌だけど。
負けず嫌いの努力家なんていうのは最低な言葉だけど。
作品を作るごとにどんどん骨と皮のようになっていく萠珈はこの日、最近の定番衣装とドレスアップした姿でその肢体をさらけ出した。
シルエットでしか物語れないインドネシアの舞台劇のようなライブ。
萠珈ワンマンライブ【独裁的降霊祭儀】:たった10センチほどの高さのステージは異次元
曲が終わり、「ありがとう」と言って拍手がある。
なんていう安定は、ない。
僕の嫌いな「みんなの笑顔あふれる一体感」なんてものはない。
和やかさがないわけではないし、笑えるところもあるし。
衣装の持つ二次元さは、キャッチーでもある。
でも、作品が聴衆を寡黙にする。
演奏された曲が、「音楽」のような気がしないから。
まるでその場で「ある事件」があり、それを夢の中で傍観してるような気持ちになるから。
萠珈ワンマンライブ【独裁的降霊祭儀】:初期・第二期のベストのような選曲
弱きもの、日陰者、独り者、外れ者、生きてる者、死んでる者。
歌の主人公は「ひとり」を抱えきれず誰かとふれ合おうとしながらも、できずにいる。
豊かな空虚とも言えるだだっ広い空間を想像の馬車が走る。
へんてこなコード進行で「音楽を聞き慣れたクソ批評家ども(僕を含む)」を嘲笑い、王道のサビで泣かせる。
繊細なガラス細工かと思わせておいて鋼鉄のマシーン。
重厚感あふれるビートで踊らせる。
ロックンロールの快楽をスパイスとして使う。
もともとアコースティックギターで歌われていてもビートの塊だった曲が、使徒たちによって緩急自在に演奏される。
エンターテイメントとしても一流。
それはツボを押さえた演奏をする三人のおかげかもしれない。
僕が萠珈と演奏し、歌ったのがもう数十年も昔のことのようだ。
前後編合わせて2時間弱のステージ。
歌われてない曲も、まだある。
もちろん、生まれていない曲はもっとあるんだろうけど、全曲聴いてみたいものだ。
弾き語り全曲3時間公演を熱望する。
この日購入したCDのレビューはまた後ほど。
すごいよ。
「死」に対する恐怖と憧れと、甘酸っぱい青春の錆びた線路の軋む音が満載だよ。
小さなライブハウスで見れるうちに、全部見ておけ。
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